4月8日 入学式 38期生を迎えて

 4月8日(月) 午前中の始業式に続いて、午後13:30から入学式を挙行しました。

 府教育センターから来賓として隣席いただき、本校PTAを中心に、祝福の言葉を頂きました。

 国歌斉唱の後、入学許可宣言、新入生代表宣誓、校長式辞、PTA会長祝辞と続きました。

 代表の宣誓では、練習時はやや緊張していた様子でしたが、本番では見事に239名の新入生を代表して宣誓してくれました。

 38期生は、入試制度、カリキュラム(学習指導要領)、制服と3つそろって新しくなった学年です。

 野崎高校の歴史に、新たな一ページを刻んでくれる新入生には、これからの頑張りを大いに期待しています。

 

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 ところで、私が野崎高校に着任して、今回で3度目の式辞となります。

 どのようなメッセージを生徒や保護者、来賓の方々にお伝えするのか、いろいろと考えるのですが、38期生に向けては、「可能性を信じて、困難なことにも立ち向かう意志」「互いの人格を認めあい、他者を尊重する心をはぐくんでほしいこと」の2つに絞って式辞としました。普段から自分もそうありたいと心がけてきたことなのですが、新入生は、みな静かに聞いてくれました。

 野崎高校の3年間で、一人ひとりが精一杯輝いてほしいと切に願っています。以下に、私の式辞を掲載させていただきます。

 

平成二十五年度 第三十八回 入学式 式辞

 

桜が爛漫と咲き誇る 今日のよき日に、 

平成25年度 大阪府立 野崎高等学校

入学式を挙行いたしましたところ、大阪府教育委員会ご代表様、本校PTA会長様はじめ、ご来賓の方々、並びに多くの  

保護者の皆さまのご列席を賜り、高いところからではございますが、厚く御礼を申し上げます。

さて、ただ今、本校 第38期生として、入学を許可しました239名の新入生の皆さん、入学おめでとう。皆さんの入学を心から歓迎いたします。

 

保護者の皆様には、今日の式でわが子の高校生としての姿をご覧になられて、感慨もひとしおかと 拝察いたします。

お子様のご入学を心からお祝い申しあげます。

 

本校は、命の大切さを自覚し、他者への思いやり、やさしさを持った心豊かな生徒、自らの将来を設計し、自己実現に向けて努力する生徒の育成を目標として、教職員が一丸となって、生徒一人ひとりを大切にする学校、地元に愛され、信頼される学校づくりに取り組んでまいりました。

そうした本校の歴史に 今、新入生の皆さんを迎えました。

 

皆さんは9年間にわたる義務教育を終え、今日から野崎高校生としての生活が始まります。高校は義務教育ではありません。自らが進んで学び、成長する場であります。

今日の入学式は、皆さんが充実した高校生活を送るための覚悟と 決意を確認する場でもあります。

今日皆さんは、スタートラインに立ったわけですが、これからの3年間を どのように過ごしていくかということで、今後の人生が大きく変わってきます。

高校生活は、人生においては、わずかな  期間ではありますが、皆さんが大人へと成長していく 最も大切な時期であり、進路決定においても重要な意味を持つ3年間なのです。 

 

そこで、新入生の皆さんに、これから高校生活を送っていく上で、心掛けて欲しいことについて 二つ申し上げます。

一つ目は、「自分の可能性を信じて、困難なことにも、積極的にチャレンジしてほしい。」ということです。

学校は 君たちが、厳しい社会を 力強く生き抜くための力をつける 訓練の場であるということです。授業や行事、部活動などを通じて、さまざまなことに挑戦し、多くの 経験を積み重ねる中で、自分への厳しさを身につけてほしいと思います。

アメリカの詩人、ロバート・フロストは、次のような言葉を残しています。

「森の中で道が二つに分かれた。そこで、私は より人が 通らない道を 行くことにした。それが 今の私を可能にしたのである。」

 

私たち教職員は、高校生活に真剣に取り組もうとしている生徒には、惜しみない支援を約束しますが、今が楽しければそれで良い、勉強も部活動も中途半端、生活態度もいい加減 といった生徒には、厳しく 結果責任を 問います。

 

二つ目は、互いの人格を認め合い、他者を尊重する心をはぐくんでほしい ということです。

本校は、650名が共に生活する大きな集団です。集団生活の決まりやルールを守ることは、当然ですが、その上で、違いを認め、相手を思いやる心を大切にしてほしいということです。

本校には、さまざまな障がいのある生徒や外国籍の生徒たちが学んでいます。 

自分と全く同じ人間など、この世には、 一人もおらず、人はそれぞれが違っていて 当たり前なのです。

もし、お互いに違いを認め合わず、自分勝手な振る舞いや自己主張だけを行ったり、場合によっては、他者を攻撃したり、阻害したりするようなことがあれば、集団生活が成り立たないばかりか、人間としての尊厳を損ないかねない事態に 発展するかもしれません。

 皆さんは、縁あって、この野崎高校で出会ったのです。豊かな個性を持った一人ひとりが、他者を思いやる心を持って、ともに学び、ともに育ちながら、本校で精一杯輝いてほしいのです。

 

ここで、保護者の皆さまにお願い申し上げます。現在高校教育を取り巻く状況は、大変厳しく、いじめ、不登校、中途退学等の課題を抱えています。本校においても例外ではありません。

このような中で、本校の実践が、真に実りあるものとなるためには、お子様の真剣な取組みと私たち教職員の指導と併せて、保護者の皆さまのご協力が不可欠なことは言うまでもありません。

私ども教職員は、心を一つにして、お預かりしたお子様一人ひとりの教育に専念する所存です。保護者の皆さまにおかれましても、本校の教育活動に対しまして、深くご理解 賜り、ご支援、ご協力を頂きますようお願い申し上げます。

 

最後になりますが、新入生の皆さん、今は大きな期待と多少の不安があるかと思いますが、今日の新鮮な気持ちを忘れず、一人ひとりが、悔いのない、充実した高校生活を送られんことを期待して、式辞といたします。

 

平成25年 4月8日

大阪府立 野崎 高等学校長

        福永 光伸