理学部 化学実験「みかんの薄皮むき」

みかんが美味しい季節になりましたね。

みかんは橙色の皮(外果皮)を剥いて食べますが、果実はさらに白い薄皮(内果皮)で覆われています。缶詰のみかんは、この薄皮まで取り除かれています。

工場で行われている操作を実験室で再現してみました。

40℃に温めた塩酸にみかんを入れると、薄皮に含まれるペクチンが加水分解されてふやけてきます。

洗い流した後、今度は40℃の水酸化ナトリウム水溶液へ入れます。ペクチン質のカルボキシ基が水酸化ナトリウムとの反応で塩になり、水に溶けると考えられています。

缶詰に入っているのと同じくらい綺麗に薄皮が取れました。みかんを毒劇物の塩酸と水酸化ナトリウムに浸けこんでいますが、ほぼ中和されて塩水になっています。