第14回 入学式

 平成28年4月2日(土)10時より体育館で入学式が挙行されました。新たしい制服に身を包みた14期生は、たいへん落ち着いた面持ちで入学式に臨んでくれました。厳粛で清々しい入学式でした。ご来賓の皆様、保護者の皆様ご臨席ありがとうございました。私の式辞は以下の通りです。

(式辞)

 本日ここに、大阪府立槻の木高等学校 第14回入学式を挙行いたしましたところ、大阪府教育委員会ご代表をはじめ、多くのご来賓の皆様、保護者の皆様のご臨席を賜り、高壇ではありますが、厚くお礼申し上げます。今年も、満開の桜の下で、気持ちも新たに入学式を迎えることができました。ただいま、入学を許可しました新入生の皆さん、入学おめでとうございます。厳しい入試を突破され、晴れて槻の木高校14期生になられました。教職員一同、心よりお祝い申し上げます。

 槻の木高校は、大阪府ではじめて進学を重視した全日制普通科単位制として開校して以来、槻の木生の高い倫理観と何事にも真摯に取組む姿勢に高い評価を受けてまいりました。そのために、槻の木生は、基本を大切に、時間を守り、規範を遵守し、継続を旨とし、そして他者を思いやり、成長してきました。槻の木高校では、社会的に自立することは、単に知識を習得するだけではなく、「知・徳・体」のバランスのとれた人格と他者に貢献できる人間愛に結晶させることと考えております。自らの優れた資質を他者のために用いることで、他者から信頼を勝ちとるような気骨と品格ある人材の育成を目指しています。これからも、皆さんとともに、この若き槻の木高校をさらに発展させていきたいと思います。

 そのために、皆さんにやってもらいたい事があります。そのひとつは、日常を大切にすることです。槻の木高校の日常は自己との挑戦でもあります。朝8時10分始業で50分7限授業、チャイムと同時に起立・礼で始まる「チャイム始業」、昨年3学年全員で144件の遅刻件数は、1日1件もない遅刻件数を誇っています。集中された授業や週末課題や土曜講習などの勉学と両立させながら部活動や学校行事に打ち込みます。この日常こそ槻の木高校のアイデンティティであり、成長の原動力です。「深い川は、静かに流れる。」の諺のように、ゆっくりではあるが、確実で、途切れない流れは、深く大きな力になります。皆さんも、焦らず、立ち向かってください。二つ目は、仲間を大切にし、仲間と協働する事に価値を持ってください。槻の木高校では、「受験は団体戦。補欠なし。」というスローガンがあります。これは、受験だけではなく、学校は理念や価値を同じくする共同体として互いに連帯し、切磋琢磨する場であるからです。たとえば、槻の木高校では、3か所に自習室があります。そんな時でも精神的に互いに励まし結ばれています。こんな素晴らしい仲間と共に、歩んでください。また、一生の友を作ってください。三つ目は、高い理念を持ち、その実現に向けて将来への想像力を持ってください。思想家の内田樹氏は『私たちの人生は、「私という物語」を描く事であり、自分がどのように成長し、生き、老いていくか、「私という物語」を輝くように描くのは、自分の将来への想像力にかかっている。』とあります。高い理念と志をもって、自分の人生のセルフ・プロデュースしてください。

 以上三点を行うために、どんな困難にもへこたれないタフな精神が要ります。タフな精神は、多様な経験が必要です。成功と達成と喜びには、悩みや苦しみや傷つく事に耐えなければなりません。人生が喜びと悲しみ、成功とj挫折が表裏一体であると自覚できたなら、自分に限界を作らず、どんな困難にも笑顔で立ち向かえるタフな精神が身につきます。新入生の皆さんは、これまで述べたことが自分にできるかどうか不安に思っているのではないでしょうか。しかし、皆さんには、同じ壁を乗り越えた先輩たちがいます。どんな時でも皆さんに寄り添ってくれる教員がいます。ここには、理念を共にする仲間がいます。心配しないでください。

 満開の桜ののちには、「穀物の雨」と書いて穀雨という春の雨がやってきます。この時期の雨こそ、のちの穀物の成長につながるので穀雨と名づけられました。今の雨が、のちの成長につながるとは、なかなか分からないものです。実りとは、雨や風や強い日差しと向き合い、受け入れる事で結ばれます。槻の木高校の3年間が、穀雨のように、将来の大いなる実りになることを期待しています。

 最後になりましたが、保護者の皆様には、今日までご苦労を重ねつつ、大事にしてこられた、お子様のご入学心よりお祝い申し上げます。今、ほっとされているかもしれませんが、今新たに、これからの本校の教育活動に対して、ご理解とご支援をお願い申し上げます。新入生の皆さん、皆さんとの出会いを待っていました。ともに、夢の実現に向けて頑張ることを誓い、私からの式辞といたします。

         平成28年4月2日  大阪府立槻の木高等学校長  竹下健治

 

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校歌斉唱では、毎回恒例となっている本校硬式野球部員と教職員で斉唱します。

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校長式辞

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晴天に恵まれました。桜満開です。