昨日、前期始業式と教職員の異動報告(新着任教職員紹介)が行われました。年度の初めですのでちょっと時間をとって「蚤のジャンプ」のお話をしました。生徒を蚤に例えるなどけしからんと叱られるかもしれませんが私の思いを伝えさせていただいたつもりです。本校生徒でこのブログを読んでくれている人もたくさんいると思いますし、保護者の皆さんや卒業生、中学生にも読んでほしいと思っていますので概要だけでも紹介させてください。始業式に続いて行われた対面式の写真も併せて載せています。ご覧ください。
『蚤のジャンプ』のお話
猫や犬の毛の中にいる蚤のことです。蚤は1mmとか2mmとか、とにかく小さな生き物ですが途轍もなく強いジャンプ力を持っているそうで1mくらいは軽くジャンプするそうです。そんな蚤をコップに入れたらどうなると思いますか?当然軽々とコップから飛び出していきますよね。ある時面白い実験を思いついた人がいたそうで、蚤を入れたコップに透明なガラス板の蓋をしたんだそうです。当然蚤は蓋があることを知らずにジャンプします。ジャンプして蓋に体を強打して落下します。自分がもしこの時の蚤だったらどうするでしょう?私ならとりあえず思いっきりジャンプするのはやめときます。蓋に体をぶつけて痛い思いをするのは嫌です。蚤も同じことを考えたのかどうかわかりませんが、この実験の結果、蚤は蓋にぶつからない程度の高さしかジャンプしなくなったそうです。その後実験者はガラスの蓋をそっと外しました。するとどうでしょう、蓋のないコップは蚤にとって低い低い壁に過ぎないはずなのに蚤は一匹も外へ跳び出そうとせず蓋があった時と変わらない高さでジャンプを続けたそうです。これって面白いと思いませんか?生徒の皆さんを蚤に例えるのは失礼かもしれませんが人間でも同じようなことはありますよね。何かに1度か2度チャレンジしてダメだったとき「自分には無理」とか「才能がない」とかいう曖昧な理由でチャレンジすることをやめてしまったり、「自分には目標が高すぎたんや」とか「諦めも大事」とか自分勝手な理屈をくっつけて努力をやめてしまうことってないでしょうか?もしかしたら今まさにその状態という人もいるかもしれません。そんな人は蓋もないのに跳び出さない蚤かもしれません。
じつはこの話、続きがあります。高く跳ばなくなった蚤たちを再び元どおり元気にジャンプさせる方法が1つだけあるというのです。何だかわかりますか?答えを聞いて思わず「なるほど」と唸りました。ガラスの蓋を経験したことのない元気な蚤を1匹コップの中に放り込むんだそうです。放り込まれた蚤は当然元気よくコップから跳び出します。それを見ていた他の蚤たちはどう思うでしょう?「あいつ跳んで行きよったで」「ほんまや、蓋はどこいったんや?」「もしかして蓋はもう無いんとちゃうか?」みたいな蚤たちの会話が聞こえてきそうです。やがて元気に跳びはじめた蚤たちは瞬く間に全員コップから脱出し自由の身になったそうです。
生きていれば凹むことも多いと思うし、正直自分自身に限界を感じることもあるけれど、八尾高校の生徒にはコップから最初に跳び出す蚤になってほしいと思うんです。八尾高校は「骨太の人材育成」を掲げていますが私は最初に跳び出した蚤こそ「骨太の人材」だと思うんです。野球の大谷選手が海を渡った後も二刀流を貫き、最初はメディアからバッシングを受けたものの見事に結果を残しているように、コップに蓋が無いことを最初に証明する人間になってほしいのです。自分で自分の上空に蓋を被せるようなことは絶対せず、のびのびと成長してくれることを願っています。