ありがとう! Make a wish の大野さん

 7月12日(金)、メイク・ア・ウィッシュの大野さんが来てくれました。1年生(74期生)の総合的な探究の時間の一環で行われた講演会です。メイク・ア・ウィッシュはアリゾナ州で生まれ今や世界42か国(62拠点)に広がったボランティア団体で、大野さんはその日本支部の事務局長を長年務められた方です。この団体は、難病と闘う子どもたちの夢をかなえ、生きる力や病気と闘う勇気を持ってもらいたいという願いから設立されたものです。

1980年に発足したこの団体ができたきかっけはアリゾナに住む当時7歳の男の子でした。警察官になるという夢を持ったこの少年クリスくんはこの時白血病にかかり学校にも行けない状況でした。この少年の話をきいた地元の警察官たちは彼のために本物そっくりの制服とヘルメットとバッジを用意し、クリスくんを名誉警察官に任命しました。彼は規則に従って警察官の職務を遂行することを宣誓し、駐車違反やパトロールの業務を大喜びで行いました。しかしその5日後残念なことに彼は亡くなってしまいます。警察は名誉警察官である彼のために葬儀を執り行い大勢の市民が少年との別れを惜しみました。このエピソードが世界中に広がりやがて日本にも支部ができました。

 大野さんはその草創期からご苦労を重ねてこられた方ですが、そんなことを微塵も感じさせない気さくな方です。私が大野先生と呼ぶと、大野さんと呼んでくださいと訂正されます。1年生280人が入ったゆうかりホール(本校同窓会館)は空調があるとは言うのもの蒸し暑かったと思いますが、90分間、私たちは大野さんのお話に釘づけになりました。

 自分の力で車椅子を操り長い坂道も登りきって憧れのプロ野球選手に会いに行った少年の話、F1カーに触れてみたい難病の子どものために自動車メーカーがF1カーを病院の中庭まで運んできた話、大好きなお父さんと結婚式を挙げた女の子の話・・・聴いているうち自然と頬に涙が伝っているのがわかりました。

 何故こんなにも涙が溢れ出るのか・・・難病の子どもたちのために夢を叶える(お手伝いをする)活動の話に感動しているのか?・・・そう考えたとき、それは違うなぁと思いました。確かに夢を叶えるために動いているのはスタッフや協力者(この活動のために見ず知らずの子どものために寄付してくれる人も含めて)ですが、実はそういった人たちも子ども(たち)から素敵なプレゼントをもらっているんだということを教えてもらったから、そのことに感動していたんだと思います。

 1年生の総合的な探究の時間のテーマは「困っている人を笑顔にする」ですが、今回の講演を通じて大野さんから「誰かの笑顔が他の誰かを笑顔にすること」の素晴らしさを教えられたような気がします。大野さんという生き方そのものが生徒の皆さんの心に響いているとするならば、それこそが大野さんがくれたプレゼントだと思います。

 この日大野さんは講演のあとホームルーム(グループワーク)にも参加していただきました。また我々は厚かましいことにその後にも大野さんに残っていただき八尾高名物の牛すじカレーを生徒数名と一緒に食べていただきました。美味しそうにカレーを食べながら親しく接してくださる様子を拝見し、大野さんがますます大好きになりました!

 

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