(3)ツユクサ亜綱


蜜はなく、花粉を集める昆虫による虫媒を行うツユクサ目と、風媒花のイグサ目・カヤツリグサ目(カヤツリグサ科とイネ科を含む)・ガマ目などを含む。ツユクサ目はがく片と花弁が分化しているが、風媒花のイグサ目では、花弁はがく片と同様に緑色で目立たないものが多い。カヤツリグサ目では花弁は痕跡的な鱗皮(りんぴ)に退化・縮小する、小型の花が集合して小穂(しょうすい)と呼ばれる特殊な花序を形成する。ガマ目では花はさらに退化的で、雄花は3本の雄しべ(おしべ)のみ、雌花は単生する心皮のみで、それらが密生して花序を形成する。


ツユクサ科 Commelinaceae

ツユクサ

がく片3、花弁3、雄しべ6のうち一部は退化して仮雄しべとなることがある、雌しべ1,子房2〜3室。熱帯地方に多い。




カヤツリグサ科 Cyperaceae

コゴメガヤツリ

地下茎からふつう3稜形(断面が三角形)の茎がでる、葉はしばしば茎から異なる3方向に伸び、下部は合生して筒となる。風媒花で花は穂状につく、花被片はないか、針状かまれに鱗片(りんぺん、うろこのような形)状、雄しべはふつう3、心皮は2又は3、子房1室、雌しべ1本、柱頭はひも状で2又は3。




イネ科 Poaceae

エノコログサ

花被片2は退化して小さな鱗皮(りんぴ)となる、雄しべ3〜6、雌しべ1、花柱は2本で、柱頭はよく枝分れしたブラシ状、子房1室、葉身は線形、葉は2列に並び、下部は茎を取り巻いて葉鞘(ようしょう)となる。単子葉植物で風媒花として最も進化した科で人類の重要な食料である穀物はイネ科植物の種子である。例:オオムギ、コムギ、イネ、マカラスムギ、キビ、ヒエ、トウモロコシなど。製糖の原料となるサトウキビもイネ科植物。