SSHの指定
文部科学省は将来の国際的な科学技術人材の育成を目的に、平成14年度から、理科・数学等に重点を置いたカリキュラムの開発に加え、大学等との連携による先進的な理数系教育を実施する高等学校等をSSH(スーパーサイエンスハイスクール)に指定し、その活動を支援しています。
本校は平成23年度からSSHに指定され、平成29年度から第Ⅱ期、そして令和4年度から第Ⅲ期の指定を受けています。
SSH指定校の特色
Point1
高度な探究力を育む学び
SSH指定校では、学習指導要領等における教育課程の基準によらない特別の教育課程の編成・実施が認められています。そのため、独自かつ高度な課題研究や探究的な学習活動を実施することができます。
Point2
JST支援による研究体制構築
SSH指定により、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)からの支援を受けることができます。そのため、高度な研究を行うための実験機器の整備や、大学・専門機関等との連携、学会における発表などが可能となります。
Point3
研究・研修への幅広い支援
課題研究や探究的な学習活動のみならず、各学校が実施する研修プログラムや講演会などに対しても支援を受けることができます。そのため、興味・関心、意欲をさらに高める貴重な経験を与えることが可能となります。
SSH 第Ⅲ期研究開発
令和4年度からの第Ⅲ期では、「協創型『温故知新』プログラムによる科学技術人材の育成と地域と取り組む探究ネットワークの構築」に取り組んでいます。上の絵にあるとおり、【岸和田HELIX】と名付けた4つの取組(人・専門性・地域・デジタル)に関する「課題研究の拡充に関する取組」と「デジタル資源を活用した取組」における8つの研究開発の目標達成をめざしています。
探究活動のさらなる充実をめざして、「縦割り型課題研究」や「文理融合型課題研究」などのカリキュラム開発に取り組むとともに、科学技術人材の育成をより重視し、新たなプログラム「プロジェクト"Nova"」を実施しています。
また、地域への成果発信をめざして、近隣の小・中学校や高等学校との連携拡大、「探究学習情報交換会」の実施、「泉州サイエンスポートフォリオ」や「岸高デジタルサロン」の開発に取り組んでいます。
HELIX 01
人をつなぐ
学年を越えた課題研究(縦のつながり)と、生徒・教員・外部協力者の連携(横のつながり)による研究手法を継承します。
HELIX 02
専門性を深める
文理融合型「学域」設置による研究指導体制の構築、大学・研究機関等との連携により、研究を専門的・科学的に深めます。
HELIX 03
地域と協働する
近隣の小中・高校、地域NPO、企業等と連携し、成果と課題を共有しながら、地域に開かれた探究ネットワークを育みます。
HELIX 04
デジタルで広げる
研究に関する情報や成果などを蓄積し、共有できるデジタル資源を整えることで、学校を越えた学びへとつなげていきます。
縦割り型課題研究
令和6年度から、学年を超えた生徒どうしの「研究の深化」や「研究手法の継承」を目的として、1~3年次の課題研究にかかる3つの学校設定科目の授業を木曜6限に3学年同時展開しています。
3年生が1年生の「セレンディピティ」と2年生の「文理課題研究」にTAとして入り、自らの研究手法を継承することで、1・2年生は研究の深化を図ります。また、1年生は2年生の実際の研究に触れることができるようになり、探究基礎の学習にさらなる効果をもたらします。また、こうした生徒どうしの活動に加えて、卒業生や大学教員をTAとして招くことにより、研究活動のさらなる深化を図ります。
文理融合型課題研究
第Ⅲ期からは生徒の研究テーマについて、これまでのゼミ形式による「科目」での分類とするのではなく、各課題の内容により分類することとしました。1年次に、生徒が自ら取り組みたい研究テーマに基づき、8つの課題分類に分かれ、研究グループ(テーマ)を決定した上で、2年次の「文理課題研究」において研究活動に取り組んでいます。
令和6年度以降は5つの学域(数理・自然科学、情報・芸術、地域・健康、社会・異文化、人文・人間)に分けることとしています。その成果として、生徒たちの興味・関心に基づく多様なテーマが設定されるようになっています。
課題研究発表会
2年生が研究の成果を発表する場として、年2回、校内において「文理課題研究発表会」を開催しています。
9月に実施する発表会は中間発表会と位置づけて、現時点での成果発表の場として、岸高ホールと体育館に分かれてポスター発表を行います。
1月に実施する発表会は最終発表会と位置づけて、岸高ホールで代表発表(口頭発表)、各教室で口頭発表、体育館でポスター発表を行います。 また、「プロジェクト"Nova"」1年生による来年度実施する研究計画についての口頭発表、参加希望のあった小・中学生による口頭発表も各教室で行っています。
課題解決型プロジェクト学習
生徒の研究テーマは自らの興味・関心に基づいたものとすることを基本としながら、有識者や専門家、地域企業から助言を受ける機会を増やしています。
さらに、近隣の大学・高等学校や地域NPOと協働して研究を行う機会などを通して、科学的な視点から研究意義を捉え直し、生徒の好奇心を刺激し意欲を高め、自主的に課題研究に取り組むことができる「活きる探究学習」としています。
プロジェクト"Nova"
第Ⅲ期から、未来をきり拓く科学技術人材、国際的に活躍する優れた科学技術人材の育成をめざし、3年間を通してサイエンスリーダーを養成する新たなプログラムです。
探究スタディツアーや生物フィールドワーク、各種オリンピックへの参加など、活動の幅を広げていきながら、近隣大学や企業との連携など、より専門的で高度な研究活動に取り組み、各種コンテストに参加し成果発表を行います。
FIRST 1年次
科学的な課題を発見する
希望者を募り、活動を開始します。探究スタディツアーや生物フィールドワークなどにも積極的に参加し、自らの興味・関心を深めながら、科学的な課題を発見していきます。
SECOND 2年次
専門的な研究へ広げる
より専門的で高度な研究活動に取り組んでいきます。各種オリンピックへの参加、連携校や近隣大学・企業との協働研究など、活動の幅を広げていきます。
THIRD 3年次
成果として発表する
キャリアスタートゼミ研究発表会を実施します。1・2年生への研究手法の継承に努めながら、各種コンテストにも参加し、3年間の取組を成果として発表します。
大阪府が取り組むSSHの活動
大阪府教育庁においては、大阪府内の府立、国立、私立のSSH指定校及びSSH経験校などを中心としたSSN(サイエンススクールネットワーク)を構築し、各校における取組の充実と、府全体における理数系教育の推進を図る取組を行っています。
大阪工業大学の協力を得ながら、「大阪府生徒研究発表会(大阪サイエンスデイ)」や「科学の甲子園大阪府大会」など、様々な取組を実施しています。
大阪サイエンスデイ 第1部
大阪府では、平成20年度から「大阪府生徒研究発表会」を開催しています。現在は「大阪府生徒研究発表会(大阪サイエンスデイ)」として、第1部と第2部の2部構成で実施しています。
第1部では、ポスターセッションを通してサイエンス分野の研究に取り組む高校生等の交流を促し、活発な議論で互いに刺激を受け、切磋琢磨することを目的に実施しています。第1部は10月下旬に府立天王寺高等学校において開催されます。
大阪サイエンスデイ 第2部
第2部では、第1部や各校での発表会等で得た助言やヒントをもとに、追加の実験や検証などを行い、課題研究の質的向上を図ることを目的に実施しています。
その成果をオーラルセッション(口頭発表)により発表します。第2部は12月中旬に大阪工業大学梅田キャンパスにおいて開催されます。
科学の甲子園 大阪府大会
毎年10月下旬に大阪工業大学において開催されます。大阪府代表として科学の甲子園全国大会に出場する学校を選考するための大阪府予選に位置付けられています。
各学校の代表生徒6名がチームとなって筆記競技と実技競技に挑み、総合第1位の学校が大阪府代表として全国大会に参加します。
大阪府学生科学賞
科学教育の振興を目的に、大阪府内の小・中・高等学校などに在籍する児童・生徒から科学研究作品を募集し、優れた作品の表彰と公開展示を行うものです。
令和5年度大阪府学生科学賞で大阪府知事賞を受賞した山田さんの研究「薬草ドクダミの魚病予防・治療への可能性」が、日本学生科学賞の表彰式において文部科学大臣賞を受賞しました。
本校独自の取組
本校では、課題研究のさらなる充実に努めるとともに、SSH事業として、生徒たちの科学的興味・関心を高め、数理・自然科学分野で将来活躍する人材の育成をめざした様々な取組を実施しています。
探究スタディツアー
最先端の研究施設や研究者の仕事ぶりの見学、研究者による講義の受講などにより、科学的興味・関心を高め、進路選択の一助とすることを目的として実施しています。また、現地での研修会を通して、課題研究のテーマ設定や研究課題の深化、発表によるプレゼンテーション能力の向上につなげています。
高エネルギー加速器研究機構(KEK)、JAXA筑波宇宙センター、日本科学未来館などを訪れています。
生物フィールドワーク
平成29年度から、台湾や石垣島・西表島、屋久島などを訪れる「鳥類フィールドワーク」を実施してきましたが、令和5年度からは、生物の知識の向上や調査技術の習得をめざした「生物フィールドワーク」を実施しています。
令和5年度は兵庫県の鉢伏高原・氷ノ山、令和6年度は沖縄県やんばる、令和7年度は奄美大島、令和8年度は石垣島・西表島へ行きました。
SSH講演会
1・2年生を対象に、科学研究者などを招き、専門的かつ最新の研究内容や現在の高校生に求めること、付けてほしいと考えている力などについて講演いただくことを目的として開催しています。
2年生で取り組む研究のテーマを検討している1年生を対象とした「研究をしよう、その準備をしよう、そして研究を楽しもう」や、大学受験を1年後に控えた2年生を対象とした「人生は一度きり。まずやってみなはれ」などの講演を行いました。
サイエンスカフェ
科学系部活動を中心に、各部活動の活動内容や研究成果を共有し互いに学び合う機会とすること、部活動の垣根を越えて楽しく交流することを目的に開催しています。互いに連携し、それぞれの専門分野が組み合わさることで、部活動を超えた幅広い活動を行うことができるようになることも目的の一つです。
時には、教員や外部講師による発表を行い、高校の学習範囲に留まることなく、教科・科目を横断的に興味・関心を広げています。