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学校長の式辞集詳細

2016年度 第32回卒業証書授与式 式辞

 春を告げる、梅の香薫る今日の佳き日に、めでたく第三十二回卒業式を挙行し、卒業生の皆さんを送り出せることを、心からうれしく思います。三十二期生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。
 また、本日はご多用の中、来賓として地元守口市の各中学校ご代表様、学校協議会、同窓会、後援会,PTA、旧職員の皆さまにご列席いただいております。高いところからではございますが、厚く御礼申しあげます。
 さて、保護者の皆さま、お子さまの今日の晴れ姿をご覧になり、大きな喜びを感じていらっしゃることと思います。お子さまは,保護者の皆さまの愛情を受けながら、この守口東高校で青春の日々を過ごされ、りっぱに成長されました。これも、ひとえに保護者の皆さまの本校に対するご理解、ご協力をいただいたおかげと思っております。教職員を代表してあらためて感謝申しあげます。
 卒業生の皆さん、三年間ともに歩んだ仲間とは離れ離れになり、進学や就職というそれぞれの道を歩んでゆくことになります。自分の夢や希望に向かって定めた進路を、この三年間以上のエネルギーを持ち続けて進んで行ってください。社会変化はとてつもなく激しく、難しい時代ですが、皆さんならしっかり歩んでいけると信じています。
 本日は私の経験をもとにお話をさせてください。
 私は若い時期にアスリートとして過ごし、その後指導者として進んできました。始めは自分の信じた道をただ突き進むだけでしたが、なかなか満足する結果が出ませんでした。かなりの時間悩み、挑戦し、失敗し、また試してみる、の繰り返しでした。試行錯誤を繰り返し、そのときには何がきっかけだったかはよくわからなかったのですが、そのうちに、充実感や達成感を感じることができるようになりました。今、そのときのことを振り返って考えてみると、充実感などを感じるきっかけとなったのは「他者理解」だった、とようやく気付くことができたのです。また周囲の人たちが私のことを理解しようとしてくれていたことにも、同時に気が付きました。
 今私が話した「他者理解」とは、相手が何を考えたり、何を感じたり、何を伝えたいのか、どうしてそうするのかということを掘り下げて考えることであり、そうすることで、初めて満足いく結果が生まれるわけです。相手がコーチであっても、選手であってもいっしょです。「自分が相手を理解する」と相手も自分を理解しようと変わっていってくれます。簡単に伝わらないときもありますが、あきらめてはなりません。伝わるタイミングやきっかけや方法を探してみてください。いつかは必ず伝わると信じ続けることが大切です。家族であっても、会社であっても、友人であっても、それは共通することだといえます。
 これからの社会は合理化が進み、マシンが人間の領域を奪い始めます。それでも変わらないのは、マシンの進化は人間のための進化であり、「人間の思い」や「願い」が凝縮されているのです。だからどのような場面でも、そのとき、そこにいる人間の思いをわかろうとしてほしいのです。それだけは絶対に忘れないでください。私自身も、これからもそんな風に「人間臭く」生きていきたいと思っています。みなさんも、人間にしかできない「他者理解」をすることが、自分らしさを失わず、目標を前進させてくれることだと信じて「人間臭く」生きていってください。
 皆さんは、守口東のキーワードである「衣を正し 時を守り 場を清める そして自分を磨く」ということを言われ続けたと思いますが、「衣を正し 時を守り 場を清める」は社会人としては当たり前のことです。これからは妥協せずに実行してください。そして「自分を磨く」ことに力を注いでください。その磨くものの一つが「他者理解」する心を持つことだととらえてもらえればわかりやすいと思います。
 その「他者理解」の第一歩として、家族や保護者の皆さんの思いを考えてみてください。どうですか?そこで感じたことから今後の自分自身の言動を選んでみてください。
 最後になりましたが、私は、皆さんのおかげでこの守口東高校に赴任してよかったと思うことができました。皆さんは私にエネルギーを与えてくれました。感謝の気持ちでいっぱいです。だから伝えます。「ありがとう」。
 そして、皆さんがこれからこの母校を誇りに思えるように今まで以上に魅力のある学校にしていく決意をしています。皆さんもこれからの人生をたくましく生き抜いてください。旅立つ皆さんの健闘を祈っています。 以上をもってわたくしの「式辞」といたします。

(2017年2月24日 第32回卒業証書授与式にて)

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