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学校長の式辞集詳細

2017年度 卒業式 祝辞

 春を告げる、梅の香薫る今日のよき日に、第三十三回卒業式を挙行し、卒業生の皆さんを送り出せることを、心からうれしく思います。三十三期生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。
 また、本日はご多用の中、来賓として地元守口市の各中学校ご代表様、学校協議会、同窓会、後援会,PTA、旧職員の皆さまにご列席いただいております。高いところからではございますが、厚く御礼申しあげます。
 さて、保護者の皆さま、お子さまの今日の晴れ姿をご覧になり、大きな喜びを感じていらっしゃることと思います。お子さまは,保護者の皆さまの愛情を受けながら、この守口東高校で青春の日々を過ごされ、りっぱに成長されました。これも、ひとえに保護者の皆さまの本校に対するご理解、ご協力をいただいたおかげと思っております。教職員を代表してあらためて感謝申しあげます。
 卒業生の皆さん、三年間ともに歩んだ仲間とはこれからは離れ離れになり、進学や就職というそれぞれの道を歩んでゆくことになります。自分の夢や希望に向かって定めた進路を、この三年間以上のエネルギーを持ち続けて進んで行ってください。社会変化はとてつもなく激しく、難しい時代ですが、皆さんならしっかり歩んでいけると信じています。

さて、私の学生時代のお話をします。私の大学時代のルームメイトはスピードスケートの当時の日本記録保持者であり、日本代表チームにいました。もちろん彼が狙っていたのはオリンピック出場でした。その目標に向けて、彼は恐ろしいほど大変な努力を重ねていました。しかし、彼は最後に代表から外れてしまいました。私と彼とは、種目は違えどお互い頑張ろうという思いでいつも励まし合っていて、毎晩部屋で、ともに砂袋を使って筋力トレーニングをしたことなどを思い出します。私はトップレベルの選手ではありませんでしたが、親友として彼の目標が叶うことを切に望んでいましたし、彼も私を励ましてくれていました。そんな関係ですから、彼が日本代表から外れたことは、私にとっても大きなショックでした。その後も私はそれまでと同じように彼に接し、お互いの親交は今でも続いているのですが、私は、あの時彼に対するサポートが本当にできていたのだろうかと、後になってから何度も考えてしまいます。今回のピョンチャンオリンピックでもインタビューで必ず言われる言葉は、今まで協力してくれた、応援してくれた人たちへの感謝の言葉です。これは本当に心の底から発せられた言葉だと思います。オリンピックへのチャレンジは並大抵のチャレンジではありません。コーチや家族だけでなく、本当に多くの支援があってそこにたどり着いているのです。そう思えば思うほど、当時の私にはそのサポートができていなかったのではないかと、落ち込み、涙するときもあります。人間は一人では目標や夢を成し遂げられない。今日伝えたいことはこのことです。君たちがこれから先20年、30年、40年後に生きていく時代は、間違いなくこの18年間どころではない大きな変化を遂げます。君たちはそれを乗り越えていかなければなりません。常に先を見据えて進んでいく力と創造性が必要となるでしょう。それはオリンピックに出場するくらいたいへんなチャレンジだと思っています。だからこそ、人間関係がより重要になると確信しています。自分一人ではないこと、君たち一人一人が誰かを支えていること、そのことをしっかり心にとどめておいてください。一人一人のその自覚が、皆さん自身の目標や夢にもつながるのだと思います。
私の親友の頑張りは、後輩に引き継がれ、その後輩であるYコーチがまた努力を重ね、そして小平選手を指導して、今回500mで開花させました。私にとって冬のオリンピックはそういう人間のつながりを思い出させてくれます。小平選手とはお会いしたことがありませんが、このような意味でつながりを感じ、今回は一番応援をしていました。金メダルが確定した時は本当に感動的でした。コーチにすぐにお祝いのメールを送りました。
私は、校内のモニターで守口東高校応援団長と称し、君たちを応援してきました。33期生の皆さんは卒業していきますが、これからも心の中で応援を続けていきます。ぜひ、力強く未来を生き抜いてください。
元気でかわいい皆さんとお別れするのは寂しいですが、私は皆さんからもらったエネルギーを糧にし、いろいろな課題を解決するよう将来に向けてつないでいきます。お互いにしっかり生きていきましょう。
卒業おめでとう。
 以上をもってわたくしの「式辞」といたします。



(2018年2月28日 卒業式にて)

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