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学校長の式辞集詳細

令和3年度 卒業証書授与式 式辞


 春の訪れを感じるこのよき日に、卒業証書授与式を挙行できますことを、誠にうれしく思います。
 保護者の皆様におかれましては、卒業という節目を迎えられて、感慨もひとしおのことと拝察し、心からお祝い申し上げます。
 ただ今、卒業証書を授与しました皆さん、卒業おめでとうございます。これからの社会を生きていく皆さんに、「ライフシフト」という言葉を紹介します。
 これは、リンダ・グラットンとアンドリュー・スコットの著書「ライフシフト」及び「ライフシフト2」の中で人生モデルを説明する際に用いられているものです。これまでの人生モデルは、教育→仕事→引退の「3ステージ」でした。皆さんは教育のステージにいました。進学する人はまだそのステージが続きます。教育の次は、仕事のステージに移る人が多いでしょう。人生百年時代において、長い人生の間に決まったモデルではなく、教育の後に、仕事や教育、育児、介護などを様々な順で繰り返し取り組む「マルチステージ」を提唱するものです。
 私自身、教諭として高校に勤務した後に、再び学生として大学で二度学んでいます。つまり、教育→仕事→教育→仕事→教育→仕事となり、現在に至っています。3回の大学生活で、新しい知識と経験を得たことは良かったと感じています。このようなことをもっと多くの人が計画的に取り組んでいくと良いというのがマルチステージの考えです。平均寿命はますます延びていき、卒業生の皆さんの年代では半数が百歳より長く生きると予測されています。日本の人口は大きく減少しますが、元気な高齢者が増えると考えられています。
 また、オックスフォード大学のマイケル・オズボーン教授が、アメリカの総雇用者のおよそ半数の仕事は自動化されるリスクが高いことを予測しています。さらに、AIつまり人工知能の浸透を受けてその予測が一層現実化してきました。このことはアメリカに限らず、日本においても同様です。AIが広がり、ロボットも増え、仕事が自動化されることは便利である一方、自動化により仕事がなくなる職種があると言えます。そのような状況で、仕事を続けていくためには、新しい知識を身に付けてスキルアップしていく必要があります。
 これから、皆さんはどのような人生を送るのか、自分らしい生き方は何かを考えながらマイストーリーを作ってください。皆さんの人生には、長い時間があります。多様な道を歩んでいくことを回り道と考えるのでなく、幅広い知識と経験を得て成長することができると考えていく。竹のようなしなやかさを備えた折れない心・不屈の精神で挑戦を続けていくこと。挑戦がなければ成功はありません。行動がなければ始まりません。
 最後に、卒業生の皆さんの輝ける未来での活躍を祈念して、式辞といたします。

 令和4年2月25日





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