クラス替え

 この春は、開花がいわれた3月下旬から、日によっては真冬並みに冷え込む日もあり、桜の花がゆっくりと咲き揃っていきました。おかげで校内の桜が満開となって、まさに春爛漫という陽気の中、45日の入学式、8日の始業式を行うことができました。

 今年度、児童生徒数は小学部では4人減って47人、中学部は3人増えて88人、高等部は11人増えて121人、全校では昨年度に比べ10人増の256人となり、常勤の教職員122人とともに、新年度を迎えました。

 そのような中、8日の始業式の前、廊下で小学部の児童Aさんから「校長先生、何でクラス替えしたのですか」と訴えるような問いかけがありました。私がどう答えようかと迷っていると、その場ではそれ以上の話はなかったのですが、その前に同じように訴えを聞いていた担任の先生によると、新年度になり久しぶりに登校したAさんは教室が変わり、クラスの友だちや先生が変わったことに大いに戸惑ったようです。どうやら私に言いたかったのは「昨年度に慣れ親しんだ友だちや先生と進級してもまた一緒に仲よく過ごせると楽しみにしていたのに何で離れ離れにするのですか。そんなクラス替えはやめてください」ということだったようです。

 まず、私が思ったのは自分の気持ちを相手にちゃんと言えたこと、思いを相手に届けることができたことをうれしく思いました。「よく言ってくれた」との思いです。そのことを始業式で全校の児童生徒に話しました。

「新学期にはいろいろな変化があります。今、こうして私の話を聞きながらもみんなの周りには知らない友だちや先生、初めて会う新入生がいます。何となく落ち着かない、不安な気持ちになるかもしれません。やっと慣れた環境を変えないでほしいと思うでしょう。その気持ちはよくわかります。それでもクラス替えをするのは、今まであまり知らなかった友だちや初めて見る先生との出会いがあるからです。時間はかかるでしょう。むしろ時間をかけたらいいと思います。新しいクラス、環境にだんだんと慣れていきましょう。新しい出会いによって、これまでとはまた違う関係ができ、それも皆さんが自分を見つめなおし成長することにつながります。気の合う友だちや信頼する先生が増える機会にもなります。一日ずつ、少しずつ仲よしになり楽しいことを見つけていきましょう。」

 一人ひとり256通りの出会いがあり、新しい1年に少しの不安とともに大きな希望を抱き本校5年目のスタートです!