「大阪880万人訓練」における防災避難訓練

 

~「実践的防災教育総合支援事業」を受けて~    

 

本校は大阪市西側のベイエリアに立地し、南海トラフでの地震が発生した際に津波の被害が甚大であることが想定され、防災教育の必要性を強く認識し、今年度も保健体育課が募集を行っていた「実践的防災教育総合支援事業」に応募いたしました。その結果、支援決定を受け、昨年度に引き続き、防災アドバイザーの派遣など様々な支援を受けています。昨年は緊急地震速報受信システムの配備が避難訓練に間に合わなかったのですが、今年度は昨年配備された緊急地震速報システムを活用し、府全体で取り組んでいる9月5日の「大阪880万人訓練」とも連動して防災訓練を行いました。

派遣いただいた今年度の防災アドバイザー羽藤竜太さんは地震のみならず災害を広く扱う防災のプロフェッショナルとして事務所をお持ちで、今回は日本防災士会大阪府支部副支部長、北河内地区ブロック長としてお越しいただきました。まず8月20日の第1回目の来校では本校の防災計画を点検いただき、地震のみならず火災などの場合も想定して広くアドバイスをいただいた後、本校の防災教育実行委員会のメンバーと羽藤さんとで「大阪880万人訓練」と連動した避難訓練の計画を検討していきました。昨年のアドバイザーの方にも指示を頂いたのですが、南海トラフの地震では大阪のベイエリアに到達する津波の高さは3~4mということで、本校の場合は校舎の3階、4階を避難場所に設定にしています。昨年度は3階・4階とも生徒の避難場所という設定だったのですが、今年度については本校が大阪市の災害時避難所および津波避難ビルに指定されおり、地域の方の避難を受け入れるということから、本校生徒については校舎の4階に全員避難することとし、3階は地域の方を受け入れるスペースとして確保しておくこととしました。また緊急地震速報受信システムをテスト稼働させ、本物の緊急地震速報システムを使って訓練を行うことにしました。

当日までに準備を進めていく中で緊急地震速報受信システムに校内で一部放送が流れないという不備が見つかり、業者に調整してもらって当日をむかえることとなりました。

9月5日の当日は防災アドバイザーの羽藤さんの立会いで、午前11時に緊急地震速報受信システムをテスト稼働させました。(少し遅れて各人が持っている携帯電話などでも受信が行われたようです。)「和歌山県沖でマグニチュード8.0の地震発生」「教室のドアを開けて机の下にもぐってください」のアナウンスが流れ、生徒全員が机の下に隠れました。(速報システムでは地震発生時すぐに速報が流れるので地震波が到達する数十秒前に速報が流れます。) 

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 机の下にもぐった生徒たち 

 

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4階へ階段を上っている様子

 

数分間の地震の揺れの後、津波を想定して校舎の4階に避難しました。所要時間は5分48秒で思ったよりも時間がかからず所定の場所に避難が完了しました。その後、生徒は自分たちのHR教室に戻り、校内放送でアドバイザーの羽藤さんのお話と教頭の講話を聞き、訓練は終了しました。

今回の訓練は防災アドバイザーの方の感想も「スムーズだった」ということで好評でした。生徒も教職員もリアルな体験ができたと満足していました。「点呼の際に教員がメガホン等で大声を出す方が周りの皆が様子が判って良い」などと修正点もいくつかあがりました。課題を見つけるのも訓練だということで次回につなげていきたいと思います。

今後は校内をつぶさに点検いただいて課題を挙げていただくことや、教職員向けの研修等を予定しています。地震や津波など災害はいつ発生するか予測がつかない。危機感を持って今回の支援事業を活用し防災教育に全校で取り組んでいきたいと思います。

 

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