授業改革と新学習指導要領・・・『人任せにしない力』

・・・PTA新聞(冬号)より

 

以下はPTA新聞に掲載した私の文章です。少し長いですがお読みください。

 

 保護者の皆様方には日頃より本校の教育活動にご理解、ご協力を賜り心より感謝いたしております。今回は先日文部科学省から発表されました新学習指導要領の方向性と本校の授業改革について紹介いたします。

 

学習指導要領というのは文部科学省が定めるもので、日本中の各学校で教える内容の基準となるものです。およそ10年ごとに大きな内容の改訂が行われます。今回、文部科学大臣から中央教育審議会に諮問されたものは2020年度から実施される予定のものですが、今後の方向性が正式に出されたことによって現在の生徒たちにも大きく影響が及んできます。

 

今回大きく変わる新学習指導要領の方向性というものを説明しておきます。今までは学習というと先生から教えてもらったことをどれだけたくさん身に着けることができるかという「受け身の知識の量」に重点を置いたものでしたが、次の学習指導要領は「知識を使って自ら何ができるか」という観点で『課題解決能力』や『主体性』を育てることに重点を置いたものになっています。この転換の背景にあるものは今までの大量生産・大量消費の社会(工業化社会)から脱却し、これからの安定成長の社会(知識基盤社会)を築いていくために必要な能力を分析し規定した新たな『価値観の転換』であるといえます。

 

私たち大正高校もこの時代の流れをいち早く察知し授業改革に取り組んでいます。1010日に産業能率大学の小林昭文教授に校内で講演を行っていただき、その優位性と方法について学びました。11月には校内で先生方がお互いに授業を見せ合い学び合う授業公開を実施しました。その中で多くの先生方がグループワーク(班学習)形式の授業形態を取りいれるなどの生徒の自主性・主体性を引出し、考えをまとめ、表現するコミュニケーション能力を高める授業に取り組みました。

 

「指示されたことをきちんとこなす」ということは確かにそれだけで素晴らしいことだと思います。しかしこれからの時代はそれだけでは不十分で、自分で考え行動する意欲と方法を身に着け、実践できる人が求められているのです。私たち大正高校では「おとなしくて人前で話すのが苦手な生徒」にはそういう発表の場や機会を増やすことで自分の意見や考えをまとめたり発表したりする力を養い、また「活発だが自分勝手な振る舞いが多い生徒」には人の意見も大切にする協調性を身に着けることができるように育てていきたいと考えています。

 

 将来の大正高校を考えるプロジェクトチームで大正高校の生徒に身につけさせたい力として話題になったのは『人任せにしない力』です。「誰かがやってくれるやろ」「自分には関係ないわ」そういった後ろ向きな考え方がなくなることを願って私たちは大正高校の生徒たちに向き合っていきます。

 

 

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