7月20日 一学期終業式

 

  727日 ロンドンオリンピックが開催されます。私が注目している選手は陸上100mのウサイン・ボルト選手と日本の女子トライアスロン上田藍選手です。ボルトは北京で9.61秒の世界記録で金メダル。翌年のベルリン世界選手権で人類が9.6秒の壁を破るのには2039年と言われていた通説を30年も短縮して9.58秒の世界記録を叩きだした選手です。先日NHKでボルトの走りを最新の映像技術とコンピューター技術で分析したドキュメントがありました。ボルトには脊椎側湾症という脊椎が曲がったスプリンターとしては致命的なハンディを持っていました。つまりこの背中の歪みが方を大きく肩を揺らし、骨盤の動きが通常よりも大きく振れて太ももの筋肉に強い負荷がかかり、肉離れを起すというハンディです。かれはジャマイカの代表でしたが、アテネオリンピックでは肉離れのため途中棄権。ジャマイカの英雄が一瞬にして罵倒・罵声を浴びる選手になりました。しかし彼は3年後の北京に向けドイツのサッカーのトレーナを訪ね、肉体改造に着手するのです。ゆがんだ背中や肉離れを起こしやすい筋肉を鋼のように鍛え上げ、北京オリンピックで結果を出したのです。「私はこの歪んだ背骨で悩みましたが、自分の肉体を信じて克服しました。そして道が開けました!」  

 女子トライアスロン上田藍 報道ステーションでテニスプレーヤーの松岡修三とのインタビューが忘れられません。厳しい練習を終えて夜寝る前の彼女の日記は何時も同じ言葉から始まります。「201284日 ロンドンオリンピックで金メダルを取ることが出来ました。ありがとうございました」 まだ始まってもいないオリンピックの金メダル獲得をイメージし続ける超ポジティブなメンタルトレーニング。北京が終わってからずっと書き続けているそうです。松岡修三が聞きます。「もしロンドンで結果が出なければ?」「簡単なことです。ロンドンをリオにかえるだけ。」一本筋が通っていますよね。意地悪な質問を続けます。「苦手なスイムの対策はいかがですか」 上田藍の答えに意外でした「苦手なんて言葉 言わないでください。伸びしろがあるという言葉をつかってくれませんか!」 

 

  言葉で人類は意思疎通ができ文化や科学技術発展に大いに貢献してきました。しかし言葉は基準を作ります。人はその基準に縛られがちになります。基準が生みだします。「過去・親・他人」と比べることによって自分に無い能力に意識が向いてしまい、不安な気持ちになりネガティブな思考に陥ります。これら3つは比較してはいけないのです。でも脳の言葉による錯覚を逆手にとってポジティブな錯覚を起こさせて、それに向かって人間は突き進むこともできるのです。上田藍選手が典型です。皆さまも不安な気持ちやネガティブな考えが湧いてきたたら、自分でポジティブになれる言葉を準備してみてはいかがでしょうか?アントニオ猪木の「元気ですか?」「元気があれば何でもできる」不安な時は「不安タスティック」など。(みうらじゅん著 マイ仏教より一部引用)

 

さて今日から夏休みです。一つお願いがあります。将来のキャリアビジョンをこの夏休みにじっくり考えてみてください。それに向かって柱を立ててみてください。日頃出来なかった本を読むのもいいでしょう。遠くに旅に出かけるのもいいでしょう。何か一つの事をやり遂げ、それが将来のキャリアビジョンに繋がればと願っています。2学期の始業式 充実した夏休みを過ごしたキラキラしたみんなと再会できることを楽しみにしています。