遠く離れた2つの教室や、教室と病室をZoomやスカイプで繋いで行う同時双方向型の授業のことを遠隔授業と言います。先日テレビ番組でも特集を組んでいましたが、欧米に比べ日本はICTを活用した授業の導入が遅れていると言われています。その番組で一番印象に残ったのは、アメリカの学校の先生が自宅の庭から遠隔授業を行っているシーンでした。
解説動画等をWeb上に置き、生徒がそれを視聴した上で課題に答えたり質問を送信したりするという方法もありますが、対面式授業(通常の授業)の形により近いのは同時双方向型の遠隔授業です。遠隔授業なら授業中に質問ができますし、授業を担当する教員は受け手側の教室にいる生徒の反応も見ながら授業を進めることができます。環境さえ整えば、遠隔授業の方が、授業を受ける生徒に対して、適宜適切でより効果的なアプローチが可能であると考えます。
そこで、本校では、分散授業をする6月12日までの間に、教室と教室を繋ぐ同時双方向型の遠隔授業を取り入れました。写真がその様子です。
先生が授業をする方の教室には、当該クラスの生徒40人のうち20人が入っています。この教室のことをA教室と呼ぶことにします。そして、その隣の教室には、このクラスの残り20人の生徒が入っています。この教室はB教室と呼びます。この2つの教室をZoomで繋ぎ、さらに、Zoomで繋がったB教室のタブレットをこの教室のプロジェクターと同期させることによって、A教室の授業がB教室のスクリーンにリアルタイムで映し出されることになります。
例えば、授業の途中で、先生が「質問はないですか?」と問いかけた時、B教室の生徒は合図をした後タブレットに向かって発言すればA教室のプロジェクターからその映像が流れるという仕組みです。
まだまだ試行段階ですので、積極的に質問をする生徒はいないようですが、こんな形の授業が定着すれば、1教室に入ることができる生徒数に制限がついた場合でも、全く同じ授業を当該クラスの生徒全員に受けさせることができます。また、さらにこれを応用すれば、3つ以上の教室を繋いだり、あのアメリカの学校の先生のように、休校中も同時双方向型の授業ができるようになるのではないかと思っています。
本校では、5月25日にZoomを活用したオンラインホームルームを行いました。このような取組を進めていくことにより、どんな時も質の高い授業ができる学校をめざしていきたいと思っています。