6月20日(土)に、75期生の「入学を祝う会」を行いました。内容は、校長からお祝いの挨拶の後、各クラス担任からの一言メッセージ、そして最後に、硬式野球部員による校歌の披露です。感染予防の観点から30分以内にコンパクトにまとめ、常時換気している状況で行いました。
校長からのお祝いの挨拶の概要と各場面での写真は以下のとおりです。
また、この会の前には新入生のオリエンテーション、この会の後には新入生保護者説明会を設定し、この日が1年生や保護者の皆様にとって区切りの日となるよう工夫しました。
「入学を祝う会」お祝い挨拶の概要
スペイン風邪の世界的大流行は1918年から1920年。ちょうどその100年後に来たのが新型コロナウイルスです。そんな中、75期生は4月7日の健康診断以来、入学式もできないままに臨時休校になり、不安な思いばかりを抱えてStayHomeを余儀なくされました。本当なら、友だちと笑い合い、先輩の指導のもと部活動に汗を流していたはずです。そんな75期生を、八尾高らしく、あたたかく迎えるために企画したのが、今日の「入学を祝う会」です。
生徒が来ない学校はまるで廃墟のようでした。外出自粛。営業自粛。社会活動が大きく制限される中、イライラしたり、むしゃくしゃしたり、家族間の人間関係にも影響することがあったんじゃないかと思います。休校期間中、我々教員、特に75期生担任の先生方の気持ちは皆さんとともにありました。本来、溌剌とした八尾高生になっているはずのみなさんが抱えている"やるせなさ"や"悔しさ"を思い、私たちは、一人ひとりと向き合う教育の原点に立ち返ろうと決めました。そのために行ったのが、5月後半の二者面談とオンラインホームルームです。
あれからおよそ1か月。昨日、ここで、生徒会主催の新入生歓迎会が行われました。「新しい生活様式」を守り、様々な制約がある中、先輩たちが工夫を凝らしたクラブ紹介。目を輝かせ、時々笑顔を見せながら聴き入るみなさんの様子を見た時、涙が出そうになりました。やっと75期生を迎えることができた。そんな思いが込み上げてきました。
コロナは予告なくやってきて、私たちの生活を根底から覆しました。しかし、我々大人は知っています。どんな時も子どもは、若者は私たちの希望です。保護者の皆様方の中には、コロナの影響を強く受け、日常を取り戻すための苦労を強いられている方も少なくないと思います。かつて経験したことのない、大変な状況もあると思いますが、今日は、今このひと時は、私たち教職員と心を一つにして、子どもたちの成長を喜びましょう。私は、これまで教員として何十回も新入生を迎え入れてきました。しかし、「入学おめでとう」この言葉が、一番心にしみるのは、間違いなく今日です。八尾高校教職員を代表し、心から、入学おめでとうございます。
長い休校期間中に、あらためて気づかされたことがあります。学校の成り立ちです。それは、普段、意識すらしていなかったことです。学校は、生徒と教職員と保護者で成り立っていて、三者にはそれぞれの仕事があります。
まず、生徒の仕事は、夢を描き、志を持つことです。夢を描くためには憧れることが必要です。その対象になり得るのが先輩であり先生であり保護者です。
次に、教職員の仕事は、教えることだけではありません。時に、保護者の気持ちで生徒と接することです。判断に迷ったとき、もし、この生徒が我が子だったらどうするだろうと考えてみたら、さぁっと霧が晴れることがあります。
そして最後に保護者の仕事は、親として子どもと接するだけではありません。時々で良いから教師の目線で子どもを見ることです。あの先生ならこんな時こう言うだろうと思えるモデルがいれば、どんな時も冷静でいられると思います。
八尾高校では、この三者が学校文化を育てていくと考えます。教師や保護者は育てる人、生徒は育てられる人ではありません。75期生も、125年の歴史と伝統の中で、学校文化を育てる当事者として大事な役目を担ってもらいます。
八尾高校のキャッチフレーズは「笑顔がええやん!真顔もええやん!」です。これから始まる3年間は山あり谷ありですが、生徒も教師も保護者も、みんながいつも笑顔で、そして時には真顔で八尾高校という文化を育てる・・・そんな素敵な 時間にしていきましょう。
最後に、コロナウイルスによる様々な禍が一日も早く過ぎ去ることを祈って、ご挨拶とします。みなさん、今後ともどうぞ、よろしくお願いします。