学校斡旋で就職試験に臨む3年生の皆さんへ

 校長の上本です。いよいよ16日から就職試験が始まります。

 これまであなた方は、学校の指導に従って、よく努力を積み重ねてきました。これまでのあなた方の頑張りにまず、敬意を表します。

 学校斡旋の就職は、企業と学校との信頼関係によるものです。学校は企業に「この生徒なら、大丈夫」と責任を持って送り出します。

 この間の学校の指導を厳しいと思った人もいるでしょう。しかし、それは学校が責任を持って「この生徒は大丈夫」と送り出すためだからです。

 あなた方は、その指導によくついてきました。だから、まず、自信を持って下さい。長吉高校は自信を持ってあなた方を送り出します。

 この間、履歴書の指導や面接練習など、就職試験であなた方の力が発揮できるために、多くのスキル=技術を磨いてきました。

 当日は、あなた方のよさが、面接官にしっかりと伝わるよう、全力を尽くしてください。

 その上で、私から3点、アドバイスを送ります。しっかり心に刻んでください。

 それは「情熱」「誠実」「協調」です。

 「この会社でぜひとも働きたい」「この会社に入って、自分の力を発揮して、貢献したい」。その熱意、願い、想い。これが伝わることが、最も大切です。

 この「情熱」を中心に据えて、それが相手にひしひしと伝わるよう、試験に臨んでください。

 次に、「誠実」です。会社は、小手先の要領の良さや器用さを求めてはいません。しっかりと仕事を覚えようと、真面目にこつこつと努力できるか。少々の困難があっても投げ出さずに、解決に向けて取り組むことができるか。ミスがあってもごまかしたり、開き直ったりするのではなく、素直に非を認め、改善に努めることができるか。

 要は「誠実」に物事に向き合う人間を求めているのです。

 3つ目は、「協調」です。職場での人間関係を大切にして、人と協力し合いながら、働くことができることです。

 どんな職業につこうとも、そこには関係する人が必ずいます。上司や部下、先輩・後輩、お客様、取引先の人など、職種によって濃淡はありますが、人間関係の中で仕事があります。

 人間関係を大切することは、好き嫌いや、合う合わないで関係を持つことではありません。たとえ自分とは合わなくても、嫌いであっても、相手を理解しようと努め、自分との違いや交わり部分を自覚して、関係が持てることを意味します。

 要は自分の殻に閉じこもるのではなく、自分と異なる感じ方や考え方を持つ人間にも心を開くことができる柔らかさ、しなやかさを持てることです。

 それが協力し合うことにも通じます。

 これが「協調」です。

 繰り返します。「情熱」「誠実」「協調」です。

 先ほどはスキル=技術のことを言いましたが、この3点は中身です。

 どんな企業でも熱い想いを持ち、真面目に仕事を覚え役割を果たそうとする、そして人間関係を大切にする人を求めています。

 みなさんは、これまでの人生経験、長吉高校での学校生活をもとに、この3点をしっかりと相手に伝えて下さい。

 大丈夫です。あなた方は、長吉高校での学校生活を通じて、学ぶ喜び、人のために頑張る力、困難を仲間と協力して乗り越える力を育みました。

 後は、それを向こうに、いかに伝えるかです。

 当日は、緊張することと思います。緊張しない方がおかしい。

 そんな時は、支えてくれる仲間、熱心に指導くださった先生方の顔を思い浮かべて下さい。

 あなた方は一人ではありません。

 長吉高校の一員として、胸をはって就職試験にチャレンジしてください。

 健闘を祈ります。

令和3年9月14日

                                     校長 上本 雅也