桜が惜しみなく花びらを降り注いで言祝ぐ今日、長吉高校第48回入学式を挙行いたしましたところ、ご多用の中、臨席を賜りました、PTAの川原さま、山之内さまには、高いところからではございますが、厚くお礼申し上げます。
保護者の皆様には、今日まで、ご苦労を重ねつつ、慈しんでこられた、お子様のご入学を、心よりお祝い申し上げます。
ただ今、入学を許可しました214名の新入生の皆さん、改めてご入学おめでとうございます。皆さんは、今日から長吉高校の生徒です。教職員一同、心から歓迎します。
高校生になった喜びや感動も大きいかと思いますが、同時に不安もきっとあるに違いありません。
しかし、大丈夫です。本校は、人権尊重を中心に多様性を尊重する学校です。
よって、本校は決して、差別やいじめを許しません。
ですから安心して、居場所を学校の中に見つけてください。
また、長吉高校はエンパワメントスクールとして、
「わかる喜び」や「学ぶ意欲」を呼びおこし、生徒の皆さんが本来持っている力を引き出す学校です。自らの内にある様々な可能性を信じ、本校での教育活動を通じて、資質・能力を伸ばしてください。
今、世界は激動の時期にあります。現に今起きている戦争、コロナウィルスなどの疫病、地震などの自然災害。今日の次に安らかな明日が確実に来るとは限らない。
そんな中、みなさんは、自分はこれからどう生きたらいいのか、一人ひとりが答えをつかみ取っていかなければなりません。
しかし誰も答えを与えたり、教えたりはしてくれません。
では、どうすればよいのでしょう。
ここで新入生のみなさんに私から言葉を贈ります。
「我思う。ゆえに我あり。」です。
これはフランスの哲学者デカルトの言葉です。
世界で最も有名な言葉の一つです。
デカルトは、よりよい人生を生きたいと強く願い、確実な真理を手に入れるため、あらゆるものを一旦、疑い、考えに考えました。
考えた果てに何も確からしいものはないとの結論に至りました。
しかし、そこで彼は、気づいたのです。あらゆるものを疑い、考え続け、願い続けているこの私は確実に存在している。これは疑いようのない確実な真理である。
これが「我思う。ゆえに我あり。」です。
確実な答えをつかみ取るために、「考え」「願い」続ける、その中にこそ私は存在するのです。
具体的に言います。3点あります。
まずは「学び」です。教科の学習に全力で取り組んでください。また先生方や周りの人たちから、人生をよりよく生きるための知識や技術、知恵を学んでください。
次に、「つながり」です。クラスの仲間に心を開いて信頼関係を結んでください。そして苦しい時にこそ助け合い支え合うことができる確かな関係を作ってください。
3つめは、「社会参加」です。この激動の時代、今、高校生として、人のため、社会のために、何ができるか。学校内や学校外で、困っている人、苦しんでいる人のために具体的に何ができるかを考えて行動して下さい。それは人のためだけではなく、本当は自分自身のためになることです。
こうした「学び」や「つながり」、「社会参加」の行動の一つ一つがあなた方自身の確かな答えとして、あなた方の進みたい進路を指し示してくれます。
もう一度言います「我思う。ゆえに我あり」です。みなさん一人ひとりの「思い」による「行動」が、あなた自身を形作るのです。
私たち長吉高校教職員は、教え、導き、援助する専門家として、チーム一丸となってあなた方を応援します。
この長吉高校で、一人ひとりが「自分らしさ」を輝かせ、持続可能な社会の担い手として成長することを心の底から願っています。
以上を私の式辞といたします。
令和4年4月7日
大阪府立長吉高等学校 校長 上本 雅也