2022年度1学期始業式式辞

皆さん、おはようございます。いよいよ新年度がはじまりました。

年度末に話したように、心と体はリフレッシュしましたか。今日からのスタートに気力、体力は十分ですか。是非ともよいスタートを切って下さい。

さて、新年度が始まりましたが、世界情勢、社会の状況は厳しいものがあります。戦争で亡くなった人たち、祖国から避難を余儀なくされ、安全や安心な生活が脅かされる人たち、その人たちのことを思うと心が痛みます。

「こんなことはあってはならない」「許されてはならない」と、理屈抜きで、戦争はダメなのだと心に深く誓いましょう。

戦争による人命と日常生活の破壊は、決して遠い国のことではありません。今日の次に安らかな明日が確実に来るとは限らない、世界はそんな状況にもはや突入しています。新型コロナウィルス、地震などの自然災害、環境破壊など、私たちの日常生活はもはや盤石ではありません。

だからこそ、一人ひとりが「確かな手ごたえのあるものをつかみ取る」ことが大切です。それが危機からその人を救う手立てとなるからです。

これからの学校生活を、「確かな手ごたえのあるものをつかみ取る」との強い思いで過ごして下さい。そうすると今まで当たり前と思い込んで気づかなかった、様々な物事の価値や意味が見えてきます。

繰り返します。「確かな手ごたえのあるもの」です。それはたとえば、知識や技術、生きる上での知恵、信頼できる人間関係などです。あいまいな情報やデマ、なんとなく、まあまあ、そこそこは、いざという時、役に立たないのです。

その上で、新2年生のみなさん、いよいよ、あなた方の自主性・主体性をとことんまで追求する時となりました。やらされるのではなく、自分たち自身でやるのです。コロナ禍により、制限・制約はまだありますが、その中でやれること、やりたいことを、とことん追求して下さい。

次に新3年生のみなさん、あなた方が「本気」を出した時の強さは、見させてもらいました。この1年はその「本気」を進路実現と高校生活の完結に向けて、発揮して下さい。「やりきった!」と一人ひとりが掛け値なしに、心の底から思って、ゴールを切れるかです。

最後に、新入生に対して、私からのお願いです。「あんな素敵な先輩になりたい」、新入生が自然にそう思えるように、あって欲しい。

今朝、校長室の隣の桜の木の下を技術職の方と掃いている生徒がいました。学校のために自ら進んでできることをする。心が洗われるすがすがしい姿でした。こんな生徒がいる長吉高校はすばらしい学校だと改めて思いました。

「あこがれの先輩」は、難しいことではありません。人のために社会のために、自らのできることをする。そんな人間になろうとすることです。あなた方にはできます。その力があります。よろしくお願いします。

以上を私の式辞とします。

2022年4月8日

長吉高等学校校長 上本 雅也