2022年度1学期終業式式辞

みなさん、おはようございます。

 やっと終業式を迎えることができました。

 最初に、コロナ禍は第7波を迎え、大阪でも感染者が2万人を越えています。前回までのような一斉の行動制限がかかっていませんが、だからこそ一人ひとりが感染予防に努めることが一層重要です。

 これから長期休業に入りますが、どうか気を緩めることなく、従来どおり感染対策に努めて下さい。

 ここでみなさんにお願いがあります。今、現在、スクールミッションを策定しています。スクールミッションとは、その学校の使命、社会的存在意義のことです。簡単に言えば、他の学校にはない、その学校らしさ、その学校のよさ・魅力のことです。今、学校のWEBページで、みなさんが思う、長吉高校の長吉高校らしさ、魅力について、アンケートを実施しています。難しく考えることはありません。みなさんが心に思い浮かべたキーワードを3つ自由に答えてくれればいいです。

 保護者用もありますので、保護者の方にもご協力いただくようにお伝えください。アンケートは5分もかかりません。アンケートは7月末までですので、この後すぐにでもやってみて下さい。

 さて、3年生のみなさん。今、進路実現の真っ最中です。「彼を知り己を知れば百戦殆(あや)うからず」中国の思想家『孫子』の言葉をみなさんに送ります。今、現在やっている応募前職場見学や履歴書、面接指導は、全て相手先のことをよくよく理解し、自分自身の特長・特性・人格・人となりを十分に知って、試験という戦いに勝つためのものです。進学のみなさんも基本は同じです。きつく厳しい日が続きますが、どうかしっかりついてきて下さい。

 次に2年生のみなさん。今、まさに高校生活のど真ん中であり、長吉高校の中心です。コロナ禍によって制限されていた様々な活動も徐々にできるようになってきました。この2年間大きく制限されていた生徒の自主活動を再び盛り上げて下さい。生徒会活動、部活動、ボランティア活動、できるところからチャレンジして下さい。

 最後に1年生のみなさん。高校生活に慣れましたか。そして長吉高校の生徒の一員に成りつつありますか。

 昨日、いじめ防止委員会を行いました。みなさんのいじめアンケートに基づき、一つ一つの書き込みを点検し、今後の方向性を確認しました。一つ一つの訴えは、重く受け止めています。その上で、数として3年生が一番少なく、1年生に一番書き込みが多くありました。学年が上がるにつれて人間関係が固まり、距離感がつかめるようなったことも要因にはあるでしょう。

 しかし、私はそれだけだと思いません。私は、長吉高校の教育活動を通して、相手の心の痛みや苦しみを想像して行動できることが、学年が上がるにつれてできるようになったことが減少の一番の理由だと思います。

 ある2年生の書き込みに「みんなお互いもっと優しくできないのだろう?」とありました。この書き込みには、優しくあって欲しいとの願いが込められています。

具体的な場面で説明します。

「おはよう。」

「何か元気ないように見えるけど、何かあったん?」

「うん、昨日、親とトラブって、おまえみたいな出来の悪い子は、いらん、って言われてん。」

「ええー、そうなん。辛かったね。」「私に何かできることあったら、言うてな。」

「うん、ありがとう。」

 友だちの心の痛みを想像し、気遣い、いたわりの言葉をかけられる、「優しい」行動を一人ひとりができれば、いじめはなくなります。

 3年生は、こういう「優しい」行動ができる生徒が1年の時より増えたということです。

2年生の入学式に宮沢賢治の「雨にも負けず」の詩を引用して言いましたが、人間観の問題として再度言います。「イ」(にんべん)に「憂」(うれう)と書いて「優」(やさしい)と読みます。人の苦しみを憂い、寄り添い行動することが「優しい」とう意味です。同時にこの「優しい」は「優れる」(すぐれる)とも読みます。

長吉高校生に成るとは、人の痛みや苦しみを想像し、寄り添う「優しい」人間になるということです。そしてそれが「優れた」人間になることです。

二学期の始業式は8/19です。くれぐれも事件や事故に巻き込まれないで、元気な笑顔で8/19に登校できることを願っています。

私からは以上です。

2022年7月22日  

長吉高等学校

校長 上本 雅也