2022年度2学期始業式式辞

 みなさん、おはようございます。夏季休業はどうでしたか。エネルギーは充電できましたか。進路実現に向けて自ら納得の行く時間を過ごすことができましたか。部活動や自主活動などで、力を発揮することができましたか。一人ひとり違った過ごし方だったと思います。そこには同じ正しさはありません。「よし、やるぞ!」と二学期からの高校生活に前向きになることができれば、それが一人ひとりにとっての正しい過ごし方です。ここにいる全員が前向きな気持ちで、再スタートできることを願っています。

 さて、3年生のみなさん。すでに進路が決まった人もいるでしょうが、就職試験や進学の入試はこれからが正念場です。進路は自分自身で切り開くものです。自分自身が実力を蓄え、それを試験で発揮しようとしなければ、誰も代わってくれません。しかし、進路は自分だけで切り開くものではありません。ここは間違えないで下さい。仲間とともに切り開くものです。これから先、クラスの中には、進路が決まった人、まだ決まらず不安な思いをしている人が混在することになります。自分は進路が決まったから、他の人のことはどうでもよい。残りの時間は好き勝手にお気楽に過ごせばよいのでしょうか。私はそうは思いません。不安な思いを持ちながらも、進路実現に向けて歯を食いしばり懸命に闘っている仲間のことを想像し、行動できることが人として優れていると考えます。私はあなた方にはそれができると信じています。

 次に2年生のみなさん。先の一学期の終業式でも言いましたが、長吉高校の長吉高校らしさの大きな特長に、自主性があります。かつてはネパールでの学校建設や奨学金のために淡路島でチャリティマラソンをしていたこともありました。コロナ禍でまだまだ教育活動に制限や制約はありますが、人のため、社会のため、そして本当は自分自身のために、やらされているのではなく、「やってみよう」と自主的にできることにチャレンジしてみて下さい。難しく考える必要はありません。まずは一人から、できることから、始めればいいのです。文化祭や修学旅行がそのきっかけになればと思います。

 最後に1年生のみなさん。学び直しの学校、エンパワメントスクールのこの長吉高校に入学して5か月。思い描いていた高校生活は送れていますか。入学年度の大きな課題は「分からない」「できない」で損なわれてきた自分自身に対する信頼を、「分かる」「できる」「大切にされている」を通じて回復することです。全てはそこから始まります。自分を大切に思うことと他者の違いを尊重することは別々のものではありません。徐々に少しずつ「信頼」を取り戻し、「関係」を築いてください。

 まだまだ残暑が厳しい折です。またコロナ感染症も収まってはいません。どうか一人ひとりが心と体の健康に十分注意して、実りの秋を迎えることができることを願っています。

以上を式辞とします。

2022年8月19日 

校長 上本 雅也