新学年が始まりました

新入生のみなさん。堺工科高校にようこそ。
新入生・在校生ともに新しい年度を迎えて、それぞれに目標を決め決意も新たにされているでしょう。
工科高校は就職には有利とされていますが、漫然と暮らしていては選択肢が広がりません。1年先、5年先の自分の生きる道を幅広いものにするためには、さまざまな知識や技能を、自ら学ぶ意識を持つことが大切です。
とは言うものの、モノ作りが好きで工科高校に来たという人ばかりではないでしょう。周りの人のすすめで来てしまった。だから学ぶ気が起きないなんて人もいるかもしれません。そんな心持の人に、ぜひ読んでほしい本を紹介します。


    やりがいってなんだ
2005年のロケットボーイズ/五十嵐貴久
分類913.6 文庫 不本意ながら工業高校に入学した北尾信介。落ちこぼれてしまい自堕落な生活を送っている。とうとう不祥事を起こし退学かあることをするかの選択を迫られる。あることとは人工衛星を作ること。信介は人工衛星づくりに乗り出すことになった。様々な人に支えられ、次第にモノづくりへの関心が強まっていく。関われば変わる物語。

    下を向くな!さすれば応援者が現れる。
階段途中のビッグ・ノイズ/越谷オサム
分類913.6 文庫 先輩たちが不祥事を起こし廃部寸前の"軽音楽部"。浴びせられるのは冷たい視線と罵声。"軽音楽部"存続をかけ文化祭で花火を上げる。だけれど集まったのは頼りない顧問に、やりたい音楽が異なる仲間たち。ぶつかったりしながらも、何とかライブの成功に向け練習していると...。がんばることで応援者が現れる。そういう軌跡が描かれる。この物語は、君たち自身の物語です。

    カレ・カノジョ欲しい
わたしの恋人/藤野恵美
分類913.6 文庫 彼女いない歴=年齢の竜樹が保健室で出会った「くちゅん」というくしゃみに恋をした。そんなにかわいいくしゃみは反則だろ。その女の子=森せつなに竜樹は告白。二人は付き合いを始める。些細な行き違い、せつなのためらい。なかなか二人は一つになれない。おずおずと、でも思いやりを忘れない竜樹の姿勢にせつなはひかれ、本当の恋人へと変わっていく。竜樹の友人笹川君が二人のきずなを深める。笹川君はいわゆる「おたく」。二次元キャラをこよなく愛する。その彼の「恋」の物語は本書の続編「ぼくの嘘」で描かれる。2冊で一冊。この恋が安らぎをくれる。 

    家族ってなんだ
ナモナキラクエン/高殿円
分類913.6 文庫 山・紫・水・明と名付けられた4人兄弟。みんな母親が違う。父親が突然倒れ、「楽園の話を聞いてくれないか」との言葉を残し死んでしまう。残された兄弟には胃痛の手紙が残され、それぞれの母について書き記してあった。「必要があればあって来い。」そう記されていた。なぜ父は結婚と離婚を繰り返し4人の子供を育てたのか。それぞれが母に会いに行く旅に出、得られた真実が胸を打つ。 家族を考える小説。

    自然体が一番
カミングアウト/高殿円
分類913.6 文庫 誰にだって一つや二つ人に知られたくないことがある。心の中にかかえた秘密、言ってしまえば取り返しのつかない言葉。そう思いひた隠す。この小説には、そういう秘密を抱えた人が、その秘密を暴露したならどうなったかというお話です。コインロッカーに衣装を隠し複数人格を使い分ける女子高生。30歳近いロリータファッションを楽しむOL。40歳独身ビジネスマンが恋心を抱いてしまった相手は...。みんな突然に、突き動かされて秘密をさらけ出してしまう。その結果がもたらしたものは...。抱え込んだままでいるより一歩先に行くことができてしまうのだ。 まあ、現実がこんなに簡単に"こころ"の開放に結びつくとは限らないけれど、秘密を抱えているより自分そのものを自然に表したほうが楽になれるよと教えてくれます。 

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