「ルーティーン」

 3組担任の浄土寺です。昨今「ルーティーン動画」なるものが流行っていると聞きました。芸能人がお家時間の過ごし方動画を上げて、ファンを楽しませようとしているんだとか。ここで質問、みなさんには「ルーティーン」ってありますか?意外と思いつかない人もいるのでは?「ルーティーン動画」は良い意味で使われている例ですが、routine は悪い意味にもなりますよね。では、ルーティーンの良さってなんでしょうか?マトノートに「勉強をルーティーンにしてしまえば楽!」とあったけど、具体的に何がどう楽になるんでしょうか?

 わたしの一人暮らしの部屋にはテレビ・炊飯器・オーブントースターがありません。買えなかったのではなく、買いませんでした。3つとも留学時代にルームシェアしていた部屋にはなかったけれど、特に困らなかったものだから。人間「やる」と決まっていることが、通常のやり方で叶わないとなると、解決策を探し始めるものです。遠隔授業しかり、オンライン会議しかり。そうこうするうちに、行動の本質的な目的を考え始めたりして、気づくのです。「目的これなんやったら、このやり方もありちゃう?」って。

 元々わたしにとってテレビは、好きな番組だけを見る媒体だったので、じゃあパソコンの動画配信サービスで十分かも?お米は留学中、鍋で簡単に炊けていたし、炊飯器って基本米しか炊かない割に場所も電力も取るから、いっそ土鍋で?オーブントースターの代わりに、備え付けの魚焼きグリルを活用すれば? というわけで、9割以上の家庭にはありそうな3種の神器たちには、退場してもらいました。

  基盤にルーティーン(決め事)があるから、迷いがなくなって、頭に余白が生まれ、物事の本質にまで思考を巡らすことができるようになる。想像の翼を広げ、これまで仕入れた知識を柔軟に活用することで、自分の目的にフィットした方法を選び取ることが可能になる。これが「知性化」のプロセスなのかもしれません。でも「ない」知識は、知性にはなれません。だからこそ、ルーティーン化させた勉強の中でどんどん知識を仕入れ、勉強すべきか否かを迷う必要がなくなった分にできた余白を、大事に丁寧に育てて欲しい。周りの常識や普通にとらわれず、自分の中で納得がいくかを軸に考えれば、余白にぽっかり浮かんだ疑問やアイディアは、あなただけの素敵な知性になると思います。みなさんも「ルーティーン」、始めてみませんか?