バルセロナオリンピックでの感動的なシーンをご記憶の方も多いかと思います。柔道家古賀稔彦先生は柔道選手として、また指導者として大きな足跡を残されました。まずは、古賀稔彦先生のご冥福を心からお祈りしたいと思います。
実は、八尾高校と古賀先生は不思議なご縁で結ばれていました。
20年以上前の話になりますが、新校舎完成時の柔道場杮落しの時にご来校いただき柔道の指導をしていただいたのが最初のご縁です。そして、2回目のご縁は昨年の10月30日、八尾高校体育部OBOG会創立40周年記念講演会の講師としてお越しいただき1,2年生の生徒の前でお話しいただきました。柔道衣姿で颯爽と登場され体育館の舞台の上から一人ひとりの生徒に語り掛けるような口調でお話しされている場面が深く印象に残っています。今から思えば、その時にはすでに、かなり病状が悪化していたのではないかと拝察しております。
八尾高校体育部OBOG会では、40周年記念誌に追悼文を掲載し、古賀先生とのご縁を次世代に伝えていきます。以下、追悼文原稿とインターネットニュースの記事です。ニュース記事の中に出てくる等身大パネルは本校でのご講演に合わせてOBOG会が作成し古賀先生にご寄贈したものです。
https://news.yahoo.co.jp/articles/711852e01cef283856d84dfc116a58fdfb853741
追悼文
令和3年3月24日古賀稔彦さんは53歳という若さでご逝去されました。
癌との闘病生活で昨春、腎臓摘出をされたことから秋の八尾高校講演会も体調の思わしくない中でのご登壇であったことと思われます。講演会当日、ご挨拶をかねて新大阪駅まで迎えに行った私は八尾高校に向かう車中で古賀さんの親しみやすいお話に心地良い時間を過ごしました。古賀さんは「コロナ禍で今年の講演はほとんど中止になりました。よく講演決定されましたね。久しぶりの講演で緊張しています」。と言われたので私は「中止にするという安易な決定はしません。コロナ禍だからこそ生徒に夢と希望を与えるんだという決意で準備してきました」。と答えると古賀さんは車窓を眺め何かをお考えの様子でした。
闘病中であることを感じさせない、明るく親しみやすい笑顔で、生徒に夢と希望を与える素晴らしい講演をしていただいた古賀稔彦さんに感謝の気持ちを持つとともに、心よりご冥福をお祈り申し上げたいと思います。
追伸:講演会終了後「八尾高生は良い生徒であるのでまた八尾高に来たい」というコメントを古賀さんからいただいたこと、そしてコロナ禍中、多くの講演が中止になったというお話から八尾高校が古賀さんにとって最後の講演会になった可能性が強いということを紹介しておきます。
古賀稔彦氏講演会実行委員会 小森康充