(7)キク亜綱
合弁花をもつグループからナデシコ亜綱のイソマツ目とディレニア亜綱のウリ目・カキ目・ツツジ目・サクラソウ目を除いたものがキク亜綱である。キク亜綱は花弁の融合と花冠裂片の同数化が確立した植物群。リンドウ目・ナス目・シソ目・オオバコ目・ゴマノハグサ目・キキョウ目・アカネ目・マツムシソウ目・カリケラ目・キク目からなる。
ナス科 Solanaceae
ヒヨドリジョウゴ
葉は互生して托葉はない、花は通常放射相称。がくは4〜6裂して開花後も残る、花冠は通常5裂、雄しべ5本は花冠裂片と互生して花筒(かとう、融合して筒状になった花弁)につく、子房は2室、ときに3〜5室。食用のナス、トマト、ジャガイモ、トウガラシ、ピーマンはこのナス科の植物。

ヒルガオ科 Convolvulaceae
コヒルガオ
草本又は木本でよくつる状になる、葉は互生し托葉はない。花は4〜5数からなり、放射相称。花冠はろうと状、雄しべは花筒の基部につき花弁と互生する、子房は1〜4室。サツマイモは栽培され、その塊根は食用にされる。葉柄を油でいためて食べてもおいしい。

ムラサキ科 Boraginaceae
キュウリグサ
花序は多くは渦巻き状。花は放射相称、通常両性で5数からなる。雄しべは花冠の切れ込みと互生して花筒につく、雌しべは1本。

シソ科 Lamiaceae
ホトケノザ
花弁は二唇型、雄しべ4又は2、雌しべ1(子房2室)、茎の断面は方形、葉は対生又は輪生、植物体に香気がある。ミント、マージョラム、バジル、レモンバーム、ラベンダー、オレガノ、ローズマリーはシソ科植物由来の香料、シソの花と葉は生食する。

オオバコ科 Plantaginaceae
ヘラオオバコ
葉は根性又は互生、花は小さく穂状又は頭状に集まり放射相称。がく片4,花弁4は融合、雄しべ4(ときに1〜2)、花筒に花冠の切れ込みと互生する。心皮2,子房は1〜4室。

ゴマノハグサ科 Scrophulariaceae
ムラサキサギゴケ
花弁は4〜5裂、雄しべ4又は2、雌しべ1(子房2室)、葉は対生又は輪生。オオイヌノフグリではがく片と花弁は4裂、雄しべ2,雌しべ1で子房は2室であり、雄しべと花弁が融合する。

アカネ科 Rubiaceae
ヘクソカズラ
葉は対生まれに輪生し、托葉は離生又は融合し、ときに葉と同形となる。花は放射相称でまれにやや左右対称、がく片は子房に付着、花冠は筒状又は輪状で4〜10裂、雄しべは花冠の切れ込みと同数でそれと互生する、子房は2室以上。コーヒーノキはこのアカネ科に属する。果実を収穫し、その種子(コーヒー豆)をコーヒーの原料にする。

キク科 Asteraceae
シロバナタンポポ
双子葉植物の進化の極致にあると考えられていて、小さな花が集まって頭状花序をつくる。1個の花(=小花)は花弁の先端が5つに裂ける筒状(とうじょう)花と、5又は3つに裂ける舌状(ぜつじょう)花がある。5本の雄しべは互いに合生して1本の雌しべを囲む、子房は1室。がく片の位置に冠毛があるものが多い。レタス、サラダナ、シュンギク、ゴボウ、フキ、ヨモギ、ヨメナなどは食用にされる。ステビアからは甘味料を抽出し、カミツレは薬草(カモミール)として使う。
