生徒は寝不足と少し時差ぼけがあるようですが、体調不良者はいません。
初日はそれぞれホストファミリーと過ごしました。ビーチやショッピングセンターに連れて行ってもらったり、家族でゆっくり過ごすなどしたようです。
2日目はハワイ大学で、このプログラムの目的や最後のプレゼンの方法、sustainability の講義を受けています。
今日のミッションも無事終える事ができました。Sustainability についての講義を3つ受けた後、living buildingという家を訪問しました。そこでは環境に優しい配慮がいたるところになされた、エコフレンドリーな一軒家を見る事ができました。
終日講義と、その後は歩き続けた1日でしたので、生徒は疲れ切っていたようです。
本日は、今までは無駄だと考えられていた、もしくは価値を見出せなかった物を利用する取り組みについて体験を通して学びました。一つ目はタロイモのサービスラーニングです。タロイモの歴史を学び、人がこの作物から受ける恩恵を見直す活動です。
もう一つはAlbiziaという外来種の木についてです。伐採されるだけの行き場のない木でした。しかし、ある人の活動は、それらを建築物に利用し、ホームレスの方へ安く提供するなど、社会的に貢献できる木材にするなど付加価値をつける事で、資源としての見直しを促す活動をされていました。今日は4時までの活動なります。その後はホームステイ先の方と過ごします。
午前中はハワイの国会議事堂を訪れ、法案を通す流れや選挙について学びました。ハワイの国会議事堂は市民だけでなく、観光客にも解放されており、声明書も出すことができるそうです。また、そうした働きかけをする市民や団体へのサポートも充実しており、市民から要請があった新法案の内容に応じてどの部署、どの議員に働きかければいいのかをアドバイスする窓口も用意されていました。例えば、プラスチックを全面廃止する法案を提案しているが、それが実現しない難しさや、それでも諦めずに一人一人に働きかけする、草の根活動、啓蒙活動、教育することの大切さ、一人の人が自分の住む国を思い、より良くしようとする姿勢に尊敬の眼差しを向けていた一方、身近な人が先週の選挙投票に行かないといった日本人の政治に対する無関心な姿勢を聞いて、現地の高校生と大学生は目が点になっていました。また、日本はどうですかと問われたときの生徒の表情は、まるで校内模試の数学の試験を受けているようでした。
その後、日本文化センターに訪れ、ハワイに日本人が移住してきた歴史や、どういった形で日本固有の文化や価値観を引き継いでいったかを学びました。ハワイの文化形成に、日本の価値観が大きく影響を与えていることを知ることができました。
午後からは、金曜日のプレゼンテーションに向けてグループごとに議論を重ねました。生徒は積極的に発言をしていました。現地の生徒は、今まで見た日本人生徒(東京大学や関東の有名私学の生徒、約50校ほどの生徒と共に活動したことがあるそうです)と比べても、彼らの英語力はトップレベルだと言っていました。
長い1日でしたが、体調不良者はいません。あと2日(現地の生徒と学ぶことが)になりましたが、sustainabilityについてだけでなく、彼らから多くのことを学んで欲しいと考えています。
午前中はbeachへ行き、micro-plasticを中心にごみ収集に従事しました。本やインターネットを通して学んだプラスチック問題の現状を、実際に目の当たりにした生徒は、「ここにて良かったです!」と言っていました。一人一人ができることは難しいですが、自分から始めること、周りに伝えること、それが大きな変化をもたらすこと、若い世代がこれからの世の中を作っていく上で大きな責任があることなどを伝えてもらいました。
午後はプラスチック再利用した衣服や、不要なTシャツを再利用し、小物やカバンを作っている会社の方の講義を受けました。その講義の中で、普段身につけている衣服、特にfast fashionと呼ばれるブランドの衣服がどこで、どのように作られているのかを知り、それを購入するということは、社会的にどんな影響があるのかを考えました。購入するということは、その会社の行なっている活動を結果的に支持することであり、一方で購入しないということで、活動に反対するという一票を投じることができるということを伝えてもらいました。
最終日も、皆元気に過ごすことができています。午前中はこのプログラムのまとめであるプレゼンテーションの準備に充てました。現地の生徒とIslandersのサポートを受けながら、このプログラムを通して学習した内容と、今後の生活にどう活かしていくのかについて、デジタルポスターと45秒movieを活用しながら表現しました。
3グループの発表はそれぞれ大変素晴らしい出来栄えでした。私やこのプログラムを通して指導してくださったSierra先生は、皆の一生懸命な姿勢と成長に自然と涙が溢れてきました。見学してくださった現地の生徒、Islanderの方々からも、高校生とは思えない出来栄えだと大変賞賛してくださりました。私自身、とても誇らしい気持ちで一杯です。引率教員という立場で、日々成長していく生徒から大きなエネルギーをもらいました。このような経験をさせてもらえたことに、大変感謝しております。
その後Ala Moana City Centerに移動し、共に学んだ仲間と最後の夕食です。DirectorのKevin, そしてSierra先生からのスピーチがありました。「ここで学んだ知識や経験をぜひ広めてほしい。Actionを起こすことが大切である。一人でも始めよう。周りの人に広めていこう。皆には世の中を変えていく力がある。」といった、力強いメッセージを頂きました。その後、約2時間ほど夕食を楽しみました。
それぞれのホストファミリーに迎えにきてもらい、Sierra先生、現地の生徒達、そしてIslandersとお別れです。最初は少し緊張してたことが懐かしいほどに、皆の中は深まっていました。なかなか迎えの車に乗り込めない生徒、涙で別れる生徒もいました。このハワイ研修が実りのあるものだった証かもしれません。それぞれの別れを惜しみながら、車に乗り込み帰路につきました。今頃、この研修を振り返りながら、最後の夜を満喫していることでしょう。