〒532-0025 大阪市淀川区新北野2丁目5番13号
Tel: 06-6303-5661 Fax: 06-6303-3493
email z-kitano@sbox.osaka-c.ed.jp

図書館サポーターに聞け!!!!

第2号 2019年7月

ミステリーの世界へようこそ

『何者』  江戸川乱歩

この話は‘ある人’から伝え聞いたもので、‘ある人’を主人公として物語が進められています。ある人こと大学生の松村は、友人の甲田と、陸軍少将の息子である結城弘一の家に泊まりに行きました。そこで、結城は何者かに足を銃で撃ちぬかれたのです。独自に犯人を見つけ出そうとした松村は謎めいた人物‘赤井さん’に遭遇。さらに被害者である結城自身も推理を始めますが…。

この作品が執筆されたのは昭和四(1929)年なので、文章のところどころにあらわれる時代を感じさせる表現も楽しむことができます。ちなみに日本で指紋が犯罪の証拠として用いられるようになったのは1911年のことで、当時は手作業で解析を行っていたために、大量の指紋を照合するのはとても難しかったようです。さて、この作品の面白いところは事件が事件で終わらないところです。みなさんもこの本を最後まで読めば、きっと驚愕の表情を浮かべることでしょう。

『リバース』 湊かなえ

平凡なサラリーマンである深瀬和久は、自宅近くの喫茶店に通うことが唯一の楽しみだった。そして、同じく喫茶店の常連だった越智美穂子と出会うことで、彼の生活はより華やかなものになった。彼女のもとに「深瀬和久は人殺しだ」と書かれた告発文が届くまでは。

実はこの小説、最後の1行のお題を編集者から出されて、その結末に読者がどんな反応をするのかといったことを考えながら書いたそうです。

ドラマ化もされていたので、ストーリを知っている人も多いかと思いますが、原作にもまた違った良さがあるので深瀬に自分がなったようなつもりで一度読んでみてください。ラストには特大の「リバース」があります。

『十角館の殺人』 綾辻行人

現代推理小説の超有名作品の一つです。綾辻行人のデビュー作であり、登場人物の名前が覚えにくいところもありますが、ミステリー小説を読んだことがない人からミステリーが大好きな人まで万人が楽しめる内容となっています。

読み進めていくうちにどんどん引き込まれていき、衝撃の一行に驚くことでしょう。未解決事件の起きた孤島で起こるクローズドサークル。ミステリーの王道とも言えるこの作品をぜひこの機会に一読してみてはいかがでしょうか。

『そして誰もいなくなった』  アガサ・クリスティ

インディアン島。そのなぞめいた噂はしばしば新聞の社交欄をにぎわしている。それぞれに一面識もない、さまざまな職業、年齢、経歴を持つ10人の男女が、U・N・オーエンと名乗る未知の男からの招待状を手にインディアン島へ向かっていた。やがて一行は指定された大邸宅に着いたが、肝心の招待主は現れず、豪華な食卓がみんなを待っていた。不審に思いながらも全員が席に着いたとき、どこからか奇妙な歌が聞こえてきた。古い聞きなれた童謡だったが、なぜか不気味な響きだった・・・・。

交通の途絶した孤島に閉じ込められた10人の男女が、童謡どおりに殺されてゆく…。犯人は10人中の1人か、それとも目に見えない亡霊なのか?

『ミステリーの女王』アガサ・クリスティの代表作! あなたもアガサ・クリスティの描いた事件の真相をポアロと一緒に突き止めてみませんか? 裏にも、アガサ・クリスティのおすすめの本を紹介しています。どれも読みすすめるにつれてページをめくる手が止まらなくなる本ばかりです。

『何者』が気になった人におすすめの本

『二銭銅貨』 江戸川乱歩

とある電機工場の職工の給料日に現金5万円(現在の価値でおよそ1億2500万円)が盗まれるという事件が発生。犯人は身柄を確保されるも、5万円の行方は不明。生活に困窮していた男、松村は、友人がもらってきたつり銭の二銭銅貨を手がかりに、なんと事件で盗まれた5万円の在処をつきとめるが…

『人間椅子』 江戸川乱歩

ある裕福な家の有名婦人作家は、毎日届く大量の手紙の中に、一通の原稿用紙を封じた手紙をみつけます。“奥様”と文章が始まるそれによって、世にも奇怪な告白が繰り広げられます。果たしてこの告白は事実か、創作か?

『リバース』が気になった人におすすめの本

『マスカレード・ホテル』 東野圭吾

都内で起きた3つの殺人事件。警察は残された暗号から連続殺人事件として捜査をするが、容疑者もターゲットも不明。暗号から判明したのは、4つ目の犯行場所が一流ホテル・コルテシア東京ということのみ。刑事である新田浩介は、ホテルマンに化けて潜入捜査に就くことを命じられる。彼を教育するのは、女性フロントクラークの山岸尚美。2人は無事真相にたどり着けるのだろうか!?

『掟上今日子の乗車券』 西尾維新

探偵、掟上今日子。彼女の記憶は1日でリセットされる。その特性をいかし、彼女は「忘却探偵」として活動していた。そんな彼女が営業活動と称し、ボディーガードの親切守を引き連れて旅にでる。目的地もとくに決めていないという。果たしてどんな事件が待ち受けているのだろうか。

『水車館の殺人』が気になった人におすすめの本

『霧越邸殺人事件』 綾辻行人

吹雪の中、殺人の舞台にたどり着く。奇妙な住人、見たて殺人の謎など、ミステリーの王道的な要素がてんこ盛りな作品です。さらに綾辻行人さんならではの幻想的で奇妙な雰囲気の表現があります。

『どんどん橋落ちた』 綾辻行人

ミステリーの短編集のような作品。考えれば考えるほど正解から遠ざかっていく感覚を覚えてしまいます。ミステリー好きだからこそ作者の罠に引っ掛かってしまいます。
『証拠は出揃った。さて、犯人は誰でしょう?』

『そして誰もいなくなった』が気になった人におすすめの本

『オリエント急行の殺人』 アガサ・クリスティ

豪華列車オリエント急行には、国籍も身分も様々な乗客が乗り込んでいた。奇妙な雰囲気に包まれた車内で、ある老富豪が無残な刺殺体で発見される。偶然乗り合わせた名探偵ポアロが調査に乗り出すが、すべての乗客には完璧なアリバイが・・・。

『アクロイド殺し』アガサ・クリスティ

深夜の電話に駆けつけたジェパード医師が見たのは、村の名士アクロイド氏の変わり果てた姿。容疑者である氏の弟が行方をくらませ、事件は早くも迷宮入りの様相を見せ始めた。そこにポアロが現れ、事件は意外な展開に・・・。