2019年12月13日
保護者及び生徒の皆さまへ
大阪府立北野高等学校
師走をむかえ、なにかと気ぜわしい毎日となってまいりました。さて、以前お知らせ致しましたように、本校ではスクールカウンセラーとして臨床心理士の中筋裕子さんをお迎えして教育相談を実施しています。1月14日から3月24日までの教育相談実施日を下記の通りご案内いたします。
記
スクールカウンセラー来校日
※ 原則として1回の面談時間は、授業中は50分、昼休み・放課後は40分とします。
生徒相談室(本館1階)
(生徒相談室前の階段下左手に待合場所があります)
ア)保護者の方 事前に必ず電話で下記までお問い合わせ下さい。
TEL 06-6303-5661 大阪府立北野高校 保健室
イ)生 徒 (次のうちいずれかで)
令和元年も終わりに近づいてきました。皆さん、そろそろ次の学年のことを意識することも増えているのではないかと思います。新しい年になると、目標を考える人も多いでしょう。自分の課題はどんなことなのか、来年はどんなことを大切にしたいのか…色々と考える機会があるのも年末ならではだと思います。
今年度は、ストレスマネージメントや、コーピング、リフレーミングなど、ストレスの受け止め方や対処の仕方などを紹介してきました。最終回では、「課題の分離separation for tasks」という考え方についてご紹介したいと思います。ストレッサーの種類はたくさんあるかと思いますが、多くの人のストレスの元は対人関係にあることが多いとされています。しかし、心理学者のアルフレッド・アドラーによると、あらゆる対人関係の悩みは、「課題の分離」ができていないことから起こるのだそうです。
「課題の分離」とは何か。それは、自分の課題と他人の課題との間に線引きをし、きちんと見分けること。
「その課題について、最終的な結論を出すのは誰か?」
「その課題について、最終的な責任を負うのは誰か?」
これが線引きの基準になります。
例:友達に嫌われたくないから、行きたくないカラオケの誘いにも乗る。
「自分が断ったら、友達が自分を嫌うかもしれない」という不安があるわけですよね。
「あなたが断ることで、あなたを嫌うかどうか」という結論を出すのは誰でしょうか?
あなたですか? …友達ですよね。
友達は、あなたがカラオケの誘いを断ったら断られたことを恨んで嫌いになるかもしれません。残念に思うかもしれませんが、嫌いはしないかもしれません。はっきり意見を言えるあなたを尊敬するかもしれません。どう思うかは友達次第で、あなたには、コントロールできないことなのです。それが、「相手の課題」です。
相手の課題であること(コントロールできないこと)を基準にして決めるのではなく、純粋に、その友達とカラオケに行くかどうかを考える…それがあなたの課題です。
例:友達の恋が実るように、色々と相談に乗ってあげたのに、うまくいっても感謝してくれない。
「相談に乗ってもらって感謝する」ことによる結果(責任)を引き受けるのは誰でしょうか?
素直に感謝すれば、相手からも喜ばれ、さらにまた相談に乗ってもらいやすくなりますが、一つも感謝しないような人は、きっともう相談に乗ってもらえないでしょう。それが感謝しないことによる「結果」です。それを引き受けるのはその友達自身ですね。感謝するかどうかは「相手の課題」であなたにはコントロールできません。 でも、「感謝してほしい」という気持ちは自然なことで、その気持ちを抱くのはあなた自身の課題です。ただ、相手が感謝するかしないかは、自分がどうこうできることではないのだ、と割り切るのです。そうすると、相手への恨みや怒りの気持ちと距離を置くことができるのではないでしょうか。
「課題の分離」はなかなか奥が深く一口では語れませんので、気になる人は、ぜひ本も読んでみてください。
*参考文献:「嫌われる勇気」岸見一郎