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令和2年4月9日

保護者様
生徒の皆様

大阪府立北野高等学校

【新型コロナウイルス感染症、緊急事態宣言が発令されて】

スクールカウンセラー 中筋裕子さんより

初めまして。スクールカウンセラーの中筋裕子です。
2年生、3年生の皆様と保護者様は今年度もよろしくお願いいたします。

新型コロナウイルス感染拡大に伴い、非日常と言える日々が続いていますね。皆さんは今、どのような日々を送っていますか。

入試を突破して入学された新1年生、初めての先輩となる新2年生、本格的な受験勉強が始まる新3年生の皆さんの中には、思わぬ新年度の始まりに、気持ちの切り替えがきかない、いや、切り替えようにも切り替える方向がわからず、足踏み状態が続いているような人たちも多いのではないでしょうか。

少し長くなりますが、この間(臨時休校中)の過ごし方について、心の健康という視点からお話ししたいと思います。

心が健康であるためには、日々何が起こるかある程度見通しが持てていることや、今日も明日も自分は安全だ、とある程度信じられていることはとても大切です。でも今は、それが不確定ですよね。それは、私達にとっては紛れもないストレス状況です。個人差はあれ、あなたにとっても、お友達にとっても同様です。また、保護者の皆さんにとっても、先生方にとっても同様なのです。

例えば、こんな気持ちはありますか?

  • 「人と接する機会が減ったことによる無気力感、孤立感、抑うつ感がある」
  • 「したいことができずに焦る気持ち、苛立つ気持ちがある」
  • 「何だか落ち着かず、何をしてもあまり楽しめない」
  • 「自分が感染するのではないか、あるいは他人に感染させてしまうのではないかと不安」
  • 「感染症のために大切な人を失うのではないか…と思うと怖い」

そういった気持ちがあることは、今の状況では自然なことです。そして、全国の多くの人が感じている気持ちです。現に私自身も、感じています。まずはそんな気持ちが起こっていることを「正常な反応だ」と捉えましょう。「自分は弱い人間だ」「おかしくなっちゃった?」と思い込まないようにしてくださいね。「いつもの自分と違うな」と感じているだけで大丈夫です。(もちろん、そういう気持ちを感じない人がいることもまた事実ですし、それはそれでよいのです)

また、次のような気持ちはいかがでしょうか?

  • 「大したことないよ、みんな深刻に捉えすぎだ、と楽観的になる気持ち」
  • 「早くこんな状況から抜け出したい、誰のせいなんだ、と怒りたくなる気持ち」

そんな風に考える人がいると、周りの人はたしなめようとするかもしれません。でも、そういう風に考えたくなるのも、このような状況では心理的にはよくあることです。私たちは無意識に、自分に合ったやり方で危機状況から心を護ろうと、色々な感情を呼び起こすものなのです。

そういった様々な気持ちを抱くことは、ごく自然なことなのですが、その気持ちに流されてしまったり、強くとらわれてしまったりすると、徐々に心や体に変調が起こってしまいます。そうならないためにも、次のようなことに気を付けて日々を送ってほしいと思います。

  • ① 可能な限り、毎日の日課を決めて、健康な生活リズムをキープしましょう。ただし、無理の多いスケジュールをこなそうとするのはやめましょうね。
  • ② 日課には、運動やエクササイズなど、適度に体を動かすことを入れると、自律神経のバランスが整いやすく、心身ともにストレス解消になります。無理なく続くものを探しましょう 。
  • ③ 特に睡眠は大事です。ストレス回復と気力の維持のため、質の良い睡眠をしっかりとりましょう。ただし寝すぎには注意です。どうしても眠たい時は、寝坊よりも短い昼寝をした方がよいそうです。
  • リラックスできることを意識して探しましょう。スマホやタブレットを見ることは、脳や視神経に負荷がかかっており、気持ちは楽しくても心身ともにリラックスしているとは言えません。ゆっくり入浴することもよいですし、1日1回5分間、腹式呼吸をするだけでもずいぶん心身はリラックスできますよ。ゆったりとした音楽を流すのもよいですね。
  • ⑤ できるだけ正確な情報源を見つけ、情報と接する機会と手段は限定しましょう。(例:政府報道のニュースだけにする、新型コロナ関連の情報チェックは朝夕の2回にする、など)SNSを覗いてみると、心温まる投稿や有益な情報もありますが、非難の応酬もあれば、デマもあります。どの情報を選ぶか考える、よい機会かもしれませんね。
  • ⑥ 知り合いや家族とコミュニケーションを取るように心がけましょう。その際は、ネガティブな情報を広めたり、愚痴ばかり言い合うよりは、ポジティブなメッセージを伝えあう方が心の健康上は有益です。(例:面白かった動画を紹介する、同じ時間に勉強し合おうと誘う)
  • ⑦ 気持ちがしんどくなってきたら、早めに、信頼できる人に話せることが大切です。もし、身近に話しやすい人がいない時は、書き出すなどして、心の外に出すこともよいですね。専門家に聞いてもらうのも一つです。電話相談やメール相談、LINE相談などツールは色々ありますよ。

今の期間に、日常生活とあまりにかけ離れた生活を送ったり、無理をしすぎたりして、日常生活が再開した時にバランスを崩してしまうと辛いですよね。「最近無理をしているかも?」「いつもと違う気持ちになっているな」と、セルフチェックをしながら、生活できるとよいなと思います。

もし、学校が始まってからも、不安やストレスがなかなか癒えない…というようなことがあれば、いつでも相談室を訪れて下さいね。(もちろん、それ以外のどんなことでも)お待ちしています。

最後になりましたが、保護者の皆様も、不安や心配がつきない日々をお過ごしのことと思います。保護者の方は、ご自身の心配だけでなく、お子さんや家族、仕事の心配などものしかかるので、より一層ですよね。

このような状況では、必ずしも大人の方が強い、とは限りません。お子さんの不安をうまく受け止められないことや、無性にイライラしてしまうようなこともあるかもしれません。そういう気持ちもこのような状況では当たり前の反応です。自分や周りを責めて苦しくなることのないように…と思います。

不安の中身(例:子どもの生活が乱れてしまってどうしよう)を何とかしようと必死になるよりも、まずはお子さんと一緒にリラクゼーションの方法を試してみたり、軽い運動をしたり、家族で愚痴大会をしてみたり、どんな方法が、うちの家族に合うのか探ってみよう…といった気持ちで過ごすことも意識していただければと思います。上記の①~⑦はもちろん大人の方にも有効ですよ。

参考までに相談や話のできる窓口を掲載します。

すこやか教育相談(平日 9:30~5:30)
子ども:06-6607-7361
メール:sukoyaka@edu.osaka-c.ed.jp
保護者:06-6607-7362
メール:sawayaka@edu.osaka-c.ed.jp
こころの電話相談(平日 9:30~5:00)
06-6607-8814(大阪市・堺市以外の大阪府にお住まいの方)
06-6923-0936(大阪市にお住まいの方)
072-243-5500(堺市にお住まいの方)