閉校記念式典 式辞


大阪府立島本高等高校は、令和7年3月31日をもちまして、半世紀に渡る歴史に幕を下ろすこととなりました。私の今の気持ちを一言で表すとするならば、「ありがとう」のひところを申し上げたいです。 2年前、私がこの学校に始めて赴任した日、校門の奥で、桜が満開であったことに心を奪われました。同時に鶯もたくさん鳴いておりました。また、浦山は竹林で、風に煽られ、竹同士が触れて、カタカタと心地よい音が聞こえたのも印象的でした。島本高校は本当に自然豊かなところにあるのだなあと今でのその光景を鮮明に覚えております。  一学期が始まり、私にとって最初の行事が体育的行事でした。3学年から2学年に減少し、今まで行っていたことが困難な状況の中、生徒も教職員も工夫しながら、一丸となって取り組めたことは、校長として本当にうれしかったです。人数が少なかったにもかかわらず、体育館の外にいても応援や感性が聞こえてくるくらい盛り上がりを見せ、生徒とともに楽しいひと時をすごすことができました。そして、文化的行事でも、今まで行っていたことが困難な状況には変わりがありませんでした。しかし、演劇やダンスなど、生徒一人一人が一生懸命取り組んでいる練習姿を、校舎内を巡回していた時に見ることができました。本番当日も、本当に感動する発表で、学校行事としてこのような経験ができたことにうれしく思いました。本校では年2回校長が授業見学します。生徒は教科書やプリント、情報端末を使いながら、楽しそうに授業を受けているのが印象的でした。また、その時に生徒が私に声をかけてくれることもたくさんありました。私にとっては生徒から声をかけられることが何よりうれしいことでした。  2年目に入り、49期生とともに修学旅行に行きました。大阪空港に集合だったのですが、遅刻せずみんな来るかなあと心配しておりましたが、全員集合時間に集まることができ、すばらしいと思ったことを今でもよく覚えております。そして、奄美大島での修学旅行は、思い出に残る修学旅行でした。まず、奄美大島の竜郷町では、高校生の民泊を初めて受け入れていただきました。これも人数が少ないからこそできたことではないかと思っています。言い換えると島本高校だからできたことかもしれません。そして、奄美大島の伝統的な正月の儀式を生徒とともにできましたことは、本当に感動的でした。生徒にとりましても奄美大島の独特の文化に触れることができ、貴重な体験だったと思います。 最後に、令和6年11月2日に、閉校記念祭を開催いたしました。ご来場された方々は、懐かしい校舎で当時を思い出していたり、本校に展示されている部活動のトロフィーや賞状の前で足を止められたりと、多くの方が本校に思いをはせていただいたことを肌で感じることができました。大雨の中ではありましたが、本当に大勢の方にお越しいただき、閉会式の際は、参加者の前で感謝の意をお伝えすることができましたのは、この上ない喜びでありました。  卒業生の皆さん、環境が豊かで、授業はもとより、行事や体験など、島本高校でしか経験できなことを経験できたことを誇りに思ってください。そして、島本高校で得た経験、仲間、そして卒業式の式辞でいいました縁をこれからも大切にしていってほしいと思います。 豊かな自然を与えてくれてありがとう。卒業生の皆さん、2年間ともにこの学校で過ごせて、ありがとう。行事等、島本高校でしか味わえない体験を与えてくれてありがとう。そして、ご協力いただきましたすべての方にありがとう。 改めまして、創立から今日に至るまで、島本高校を温かく見守っていただき、本校の教育活動に物心ともに並々ならぬお力添えをいただきましたことに対しまして、関わっていただきましたすべての方々に衷心より敬意を表しますとともに、厚く御礼を申し上げて、閉校の挨拶といたします。  

令和7年3月6日
大阪府立島本高等学校
校長  竹田  賢司

最後の卒業式、閉校記念式典の様子 ↓↓↓  
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