村田校長

 ホームページを通じて、もっと吹田高校のことをみなさんに知っていただき、 またみなさんのご意見もお聞きするために、校長の目から見た吹田高校の姿や、私が日々感じていることを「校長だより」という形で掲載いたします。みなさんの感想もお待ちしています。

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平成23年10月21日      村田校長だより 第3号

〜学びと気づきにあふれた 第61期生 修学旅行を終えて〜


 10月4日(火)〜10月7日(金)にかけて、2年生とともに東北地方(宮城県・岩手県・秋田県)へ3泊4日の修学旅行に出かけてまいりました。そこで感じたことを少し書かせていただきます。

 本学年は「人間力の向上」を3年間の目標として学校生活を組み立てています。修学旅行につきましても「楽しい思い出づくり」とともに、人間関係づくりや多様な体験を重視し、秋田県・田沢湖芸術村(わらび座)での舞踊体験や周辺農家に分かれての農業体験・宿泊を核とした計画を進めてまいりました。

気仙沼  そのような中、3月に東日本大震災が発生し、同じように東北地方への修学旅行を予定していた多くの府立高校が行き先を変更する中、本校でも実施を危ぶむ声もありました。しかし、修学旅行の実施時期における地震や津波の危険性、さらには福島第一原子力発電所の事故に伴う人体への影響などについて、慎重のうえにも慎重なリサーチをしたうえで、生徒たちが感じ、学ぶことの大きさ、そして被災地の皆さんにほんの少しでも思いを届け、勇気づけることができればという願いから、計画を一部見直し、被災地のお邪魔にならない範囲で見聞をさせていただくプログラムを加え、予定通り東北方面への修学旅行の実施を決断いたしました。 
 保護者をはじめとする関係者の皆様の冷静な対応とご協力により、本修学旅行を実施させていただきましたことを、まず心よりお礼申しあげますとともに、大きな事故等もなく無事に修学旅行を終えられましたことを感謝したいと思います。

気仙沼の遊覧船上  さて、初日に訪れた宮城県・気仙沼市では、東日本大震災後はじめての修学旅行の受入れであったこともあり、気仙沼市の広報課の皆さんをはじめ地元の皆さんには、まさに暖かいおもてなしをしていただきました。テレビや新聞社の取材も受け、大阪でもニュースとして流されたようです。
 「3.11」から約7か月が経ち、地元の皆さんが復興に向けて努めて前向きに取り組んでおられる姿には頭がさがる思いでいっぱいでしたが、まだまだ震災の爪痕は大きく残っています。生徒たちも、被災地に近づくにつれ町の様相が大きく変わっていくという現実や、とりわけ港周辺には多くの瓦礫がうず高く積まれたままになっている状況を、五感を通じて直に感じるにつれて言葉も少なくなり、あらためて自然災害の脅威を感じ取っていたように思います。あわせて、理不尽にも耐えがたい悲しみを受けられた地元の皆さんが、それらを乗り越えて私たちを歓迎していただいたこと、東日本大震災が他人事や過去のことではなく、同じ日本で同じ時代に生きている者として決して忘れてはならないということ、そして内容は違っても誰にも訪れる様々な困難に対して、人と人が力を合わせていくことの大切さをしっかりと心に刻んでくれたと思っています。
 被災地の皆さんのご健勝と1日も早い復興を心よりお祈りいたしますとともに、生徒たちには、人が生きることの意味と、人々が生きるうえで大切なことについてあらためて考え、今後の自分自身の生きざまを考えていく貴重なきっかけとしてもらいたいと思います。

発表会  2日めには、わらび座においてミュージカルを鑑賞した後、そのミュージカルの出演者である劇団員の皆さんからクラス単位で直接「New・ソーラン節」を教えていただき、クラスごとに発表しました。
 はじめは照れもあってか、もじもじしていた生徒たちも、いつしかスタッフのパワーあふれる指導に飲み込まれるように積極的に取り組み、各クラスの発表では、それぞれのクラス独自のパフォーマンスも盛り込んだ「若さ」の漲った素晴らしい踊りを披露してくれました。私が吹高に赴任して以来、生徒たちが見せてくれた最高のパフォーマンスで、冷めた表現をすれば素人の即席の発表に過ぎないのですが、それでも感動すら覚えるほどでした。あの熱い思いは決して忘れてほしくないものです。

稲刈り  3日めは、ファーム・ステイです。各農家では地元の皆さん(生徒たちにとってはおじいちゃん・おばあちゃんの年代の方々が多かったようです)と、まさに自然豊かな田舎(?)ならではののんびりとした時間を過ごさせていただいたようです。ミョウガをとったり、大豆を選別したり、栗を拾ったり、鶏の卵を収穫したり、精米を体験したりなどなど、まさに「癒し」の時間をゆったりと過ごしていたようです。生徒たちの表情が大阪で見るよりもほんわりとしていて、友達同士の会話も深い内容にまで進んでいるような印象を受けました。

 最終日は、田沢湖・小岩井農場・中尊寺を見学しました。残念ながら先発のA団クラスは午前中の雨に悩まされたこともあり、中尊寺を見学する時間がなくなるというアクシデントもありましたが、生徒たちはそれぞれの興味・関心に合わせて、お土産を買ったり、小岩井農場ご自慢のソフトクリームなどの乳製品を食べたりして楽しんでくれいたように思います。

生徒と一緒に  長かったようで短かった第61期生 修学旅行。
 学校といたしましては、まさに学べることをふんだんに盛り込んだ最高の舞台を生徒たちに用意することができたと自負しています。(我田引水ですが、ご容赦ください)
 生徒たちも多くの場面でその思いに応えてくれました。
 もちろん小さな課題は散見されましたが、全体として大成功の修学旅行だったと喜んでいます。生徒諸君には、楽しい思い出をこれからの人生の糧とするとともに、修学旅行を通して得たであろう一つひとつの小さな「学び」を「気づき」に昇華させてもらうことを期待したいと思います。
 最後になりましたが、学校といたしましても、事後指導も含めてこれらの貴重な経験を今後の学校生活に最大限活かしていきたいと考えておりますので、保護者の皆様におかれましても、引き続き温かいご理解、ご協力をお願いいたします。


平成23年4月26日      村田校長だより 第2号

1学期・始業式 式辞


 おはようございます。
 4月1日から、後で紹介する新着任の先生方とともに、校長として着任した村田です。 はじめまして。そして、よろしくお願いします。

 さて、年度のはじまりにあたり、新しい校長はどんなことを考えているのか、自己紹介の 意味も込めて、最近感じていることを話したいと思います。  長く話すつもりはありませんので、集中して聞いてください。
 今日、皆さんに伝えたいことは、1つです。
 この春、皆さんにとって、最も考えさせられた出来事は何ですか?
 私にとっては、昨夜遅くにも大きな余震がありましたが、やはり、東北地方の大震災です。 M9という、過去に例を見ない規模の地震であり、それによって引き起こされた津波によ り、亡くなられた方や、今なお行方不明になっておられる方のあまりの多さ、そして、原 子力発電所からの放射性物質の流出など、心を痛めることはたくさんありますが、今日は、 あえて、そこから見えてきた「人間」に焦点を絞って、私が感じていることを伝えたいと 思います。

 それは、人間の中には、誰にでも2つの「顔」があるのではないかということです。
 1つは、さまざまな報道でも日本人の特性として称賛されているように、「人の痛みがわか って、理性的に行動することができる」という面です。
 具体的には、最愛の家族や住み慣れた家をなくすといった大きな悲しみの中でも、決して パニックに陥ることなく、逆に周りの人を思いやり、力を合わせて困難に立ち向かってい くことができる、優しさや強さです。

 一方で、あまり大きくは報道されていませんが、負の面としては、義捐金を装った心ない 詐欺や、あまり深く考えることなく、チェーンメールでデマを流してしまったり、一部の コンビニでは、やはり略奪があること。
 さらには、悪気はないのかもしれませんが、これも根拠の薄い、いわゆる風評被害を広げ たり、放射能の影響を恐れるあまり、被災地から避難してきた人の宿泊を断るホテルなど も出てきています。

 もしかすると、あるときには街角で募金箱に進んで寄付をしている同じ人が、他のときに は人の善意につけこんで、平然と詐欺をしているのかもしれない。
 一人の人間の中には、誰にも大なり小なり両方の面がある。それが人間の本質なのかもし れないとも思います。  皆さんにも心あたりはないでしょうか? 自分でも「好きだ」と思える自分と、自分の中でこの部分はどうしても好きになれない。 できれば、隠しておきたい自分。  どちらも自分の中にあると感じることはないでしょうか。

 そう考えると、自分が好きになれる自分を少しずつ増やしていくこと、それがいわゆる人 としての成長といえるのではないかと思ったりもします。

新入生との対面式  今日、4月8日は、普通なら我が国の学校では、ほとんどのところで新しい年度がスター トする日ですが、ある新聞によると、今回の震災によって、東北地方では少なくとも155 以上の学校が、新学期を自分たちの学校でスタートすることができないそうです。

 幸いにして、私たちは母校・吹田高校で、このように新学期を迎えることができました。
 「今、一人ひとりができること」。 一人の高校生として何ができるのか。  募金やボランティア活動などもありますが、学校生活を精一杯送ることが一つの答えでは ないかと思います。

 3年生の皆さん。皆さんにとって、この1年は、まさに仕上げの年です。
 進学するにしても、就職するにしても、決して平たんな道ではありません。 1年後に後悔を残さないように、自分のできる最大限のパフォーマンスを期待します。

 2年生の皆さん。高校2年生は「中だるみ」の時期だと言われます。
 私自身の経験からも、確かにそういう面があると思います。 常に全力を尽くし続けることはなかなか難しいかもしれませんが、逆に、ゆとりを持って 将来の夢や目標を探すには最適の時期だと思います。

 また、ここにいる全員にお願いします。
 今日、午後には、これから始まる高校生活に期待と不安を持った新入生が入学してきます。 言わずもがなですが、よき先輩、頼もしい先輩として、温かく迎えてあげてください。

 最後に、今年も吹高の教職員は、自分の夢の実現に向けて頑張る皆さんを、全力を挙げて 支援していくことを約束します。
 そして、皆さんには、あらためて日々の学校生活に真摯に取り組むことを期待して、年度 当初の私からの挨拶とします。

入学式 式辞


入学式 降りはじめた雨にも負けず桜の花が咲き誇る、新しい門出にふさわしい今日の 佳き日に、新入生ならびに保護者の皆様をお迎えし、入学式を挙行できますこ とは、私たち教職員一同にとりまして大きな慶びです。
 ただいま入学を許可されました新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。 皆さんの入学を心から祝福し、歓迎いたします。

 保護者の皆様、お子様のご入学、誠におめでとうございます。
 また、公私とも何かとご多忙な折、本日の入学式にご臨席賜りました、大阪府 教育委員会ご代表 大久保宣明様、大阪府議会議員 上の和明様、PTA、後 援会、本校の同窓会であります鳳志会の皆様方にも、高いところからではござ いますが、厚く御礼申しあげます。

 さて、新入生の皆さん。皆さんは、これまでそれぞれ異なった環境で、さまざまな経験をし、一人ひとり多様な感性や考え方を身につけてこられたと思います。 外見的な風貌も、得意なことや不得意なこと、感情の表し方など、みんな少しずつ異なっていると思います。そういう意味では、今ここには、ただ個人が集まっているという状態でしょう。

 しかし、今日から皆さんは、吹田高校(吹高)という一つの船に乗り込み、高 校生という最も多感な時期を、そして長い人生の方向性をある程度決めていく 航海に、一緒に船出をすることになります。
 一人ひとりが、ある時は船長、ある時には航海士、またある時には機関士にと、 様々な役割を分かちあいながら、美しい光景を見てともに感動したり、また、 力を合わせて嵐にも耐えながら、それぞれの3年後の目的地まで一緒に進んで いくのです。

 本校は、昭和25年(1950年)、地元の熱い願いのもと、当時の新制高等学校 の第一番めの高校として創設され、以来、2万2千人を超える卒業生を世に送 り出すなど確かな歴史を刻み、昨年60周年を迎えました。
 60年といえば、人間なら「還暦」という一つの大きな区切りの年で、61年 めとなる今年は新たな出発の年となります。
 このような記念すべき年に入学された第62期生の皆さんには、これまでの輝 かしい伝統のうえに新たな歴史の1ページを開く役割を担ってもらえるものと 教職員一同、大きな期待を寄せています。

 皆さんも、そのことをあらためて自覚し、同時に誇りを持って、これから3年間の学校生活を過ごしてもらいたいと思います。

新入生代表から宣誓を受け取る校長 そのために、今日、晴れて吹高生となった皆さんに、私から2つのことを伝え たいと思います。
 1つは、小さなことでいいから、自分ができることを続けること、継続するこ との大切さです。

 式に先立ち、黙とうを捧げました。
 16年前。 皆さんはまだ生まれていなかったと思いますが、兵庫県を震源とする阪神・淡 路大震災があり、今回の震災と同じように多くの命や財産が失われました。
 その時、私たちは、社会を支える何よりも強固なものは人と人とのつながりで あることを心に刻みました。 「人を助けられるのは人しかない」というフレーズを、私は忘れることができ ません。

 災害直後は、わかりやすいメッセージや、直接、命をつなぐ支援を届けること が重要ですが、人々の体と心をすっかり癒すためには、一人ひとりが「できる ことを、できる形で」継続的に積み重ねていくことが大切です。

 今回の東北地方の被災地の復興にも、長い時間と継続的な支援が必要でしょう。 その際、一律の支援からはもれ落ちてしまいがちな、しかし、それぞれの人に とってはとても大切なことがあります。 例えば、アレルギーを持つ乳幼児に適したミルクを届けたり、震災のショック を引きずりがちな子どもたちに、きめ細かなケアを続けることなどです。 このような部分にこそ、それぞれの個性を活かしてできる小さな、しかし大切 なことがあると思います。
 これは普段の生活でも同じです。 あなたの果たせる役割を、心から待っている人が必ずいます。 そのことに気づけるのは、あなたしかいないかもしれません。 一人ひとりが自分にできることを考える意味は、ここにあると思います。

 これから始まる学校生活においても、あなたにできる小さなことを探して、た ゆまなく誠実に努力し、他人にも心を配ることができる吹高生に成長していく ことを期待しています。

 もう一つは「受援力」という言葉であり、考え方です。
 「支援を受ける力」という意味で、近年、とりわけ防災に関わって大切な要素として取りあげられてきたのですが、活用される分野は広がりつつあります。

 人は誰しも、追い風を受けて順風満帆な人生だけを過ごせるわけではありませ ん。必ず、しんどい時や逃げ出したくなる時があります。 その時は、一人で問題を抱え込まず、素直に支援を受ければいい。 「受援力」とは、そんな時、うまく支援を受け取ることができる力のことです。 いつか、あなたが誰かの支えになれるときに、ためらわず、お返しをすればい いのです。

 本当はうれしいのに、ついついツッパってしまったり、自分の望む言葉や対応 だけを一方的に期待してしまうことで、だれかの優しさや支援をうまく受け取 れなかった経験はないでしょうか。

 この受援力を高めるには、心を開き、柔軟に、そして多面的に物事を見ること 大切であり、そのためには一定の知識としなやかな心が必要になります。 物事の本質を見抜くために必要な知識としなやかな心、この2つを吹田高校在 学中にしっかりと学び、身につけてください。
 私たち教職員は全力を挙げて、その支援に取り組んでいきますので、安心して のびやかに学校生活に打ち込んでもらいたいと思います。

 最後になりましたが、保護者の皆様方にはあらためてお子様方のご入学を心よ りお祝い申しあげます。
 吹田高校では、教職員一同、お預かりした大切なお子様方の人としての成長を 支援したいと心から望んでおります。 そして、その実現のためには、保護者の皆様と学校がお互いを理解し、信頼関 係を構築することが不可欠だと考えております。
 本校の教育方針にご理解を賜り、積極的な応援とご協力をいただきますととも に、何かお気づきの点やご意見・ご要望などがございましたら、担任はもとよ り担当教職員まで、お気軽にご相談いただければ幸いです。

 また、本日、ご多用中にも関わりませずご臨席を賜りましたご来賓の皆様にお かれましては、本校が地域の教育機関として、その社会的責任を全うし、今後 ますますの発展充実が叶いますよう、一層のご指導、ご支援をお願い申しあげ、 入学式の式辞といたします。

  平成23年4月8日
大阪府立吹田高等学校 校長 村田 徹


平成23年4月15日      村田校長だより 第1号

着任のご挨拶


 皆さま、はじめまして。
 この度、4月1日付けで、畑中前校長の後任として、校長を拝命いたしました村田です。着任にあたり、簡単な自己紹介とお願いをさせていただきます。

 私は、教諭として15年間府立高校に勤めた後、昨年度まで、府教育委員会事務局におきまして、主に社会教育に関わってまいりました。
 ご承知のとおり、教育は、学校教育と社会教育が両輪と言われており、極めて大雑把に申しあげますと、学校教育以外のすべての教育が社会教育ということになります。
 学校教育・社会教育の双方を経験させていただく中で、私は、教育の基盤となるものは、何よりも人と人との「つながり」の大切さ、ありがたさだと感じています。

玄関前のしだれ桜  昨年は、本校にとって創立60周年という記念すべき年でした。
 人間に例えれば、いわゆる還暦であり、今年度は新たなスタートの年となります。
 伝統に加えて、常に未来をめざす進取の気性を併せ持つ本校において、教職員間はもとより、本高に関わりをお持ちいただくすべての皆さまとのつながりを、さらに深く、豊かにすることで、引き続き、社会の期待・要請に応えることができる吹高生を育んでいきたいと考えております。

 微力ではございますが、誠心誠意取り組ませていただきますので、今後とも、皆さまのあたたかいご支援、ご協力をお願いいたします。


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