第67回入学式

 本日、午後1時30分より、第67回入学式を挙行いたしました。以下に、入学式の式辞(概要)をご紹介します。

 桜舞い、草木の新芽(しんめ)が色鮮やかに照り映える今日の佳(よ)き日に、新入生及び保護者の皆さま方をお迎えし、第67回入学式を挙行できますことは、教職員一同大きな慶びです。保護者の皆さま方におかれましては、今日までご苦労を重ね、慈しんでこられましたお子様のご入学を心よりお祝い申しあげます。

 ただ今入学を許可しました240人の皆さん、入学おめでとう。いよいよ本日から、東淀川高校第67期生としての高校生活が始まります。高校生になるということは、ある意味では、大人の階段を一段あがるということです。そのような門出の日だからこそ、皆さんにしっかりと理解してもらいたいことがあります。皆さんは合格発表以来、多くの方から「おめでとう」と声を掛けられ、嬉しかったことと思います。ただ、この喜びは皆さんの努力の賜(たまもの)であると同時に、保護者の方やご家族の方、小中学校の先生方など、多くの方々の深い愛情と支えがあったことを決して忘れないでください。

 本校は平成29(2017)年度より、普通科専門コース設置校になるとともに、日本語指導が必要な生徒選抜と一般選抜を実施する学校になっています。今年度、日本語指導が必要な生徒選抜により16人の生徒が入学しています。本校においては日本語指導が必要な生徒選抜で入学した生徒と一般選抜で入学した生徒が、互いに違いを認め合い、誰もが安全で安心な学校生活を送れるよう、生徒一人ひとりに寄り添った教育を進めてまいります。

 皆さんの入学にあたって、京都精華大学の学長である、ウスビ・サコさんのことをご紹介します。サコさんは、1966年にアフリカのマリ共和国で生まれました。マリ共和国は1960年にフランスから独立した比較的若い国です。国土の約3分の2はサハラ砂漠、残りはサバンナ(熱帯草原)の国です。 サコさんは、マリ共和国で高校までの教育を受けた後、留学により中国の大学で学びます。1991年に大阪に来られ、大学院で学んだ後、2001年から大学教員として京都精華大学に勤務されます。2018(平成30)年4月、京都精華大学の学長に就任されます。サコさんは、著書の中で、ご自身の経験を踏まえながら、今の日本について、次のように述べておられます。

 すでに今も、様々な国の人たちが日本に住み始め、そして働いています。

 これまで全く縁のなかった国で生まれ育った人たちと、共に暮らしていく「多様性」の社会になり始  

 めているのです。

 そうした中で、多様な文化、考え方を持つことが、必須になっていくことでしょう。

 ポイントになるのは、「個」であり、個と個がいかにして違いを認めて、共生していくかが問われて

 います。

 皆さんは改めて、東淀川高校での高校生活について考えてください。異なる中学校、異なる家庭環境、さまざまな文化的背景のもとで育ってきた皆さんが、東淀川高校に入学してきます。また、皆さんが高校を卒業した後、生きていく社会は、自分と異なる考え方を持つ人と出会ったり、異なる文化と出会う社会でもあります。

 皆さんは、高校生活において、自身の力を高めること、また、違いを認めて互いに協力することに積極的に取り組んでください。そのために学習や学校行事、部活動などに積極的に参加することにより、自らを向上させてください。特に行事や部活動などにおいて人と繋がったり、心を通わせる体験を数多く積み、自分が自分らしく生きるための力をしっかり身に付けてください。また、互いに喜びや悲しみを分かち合える友人、一生の宝になる友を是非つくってください。友人と支え合うことを通して、人の気持ちがわかる、人の役に立てる、人の意欲を引き出せる、そのような人になるよう努力してください。

そのうえで、何か困ったことがあれば、いつでも先生方に相談してください。東淀川高校には、生徒一人ひとりのありのままの姿を受け入れ、成長に導く先生方が沢山います。教職員一同、全ての生徒が安心して学校生活が送れるよう、一人ひとりに寄り添いながら、「入ってよかった。行かせてよかった。」といわれる学校づくりに邁進してまいります。何卒、ご理解とご支援をお願い申しあげ、式辞といたします。