第3回 学校運営協議会報告

令和4年度 大阪府立箕面支援学校 第3回「学校運営協議会」報告書

日 時

令和5年1月27日(金) 10:00~11:30(本校校長室にて)

出席者

協議会委員

職名等

学校事務局

校務分掌等

山本 智子

皇學館大学 教育学部

准教授

杉本 幸一

校長

阿久根 賢一

社会福祉法人 福祥福祉会 理事長

吉田 純一

教頭

千馬 外代美

本校後援会 会長

稲野 早苗

教頭

髙田 浩行

宝塚市社会福祉協議会

総合相談支援課長 兼 障害者自立生活支援センター長

切通 圭介

事務長

林 佳子

本校保護者(PTA会長)

藤嶋 耕治

首席(小学部付)

土井 嘉子

吹田市立こども発達支援センター わかたけ園 園長

宮脇 敦子

首席(中学部付)

李 容司

首席

養護教諭

長峰 祐介

小学部主事

米良 知之

中学部主事

北村 直樹

首席(高等部付)・高等部主事・事務局長

おもな

テーマ

「令和4年度 学校教育自己診断・学校経営計画評価について」

1.「一人ひとりの教育的ニーズを踏まえた教育活動の推進」

2.「支援教育に関する高い専門性と授業力の向上」

3.「保護者や地域に信頼される開かれた学校づくり」

4.「安全で安心な学校づくり」

協議内容

の概略

1.学校長挨拶

2.令和4年度 学校教育自己診断について

3.令和4年度 学校経営計画評価について(案)

4.令和5年度 学校経営計画について(案)

5.学校長挨拶

  (11:00 中学部Bグループによる「どこでもカフェプロジェクト」珈琲サービス)

協議内容

質疑応答

提言等

【開会、校長挨拶】

今年度最後の学校運営協議会となっております。先日は、箕面市でも雪の影響で通学バスの運行が難しく休校措置をとりました。本日は、今年度の総括として、学校教育自己診断を中心にご提言をいただければと思います。よろしくお願いいたします。

【令和4年度 学校教育自己診断について】

<事務局A>

令和4年度学校教育自己診断票の中の「令和5年2月職員会議資料」⇒「第3回学校運営協議会資料」へ訂正。

 保護者の回答率は77パーセント、教職員は100パーセント。内容に大きな変更点はなし。

 分析は「否定的回答」15パーセント以上、「わからない」10パーセント以上を中心に行っている。

〔保護者〕

2 子どもは、授業がわかりやすく楽しいと感じている。

⇒「わからない」11パーセントについて

回答には「子どもの意思確認ができないため」が大半を占めている。質問の仕方にも工夫が必要かと考えられる。

今回77パーセントの回答だったのはマチコミメールなどを使用して周知したことが要因と考えられる。

 肯定的回答95パーセントも割合も6割以上となっている。

〔教職員〕

1、3、13は否定的回答の割合が多かった。学校経営計画、教育計画の取り組みについてなど教員の目に触れる機会が少ないためかと考えられる。目に触れる機会を増やし、周知ができるような改善を図っていきたいと考えている。

その他には、朝の連絡会は連絡掲示板を活用したり、やペーパーレス化も浸透をしたりしているため、今後、積極的な業務改善を行っていく。

〔保護者〕〔教職員〕

 いじめに関する事項は肯定的回答が増えてきていることが特徴である。保護者にはアンケート内容を変更したり、教職員にはいじめに関する研修会を行ったりしたことが要因と考えられる。

【令和4年度 学校教育自己診断についての質問】

<委員A>

〔保護者〕2の質問内容は各校で決められたものなのか。

<事務局A>

項目は決まっているが聞き方は各校さまざまである。

<委員A>

参観日を活用してはいかがだろうか。

<委員B>

基本的にはいつでも見学ができるので、迎えの時に少し様子を見たり授業を覗いてみたりすることができる。参観週間にこだわらず見学はすることができている。

あとは連絡帳の記載で情報を得ている。

<委員C>

 分かりにくい質問もあるのかもしれないので、質問内容を工夫することは大切である。肯定的回答は信用信頼の部分であり、大半はそうであると思える。

<委員D>

 学校ではZOOMなどを使用しているのか。

<事務局A>

訪問籍の児童生徒が学校で行っている授業とつながる時には使用することがある。

<事務局B>

 懇談で希望されるご家庭と実施したこともある。

<委員D>

事業所で見学ができない時に中での様子を参観として映していたことがある。そのようにすることで、保護者の方も安心するのではないか。

<事務局C>

参観週間を設定したり、基本的にはいつでも見学に来ていただけるような環境を設定したりして、都合の良い時間に来校していただけるようにしている。

<委員C>

 小学部、中学部、高等部で何か違う傾向はあるのか。

<事務局A>

 学部ごとで大きく差はなかった。

<委員B>

 自分の子どももそうであるが、高校生になったら参観などには来ないでほしいと言っている。本校でも、同じような生徒はある一定数はいると思う。保護者の中にはそのような理由で参観には来ない方もおられると思う。

<委員A>

 全体的には肯定的な意見が大半である。今後も取り組みを続けていただきたい。

【令和4年度 学校経営計画評価について(案)】

<事務局C>

*自己評価の欄を中心に説明

1(1)キャリア教育に関する肯定的評価

82パーセント以上としており、保護者は達成できたが、教員は未達成のため評価は「〇」としている。

2(2)地域小中学校等での研修講師派遣

 5回を目標としていたが18回実施したので評価は「◎」としている。研修以外にケース相談に関しては90件ほど依頼があり、地域の学校への支援には力を入れることができた。

 (3)組織運営に関する評価

 78,5パーセント以上を目標としていたが、75,4パーセントだったため、評価としては「△」としている。学校運営をする際には効率的な運営ができるのではないかと考えられる。

 また、ストレスチェックでは総合健康リスクの数値が全国平均100の中、昨年度は102であった。それを下回ることが目標としていたが今年度も102との結果であったため評価としては「△」としている。肢体不自由校であるため、身体的なストレスが突出しており、働き方改革に関する支援・検討が必要である。

3(1)情報発信の充実をめざす

 ブログ更新回数122回へ訂正。ホームページに関する肯定的評価の目標が94パーセント以上であったが教員87パーセント、保護者91パーセントのため評価としては「△」としている。

 (3)校内支援の充実のための取り組みを進める

 保護者・事業所からの相談件数は0件であった。本校として案内はしていたが、小学校、中学校を通じての申し込みが中心となったためと考えられる。

4(1)人権啓発活動・教育の推進を継続する

 人権活動、人権意識に関する肯定的評価が昨年度94パーセントから97パーセントになった。人権の研修を行った結果と考えられる。

 (2)大規模災害・感染症対策への対応のための安全対策・安全教育を充実する

 防災対策に関する肯定的評価の目標が97パーセント以上であったが、教員92パーセント、保護者95パーセントであった。もともと目標設定値が高くしていたため、評価としては「△」となる。

 (3)高度な医療を必要とする児童生徒を含め、医療的ケアを必要とする児童生徒安全な医療的ケアの実施を推進する

 医療的ケアに対する肯定的評価が98パーセントを目標としていたが、教員94パーセント、保護者95パーセントであったため、評価としては「△」としている。(2)

<委員A>

医療的ケアに対する肯定的評価97.5パーセントの時に何か取り組みがあり、それを維持しているにも関わらず、その取り組みの印象が強かったため、現在の評価となったなどの解釈はないのであろうか。

<事務局D>

 97.5パーセントの時に何か取り組みがあったというわけではない。児童生徒の医療的ケアの内容や件数の増加に伴い、教員の負担感が増えたのかもしれない。今回だけでは判断できないので、これ以上肯定的評価が下がるのであれば、何か対策を講じなければならないと思っている。

<委員A>

元々、98パーセント以上という目標値が高すぎるのではないか。少し下げてみてもよいのではないか。

<委員D>

学校教育自己診断を見ると否定的評価が増えてきている。わからないは減ってきている。否定的評価には記述欄が設けられているのか。

<事務局A>

 「A・B・C」の3段階評価である。否定的評価には記述欄は特に設けてはいない。わからないには記述欄を設けている。

<事務局C>

 医療的ケアに関しては、学校で実施できることは決まっている。ただ、保護者としてはもう少し実施してほしいなどの実際にある。その部分で満足できないことはあると思う。

<委員D>

学校と保護者との話し合いの中で解決できる部分もあるのではないか。

<委員A>

学校で実施できる医療的ケアは限られている。今後、多様化、重度化することを考えると、すべてのニーズに答えられない部分は出てくる。そのためにも目標値は下げておいたほうが良いのではないか。

<委員B>

 医療的ケアに関して、保護者より教職員の否定的評価が増えていることから負担が増えているのではないかと心配になる。

<委員A>

 評価的には高い評価が出ているにもかかわらず、目標値が達成できていないことに対してご意見をいただきたい。

<委員C>

回答者が固定されている場合は、0.1パーセントでも肯定的評価を上げることが目標でもよいかと思うが、回答者が変わることで、数値の精度は下がってくる。問題を追及するにも限界がある。アンケート内容にも問題があるのではないだろうか。

<委員A>

 児童生徒の実態の変化と教職員の異動は必ずあるので、毎年評価の波は出てくる。

<委員E>

 「できた」ことが当たり前になるとそれが「普通」になる。「普通」からさらに上げるにはとても抽象的になってくる。自宅でできる事と学校や施設やヘルパーができることは制度上、違いがあるため、評価となると個人差が出てくると思う。

<委員D>

 アンケート内容は以前と変わっていないのであれば、安全に実施できており、学校としてはクリアしているものと考えられる。評価結果が教員の負担となってはいけない。達成はできていないが、児童生徒のために頑張っていることを認めてあげてほしい。評価も大切ではあるが、児童生徒のためにどのようなことをしていけば良いのかを見てもらいたい。

<委員A>

 以上で、学校運営協議会として令和4年度学校経営計画評価(案)は承認する。

【令和5年度 学校経営計画について(案)】

<事務局C>

*今年度との変更点について

 中期的目標

1(1)取組計画 イ キャリア教育を教育課程の中に位置づけていくために「教育課程と連動させ」と文言を変更させている。

 2(2)評価指標 イ 「ICT」を追加。

          カ スヌーズレン(みのパックを含む)を活用した授業の充実を追加。

 3(3)取組計画 ウ 長時間労働の改善以外にも楽しく仕事ができ、気軽に仲間に相談ができるような職場をめざしていく。

            (否定的評価⇒15パーセント以下へ)

     評価指標 ア 地域関係機関との協働に関する内容に変更。

          イ 外部人材の心理士等の専門職の活用に関する内容に変更。

<委員A>

 目標値の設定変更はできないのか。例えば、4(3)の医療的ケアに関する肯定的評価96パーセント以上は高い目標値である。達成できなかった時、日頃から頑張っている教員の方々の評価が下がるのは学校運営協議会としてはいかがなものかと思う。医療的ケアはかなり高度なことを実施されている。目標値の変更も今後検討をしていただければと思う。

<委員E>

医療的ケアの項目は全員が評価しているのか。

<事務局A>

 実施者のみの評価となっている。

<委員C>

 アンケート内容を、例えば「適切に医療的ケアが行われている」などの方が保護者としては評価しやすいのではないか。答える立場から考えると評価しやすい内容になるのかもしれない。

<委員F>

 来年度も箕面支援学校に入学されるが、一人ひとりに思いがあり、いかに情報共有ができているのかが問われる部分かと思う。日頃から児童生徒の変化のキャッチの仕方が医療的ケアを中心で行っている看護師だけでなく、教員も必要となる。情報共有がしっかりとできていないと、保護者も不安になるので、横のつながりを大切にサポートができる体制を取ってもらえたらと思う。

<委員A>

 アンケート結果を受けて、保護者と向きあっていくことを教員と共有することで、次年度以降、アンケートに反映されるのではないだろうか。

<委員C>

 無記名であり難しい部分もあるかとは思うが、否定的評価の方々の不安を取り除くために、向き合っていくことも考えてもらえたらと思う。

<委員A>

 学校運営協議会に入っている教員が、ファシリテーターとして他の教員にアンケートの視点などわかりやすい説明をしてもよいのではないか。検討をしていただければと思う。

<委員C>

 できれば「なぜそのように思うのか」の自由記述欄があるとよい。肯定的評価をした時にも何がよかったのかを記入してもらえると、励みになり、さらなる発展があるのかと思う。否定的評価でも具体的に記入されると、改善を図っていける。

<委員A>

 意識をより高く持ち、教育の結果に反映ができるようにしていただければと思う。

 以上で、学校運営協議会として、令和5年度 学校経営計画について(案)を承認する。

【年間を通しての感想】

<委員B>

先生方のストレスチェックの数値が気になる。体の負担を軽減できるために他校で活用例のある「マッスルスーツ」などをレンタルしてみるなど、学校でも導入できればと考えている。

<事務局C>

 ストレスチェックの中で高かった項目は「仕事の量的な負担(身体的負担も含む)」、「仕事のコントロール度」であった。この部分は課題となる。「上司・同僚のサポート」は平均より良好であった。

<委員D>

 放課後等デイサービスなど事故発生件数が増加している。以前よりもサービス内容が増えていることが要因と考えられる。学校・デイサービス・家庭との情報共有・連携は今後も必要になってくる。

<委員F>

 来年度はわかたけ園から4名が入学予定となっている。どの保護者も新しい環境下で不安な思いをされている。少しずつ関係を作っていき、安心して通学をしてもらいたい。また、卒園生の保護者がわかたけ園でお話をしていただく機会を持っており、つながりを作っている。学校と園ともつながりを持って取り組めたらと思っている。

<委員E>

 計画を立て、運用するには、役割分担が大切である。それが明確であれば補える力が付く。先生方の連携も多岐にわたっているが、そこで疲弊しないようにメンタルヘルスなどを活用してもらいたい。

<委員C>

 学校として大変良い取り組みをされていると感じている。ただ、アンケート結果は大きな課題である。今までどおり一人ひとりを大切にし、改善を図ってもらえたらと思う。

<委員A>

 改めて個々の障がい特性の理解をし、捉え直すことによって、保護者の思いに迫れるものが見つけられるのかもしれない。良い取り組みはしているので、見落としていることがないのか再確認をしていただければと思う。

【校長挨拶】

 今年度も毎回、様々な立場から貴重なご意見をいただきありがとうございました。今後のともご意見、ご助言の程よろしくお願いいたします。

閉会