令和5年度 第3回 学校運営協議会報告

 日 時

令和 6年1月 26日(火)10 :00 ~11:30 (本校 校長室 校長室 にて)

出席者

協議会委員 職名等 学校事務局 校務分掌等
山本 智子 皇學館大学 教育学部 杉本 幸一 校長
准教授
髙田 浩行 社会福祉法人 川西市社会福祉協議会事務局 次長 稲野 早苗 教頭
加藤 純子 吹田市立こども発達支援センター わかたけ園 園長 吉村 晋治 教頭
林 佳子 本校保護者(PTA会長) 切通 圭介 事務長
    藤嶋 耕治 首席(小学部付)
    宮脇 敦子 首席(中学部付)
    李 容司 首席
養護教諭
    長峰 祐介 小学部主事
    米良 知之 中学部主事
    北村 直樹 首席(高等部付)・高等部主事
事務局長
欠席者 阿久根 賢一 社会福祉法人 福祥祉会
理事長
   
千馬 外代美 本校後援会 会長    

おもな
テーマ

「令和5年度 学校教育自己診断・学校経営計画評価について」

協議内容
の概略

1.学校長挨拶
2.令和5年度 学校教育自己診断について
3.令和5年度 学校経営計画評価について(案)
4.令和6年度 学校経営計画について(案)
5.学校長挨拶
(11:20 中学部Bグループによる「どこでもカフェ」)
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協議内容
質疑応答

提言等

【開会、校長挨拶】
今年度最後の学校運営協議会ではございますが、地震の影響で新年のあいさつの言葉も言いにくい状況になっています。石川県中心に被害が大きいと聞いておりますが、石川県立七尾特別支援学校においては、道路の陥没や校舎の損傷などが大きいと聞いております。
自校のホームページにも被害の状況が掲載されており、本校は再開をしているが、分校はまだ再開ができない状況とのことです。現在、全国の特別支援学校から直接、義援金を贈ろうという動きがあり、全国のPTAから義援金を募っているところであります。災害はいつ起こるかわからないので、本校でも対応についても重点的に取り組みたいと思っています。

本日は年間のまとめとなりますので、忌憚のないご意見をよろしくお願いします。

【学校教育自己診断について】(否定的回答15%以上、わからない回答10%以上を中心に分析)

〈北村首席〉
〇令和5年11月24日~12月8日まで保護者、教職員で学校教育自己診断を実施。         回答率は保護者が80%以上となったが、教職員は98%であった。

〔保護者〕
全体的に肯定的な回答は増えており、コロナ禍で制限をしていた様々な活動が少しずつ緩和されたことが評価に反映されていると考えられる。         
No.2「子どもは、授業がわかりやすく楽しいと感じている」(わからない回答:10.1%)
⇒『子どもの意思確認が難しい。』が大半を占めている。来年度以降は保護者の見解も                           入れられるような項目に変更を検討する必要があるかもしれない。

No.4「学校は子どもが困っていること(いじめ等)があればすぐに相談ができる等、体制が整っている」(わからない回答:12.8%)
⇒一昨年に「すぐに相談ができる等」と項目内容を変更したが、『本人がしゃべられないので』、『いじめがあるかどうかわからないため。』、『話せない子の相談をどう受けるかわからない』などが多くあった。今後も学校全体の取り組みやいじめ対策委員会の活動内容などを周知していく必要がある。


〔教職員〕
No.1「本校での教育活動について、教職員で日常的に話し合っている」(否定的回答:16.3%)、No.2「各年度のシラバス作成に当たって、各部、学年、教科、学習グループ等の教職員で話し合っている」(否定的回答:16.3%)、No.13「学校は効率的・効率的な組織運営の構築(業務改善)に取り組んでいる」(否定的回答:17.8%)となった。業務の見直し、遅刻欠席連絡のGoogleフォーム導入、学部目標の変更などに取り組んでいるが、さらに積極的に業務改善などに取り組んでいく必要がある。


〇来年度主に取り組むべき内容
・子どもの障がい理解、授業力・専門性を高める研修機会の充実
・教職員の「効率的・機能的な組織運営(業務改善)に向けた取り組みの推進」

〈山本委員長〉
項目は府教委から示されたものか。学校独自のものか。独自のものなら、答えづらいものは変更をしてもよいのではないか。

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〈吉村教頭〉
府教委から示された項目もある。すべてにおいて本校にあてはまるとは限らないので、質問の仕方によっては保護者も「わからない」と捉えられるものもあると思う。

〈山本委員長〉
例えば、No.2「参観された方は、授業は子どもにとってわかりやすく楽しいと感じていたか」など、限定的なアンケートでもよいのではないか。改善しなければ「わからない」回答が減らない。ただ、参観をしていないと答えられないことが問題となり、連絡帳の内容が保護者の気持ちとなりうることがある。授業参観週間以外に保護者が授業を見る機会はあるのか。

〈林委員〉
学期ごとに参観週間を設けていただいているので、都合をつけて参観はしやすい。参観週間以外でも、参観できるので、地域の学校よりも意識をすれば参観できる機会は多い。

〈吉村教頭〉
子どもの主体的な考えを家庭で問うのは確かに難しい部分はある。改善が必要な項目かもしれない。

〈藤嶋首席〉
府立学校は生徒が自己診断をすることからスタートをしている。支援学校では行っておらず、保護者へのアンケート項目に必ず入れるものが設定されている。ただ、その内容がわかりにくいものもあり、以前からわからない回答があるのも事実である。本校でも答えやすいように改善をしながら実施をしているが、今後も改善が必要である。

〈山本委員長〉
先生方の頑張りが肯定的評価につながるようになってもらいたい。

〈藤嶋首席〉
学校教育自己診断以外にも今年も毎学期、授業アンケートも行っている。

〈吉村教頭〉
授業アンケートはGoogleフォームで実施した。1学期64名、2学期54名、3学期は現段階で11名の回答である。3学期は来週に提出をされる方もいるので、まだまだ増えると考えている。

〈山本委員長〉
授業アンケートと学校教育自己診断が合わさったものになるとよいのではないか。ICTを活用して使用できる児童生徒には授業の評価ができたら参考になるかもしれない。

〈高田委員〉 「わからない」回答が減ることは望ましい。答えやすい項目に改善ができるのであれば行ってもらいたい。

〈加藤委員〉
コロナ禍が終わり、保護者の方が学校や園に来てもらったり、保護者と直接お話を伺ったりする機会が増えている。ただ、増えたといっても各家庭でも違いがあり、仕事をされているご家庭は難しい部分もあるのもわかる。

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〈林委員〉
アンケートのGoogleフォーム導入はぜひ保護者にも勧めていただきたい。入院などで登校ができない場合、プリントだと提出ができない。他にも提出できないご家庭もあったのではないか。

〈藤嶋首席〉
Googleフォームで1度の回答を設定するためにはアカウントの発行が必要となる。現在整備をしているところなので、プリントでの提出とハイブリット方式を次年度以降の目標としていく。

〈山本委員長〉
Googleフォームは複数回同じ人が回答すると、その回答は更新されていくのか。

〈藤嶋首席〉
更新はされず回答数だけが増えていく。正しい結果に出すために1度の回答設定が必要であり、全児童生徒にアカウントの発行が必要となる。

〈山本委員長〉
教員の仕事が増えるのではないか。

〈藤嶋首席〉
府立学校はシステムエンジニアなどの配置はされていない。

〈杉本校長〉
府立高校も生徒がパソコン端末使用するためにアカウントを付与する。助言などをする府の職員が数名で府立学校を巡回しているが常駐はしていない。すぐに必要な府立高校が優先されることがある。

〈山本委員長〉
大阪府はICT活用を進めてはいるが、現場に負担が強いられ、教員が疲弊していくのではないか。

〈藤嶋首席〉
「働き方改革」がうたわれているが、一方で支援学校は業務上の特性で進みづらい部分もある。今後も検討が必要となる。

〈山本委員長〉
箕面支援学校は主に肢体不自由校であるが、保護者アンケートNo.14「医療的ケアへの取り組みの評価」が高いことや防災対策への評価も高い水準を維持している。75%肯定的評価であると十分評価されていると考えられるが85%をすべての項目で超えている。

〈藤嶋首席〉
保護者の回答率も以前は60%台であったが、現在は80%まで増えてきている。精度としては高いと考えている。

〈山本委員長〉
学校教育自己診断は、回答率も上がっている中で、肯定的評価の水準も高い。箕面支援学校は望ましい教育活動や学校運営、保護者との関係においても努力し、望ましい状況であることが確認されたと学校運営協議会として結論付ける。
最後に、教職員アンケートNo.1「教育活動について教職員で日常的に話し合っている」の否定的回答の理由を分析する必要があるのではないか。項目の内容が幅広く捉えること

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ができすぎる。肯定的な否定にも読み取れる。打ち合わせや仕事分担などの話はするが、教員間の信頼の元、児童生徒とかかわっているので、話し合うことは必要ないと捉えることもできる。

〈藤嶋首席〉
この項目は府からは「本校の教育課題について」となっているが、昨年度から本校では「本校の教育活動について」と変更をしている。しかしながら、クラスや学年の児童生徒、授業、行事の話し合いと捉える教職員もいるが、学校経営計画の内容を話し合うとも捉えることもできるので答え方も難しいかもしれない。

〈吉村教頭〉
毎年、教職員向けにストレスチェックを実施しているが、本校の強みとして「職場の対人関係」、「仕事の適性度」、「上司からのサポート」、「同僚からのサポート」の4点は高水準である。チームとしてまとまっていると見て取れるが、No.1の回答としてもっと児童生徒の話し合いがしたいと思っている教員がいると捉えることもできる。

〈山本委員長〉
さまざまな観点で答えられるような項目があるのであれば、教職員向けに回答方法の説明をすると、もう少し観点が一致した精度の高いアンケート結果になってくるのではないか。今後、検討をしていただきたい。

【令和5年度学校経営計画評価について】(自己評価について)

〈杉本校長〉
目標が達成されている項目には「〇」を、未達成の項目には「△」としている。

2(2)ア 地域の小中学校等での研修講師派遣は、のべ25名を目標としていたが、 23名だったため「△」としている。

(3)ア 児童生徒ならびに教職員はGoogleフォーム欠席連絡を入れられるようになり、
業務の改善を図ったり、感染情報についても教職員が一覧で見られるように
なったりした。
「職場ストレスチェック総合健康リスク値」100以下を目標としていたが、
96だったため「〇」としている。

3(1)ア ブログ更新回数は130回を目標とし125回だったため「△」としている。
教職員の肯定的評価が87.6%だったこともあり、学校の発信力を高めら
れるような検討をしていく。
(2)イ みのおしえん相談ルームの活用では、10ケース以上の相談を目標として
いたが、35ケース(外部27件、内部8件)であったため「〇」としている。
4(1)ウ 箕面市立学校への人権に関する授業は、目標を5校としていたが、11校22
授業を実施したため「◎」としている。1校で複数クラスを実施するケー
スも多かった。
(2)イ 感染症対策マニュアルの更新は、感染状況が落ち着き、マニュアルの更新が
行われなかったため「△」としている。

〈髙田委員〉
みのおしえん相談ルームでの相談内容の傾向を教えていただきたい。

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〈杉本校長〉

地域の児童生徒の行動上の問題、より専門的な指導法、アセスメントなどが主である。相談を受けることで、ある一定解決をしているケースが多い。

〈髙田委員〉
リーディングスタッフの人材育成などは学校内で行っているのか。

〈杉本校長〉
本校ではリーディングスタッフが3名在籍しており、全体で18時間の講師が配属されている。人事異動で、経験のある教員に担当をしてもらったり、コーディネーターアドバンス研修に参加したりすることもある。

〈高田委員〉
福祉の現場では、専門的な知識や豊富な経験が備わっていれば解決が難しくない相談内容ケースが多い。相談したが解決できなかった場合、否定的な評価となり、それが広がると今後の対応にも支障をきたすこともあるので、質の担保はとても大切なことである。

〈藤嶋首席〉
リーディングスタッフは地域ブロック(本校は豊能ブロック)ごとの集まりもあり、情報共有やノウハウを得ている。地域の学校向けに学習会も実施し、幅広い支援を行っている。近年、リーディングスタッフは支援学校のセンター的機能を発揮し、地域支援に力を入れてとても頑張っている。

〈山本委員長〉                                     外部に対してニーズも高く、適切な対応もできている。一定の専門性を維持するため地域ブロックの教員と情報交換、研修にも力を入れている。同じ分野の教員同士が意見交換をする機会を持つことも専門性を高めるひとつ方法であるため、学校運営協議会としては年々評価できる部分である。

〈吉村教頭〉
相談をした後に満足か不満かを評価してもらえると次にどのように改善ができるのかを考えられる。今回の協議会での評価を次に生かしていきたい。

〈加藤委員〉
わかたけ園では療育と保育を行っている。生活全般を大切にし、さまざまなスタッフがかかわっている。保護者の方も学校見学をする中で、医療的ケアを実施しながら学習と生活を両立している様子をみて、箕面支援学校を選ばれることが多い。

〈林委員〉
ICT活用をPTAとしても力を入れているが、オンラインで学校同士をつなぎ、運動会のようなことを実施した学校があると聞いた。視線入力で綱引きや徒競走をしたとのこと。様々なアプリを利用することで校内でも何か実施できたら、教育の幅が広がるのではないかと思った。

〈藤嶋首席〉                                       一昨年「分身ロボットOrihime」を借りていたことがある。今後オンラインボッチャ大会などを実施ができたらと話していたこともあった。

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〈山本委員長〉

以前、キャリア教育の校内研修の充実を課題として挙げていたと記憶している。今回、肯定的回答が上がり、否定的回答が下がっていることは課題解決が結果として出てきているのではないか。全国的に最初は職業訓練的な視点で始まったキャリア教育が人生を送るためのさまざまなスキルを身につける教育へと変化していった。そのような変化のある中で、先生方のキャリア教育への理解も難しかったが、校内での基本的な理解が得られたことで浸透してきたのではないか。コロナ禍が明けて、実習や共同学習などが実施できるようになったことだけでは、以前と同じような混乱があったと思う。目標をたてて取り組んでいたことが評価されたと理解してもよい。スヌーズレンに関しても「定着」とされていると評価してよい。
出前授業やみのおしえん相談ルームなどにおいても「共生社会の推進」に非常に貢献している。学校運営協議会としても評価できる部分である。
その他、ICT活用も進めながら、隙間の時間に体を緩めたり、ほぐしたり、関節を緩めたりする活動も行ってもらいたい。体の動きを活性化させる取り組みを行うことで、脳も活性化していく。必要な感覚を体感させることで、卒業後の生活も変わってくる。そのような感覚を身につけさせることは教員しかできないことだと思うのでぜひ実施してもらいたい。

【令和6年度学校経営計画について】(変更点)
〈杉本校長〉
中期的目標(重点目標)
3(4)「進路指導の充実」を新規。
4(2)「感染症対策」を削除し「防犯」へ変更。
中期的目標(評価指標)
2(2)イ 実践と取り組みを学校ホームページで発信していくことを課題に挙げる。
3(1)イ Googleフォーム活用にあたってさらに定着を図る。
(2)ア リーディングスタッフが地域のコーディネーターを対象に研修を実施すること
で小中学校への教員に理解を深めていく。
3(4) 豊中支援学校との協力や進路説明会の開催、体験実習の促進を行っていく。
4(2)イ 不審者侵入に対応した訓練を実施する。複数の訓練を組み合わせた防災訓練も実
施していく。
(3)イ 医療的ケア対象の児童生徒の連絡方法の確立を目指し、教員、看護師、養護教諭
でトランシーバーを活用した連携を深めていく。

〈山本委員長〉
令和6年度学校経営計画を承認する。


【校長より】
今年度もたくさんの貴重なご意見ありがとうございました。今後も児童生徒のために頑張っていきます。本日はありがとうございました。

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