高等部3年生 卒業制作プロジェクトin 美術

 本校高等部3年生の美術は、週に一回行っており、毎年最後の制作活動は卒業記念品の制作として何個かを作り、持ち帰っていました。

 12月、何を作りたいか生徒たちたずねると、「持ち帰るものよりみんなで何か作りたい、学校に残るもの、役に立つものを作りたい。」といった声が上がり、そこからみんなで考えて、いろいろな候補が上がりましたが、今回製作した「高等部棟」と書かれた看板を作ることになりました。

 今年度の3年生の主な学年活動が陶芸だったので、一文字一文字担当を決め文字をデザインし陶土で成形しました。出来上がった大きな文字をキャンパスに見立てて、班ごとにテーマを決め色々な飾りを貼り付けました。この時には別々のカリキュラムの肢体不自由のクラスの生徒も参加し学年全員で取り組みました。

テーマは3年間の思い出の中から「作業学習」「遠足」「運動会」「文化祭」「宿泊学習・修学旅行」の飾りとなっています。お近くを通る際にはぜひ、少し足を止めて細工をじっくりご覧下さい。綱引きをする生徒たちや、遠足で見た民族学博物館のたくさんのお面、木工で作ったイスなど、生徒一人一人の学校生活の思い入れのある形となり、個性豊かに散りばめられています。

  制作にあたって大きな課題となったのは、素材の陶板というものの重量、看板という特性もあり視認性を高めることはもちろんですが、文字の大きさによりそんなに小さくはできない。風雨にも晒されるので、安全な取り付け場所はどこか、これらの問題を進路指導部の教員を通じて、地域で金属加工や看板制作を行っている企業にあたり、相談してみました。どこも快く話を聞いてくれた事とても感謝しています。とある企業からあそこならできるんではないかと紹介された企業が、そのご縁により「株式会社 一ノ瀬製作所」さんをご紹介いただきました。アドバイスだけでなく制作を全面的に協力して下さり、忙しい中何度も打ち合わせを重ね、最後は取り付けまで行っていただきました。

取り付け後日行われた卒業式では、式後にたくさんの生徒が卒業制作のこの看板前で保護者や友だちたちと記念撮影をしていました。当日は天候にも恵まれ看板前ではみんな湿っぽくはならず、晴れやかで達成感のある笑顔で看板前で撮影をしていたことが印象的でした。