「主体的な学びのすすめ」

みなさん、これから一人一台の端末(パソコン=PC)が導入されます。担任や教科担当から使い方が説明されるので、よく聞いて使い方に慣れ、使用のルールを守り活用して下さい。

 このPCは、コロナ禍において、学校に来れない状況を補うためだけに活用するものではありません。普段の授業や学校での教育活動の場面においても、大いに役立つものです。

 唐突ですが、みなさんは、なぜ学校に来て学ぶのでしょう。オンラインでの個別学習だけなら、わざわざ学校に来て学ぶ必要はありません。一人ひとりが自宅でPCの前で個別に学習すれば、すみます。

 学校に来て学ぶ大きな意義は、先生や仲間と学びの「場」を共有することで、個別学習では得られない「力」を得ることができることです。集団で学ぶ意義は「場」の共有によるエンパワメント(内なる力を引き出す)です。自分個人としては、乗り気ではなくでも、みんなと一緒に授業や行事に参加し、先生や周りの仲間のやりとりに触発されて、元気が出てきたことはありませんか。それは「場」の力があなたを促し、「力」を引き出したのです。

 しかし、この学びの「場」も一人ひとりが積極的に「場」に参加しなければ、「力」を引き出すものになりません。ただただ指示に従っているだけ、その場に座っているだけ、聞いているだけなど、やらされている「受け身の学び」では、「場」に流されているだけで、ある程度の「力」は「場」によって引き出されるものの、自らで現実を切り開く主体としての「力」は身につきにくいのです。

 さて、このPCは操作するという能動的な行動なくして、全く動作しません。ログインする、アプリを開く、入力するなど、このPCの活用には、みなさん一人ひとりの能動的な行動が不可欠です。このPCを使っての能動的な行動が、「自由意志」による「主体的な学び」につながるきっかけになります。

 実際、PCを操作して様々なアプリケーションを使いこなすことができることそのものは楽しいことです。また、様々な情報にアクセスし、日常生活に役立てたり、様々な情報を吟味し視野を広げたり、考えを深めたりすることは喜ばしいことです。

 一人ひとりの「個別最適な学び」においても、他者とともに学ぶ「協働的な学び」においても、オンラインによる「学び」あれ、リアルな「場」の共有による「学び」であれ、このPCの活用が「受け身の学び」から「主体的な学び」へのきっかけになること、これが最も大切です。

 これを機に、「学び」の楽しさ、おもしろさ、豊かさを味わうことを願っています。

2021年10月

                                     校長 上本 雅也