(第25話)一貫したキャリア教育

「校長はん、今年もあとわずかになりましたな。1年は早いもんでんな」

「ほんまに」

「学校は今日で仕事納めでっか」

「せやで、今年はカレンダーの並びがええから、明日から9連休ですわ」

「よろしいな、ゆっくり休みなはれ」

「おおきに、ところで今年最後の話やけど、北やん、キャリア教育って何か知ってまっか?」

「知らんなあ、キャリア言うたら、エリートを育てる教育でっか?」

「それもあるかもしれんけどな、ここで言うキャリアとは経験を積んでいくことなんや。将来何になりたいかとか、子どもの頃からの夢ってあるやろ。北やんは子どものころ何かなりたい仕事ってあったんか?」

「ワシは、あん摩や鍼灸の仕事をするもんやって決めてたけどな」

「それはそれでええことやと思うで。でも今はいろいろな仕事があるからな、見えてへんでも必ずしもあん摩や鍼灸の道だけやあれへん」

「校長はんは子どものころから校長になろって思ってましたんか」

「そんなわけないやん。いろいろ一生懸命に仕事しとったら校長になっとってん」

「へぇ、成り行きで校長になりはってんな」

「でも、なるときは、視覚障がいのある子どもや中途障がいの人の役に微力でも立ちたいと思ったからなったんや。志はあってんで」

「まあ、校長は大変な仕事やからな。志がないとできへんわな」

「障がいのある子どものいる親御さんは、子どもが将来どのように育って、どんな仕事ができるかってすごく心配やと思うねん」

「せやな、そら心配やと思うで」

「うちでは、一昨年前にキャリアプランニングマトリックスって言うのを作って、幼稚部から高等部卒業、あるいは専攻科を見通したキャリアプランを示せるようにしてん。幼稚部から高等部専攻科まであるのがうちの強みやから、一貫したキャリアプランが組めるツールとして活用してるねん」

「そのキャリアが経験を作っていくことやな」

「ただ、子どもは一人ひとり違うから簡単に当てはめることは難しいけど、目安みたいなものは示せると思うで。うちの職業などの授業を見ると、生徒は真剣に集中してやってるし、社会性なども身についてきていると思うで」

「視覚支援学校の生徒は、まじめな子が多いからな」

「進路部でも、職域開拓に動いてくれているし、それぞれの生徒に合った進路が見つかることが一番やと思うで。キャリアプランニング・マトリックスは高等部だけでなく、幼稚部から見通しをもって子どもの成長を学校と保護者が協力して支援していくものやねん」

「その中で、自分に合ったことを見つけていくんやな」

「そうですわ」

「あん摩マッサージ指圧の仕事もええ仕事やからPRしとってな」

次回へ続く