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(第24話)自分の障がいを受け入れるのって大変(その2)

「それで、障がいの受容やけどな、障がいを隠すそうとするのはまだ入口や」

「まだ障がいの受容に入ってへんていうことやな」

「まず、その病名が告げられるとどうなる?別に網膜色素変性症(色変)に限ったことやあれえへん、どんな病気でもそうや、もう治る見込みがありまへんってお医者さんに言われたら?」

「そら、ショックやわ。ワシなんかショックで寝込んでまうわ」

「せやろ、それが普通や、それをショック期って言いまんねん。その次に来るのが否認期でんねん」

「え、何で障がいになったら避妊しまんねん」

「その避妊とちゃうわ。障がいにあった自分を否定しようとするんや。なんでオレだけがこんな目に合うねんとか、そしてその次が混乱期、事故に遭った場合やったら恨みや後悔が起こったり、色変の場合は落ち込んでしまってひきこもる場合が多いんや」

「そらそうやわな。障がいを負ってすぐに、さあ、これから頑張るぞって人はおらんわな」

「そらそうや、でもその時期の関り方が大事なんや。障がいに向き合えとか頑張れって言っても逆効果なことが多い。周囲の人は障がいを負った人に寄り添いながら、時に専門家の力も借りながら関わっていって、できるだけこの時期を短くしてやらなあかんねん。そこが大事なんや」

「校長はんはそこらへんはえらい詳しいでんな」

「ワテは校長の前は教員、その前は理学療法士(PT)でリハビリの仕事やってたよってに、いろんな障がいの人と接してきましたからな」

「そうでしたな」

「リハビリでは次の期が大事なんやで。解決への努力期と言って、障がいを負った人がこのままやったらあかん、何とかせなって思えるようになってきた時期や。PTやOT(作業療法士)といったリハビリスタッフが関わるのはここなんやけどな」

「でも治らへんていう病気やったリハビリに力が入りまへんやん」

「色変のリハビリには直接PTやOTは関わらんけどな、考え方は同じや、歩行訓練や生活訓練、職業訓練、点字やICTの活用などは解決への努力期に当たるんや」

「そうやな」

「そして最後が受容期になるねんけど、自分自身でも受容できてるんかっていうと難しいねん。中途視覚障がいの人で完全に受容したって言える人っているんやろかって思うわ」

「ワシも一回でも見えたらなぁって思うもんな。見えてた人が見えんようになってきたらそうかもしれんな」

「まあ、一番大事なんは解決への努力期やな、いまうちの学校の専攻科で勉強してはる生徒さんは、まさにその時期なんやで」

「中途視覚障がいの皆さんの中で、解決への努力期にいる方であん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師に興味のある方はオープンスクール終わったけどいつでも相談に乗りまっせ。連絡は♪大阪06ムァサージは七千番大阪北視覚へ(6328-7000)」

「北やんおおきに」

次回へ続く