大阪府公立高校大会　決勝トーナメント　結果報告（その１）

〇大会概要

　今回の参加校は男子８２校、女子９４校。今年から男子の決勝トーナメント参加校数が女子と同数の１６になっています。１０月下旬から１１月上旬にかけて各学区予選が行われ、勝ち抜いた学校による決勝トーナメントです。

　山田高校は過去２年男女共に優勝し、今回は男女共に３連覇がかかっていました。昨年までは男子に絶対的エースがおり、女子は現３年生の層がとても厚く、盤石の体制で優勝できたといえます。しかし、今年はそんな先輩に割って入ることが中々できなかったメンバー中心です。男子は昨年出場経験のある者は１名のみ、２年生３名（内１名は高校始め）と１年生４名、女子に至っては全員が初出場で２年生５名と１年生２名でした。

〇トーナメント抽選

　前年度優勝の山田高校は、男女ともに第１シードです。当日の朝に抽選が行われましたが、男女で明暗のわかれた結果となりました。

　男子は、最も警戒していた優勝候補の一角である交野高校となんと初戦で対戦することとなりました。しかし、互いに様子がつかめていない初戦での対戦を逆にチャンスととらえ、試合勘を持たれパフォーマンスが上がる前にこちらが最大限の準備をして勝利を目指そうと部員にも伝えました。

　一方で女子は抽選に恵まれました。中学時代に高い実績を誇る選手を擁する前年度準優勝の四条畷高校は第２シードに配置されます。同様な選手を擁する生野高校が厳しい相手になると考えていましたが、逆サイドの四条畷側の山になりました。他にも府の大会でベスト１６の学校もおり、万全の体制で挑まなければなりませんが、最悪の結果は免れました。

〇初戦開始

　９時半に始まった女子１回戦の相手は藤井寺高校でした。２つのダブルスが手堅く連勝し、第１シングルスに２年生部長を起用。ベストパフォーマンスとは言えないものの、最後は意地をみせて何とかストレート勝ち。３ー０の勝利となりました。

　女子と入れ替わりで男子の試合が始まりました。初戦は交野高校。オーダー、ダブルスは外されました。互いのエースダブルスは互いのセカンドダブルスと対戦。ともにストレートで勝負がつき、１－１で第１シングルスを迎えました。良いスマッシュを持っているものの、カットやネットをエラーし失点し、互いに譲らず得点が競り合う展開で、１ゲーム目は延長にもつれ２３－２１でなんとか奪取。セカンドゲームも同様の展開でした。中盤でミスが出て相手にリードされながらの後半、先に相手にゲームポイントを握られ苦しい状況でした。それでも１８－２０からラリーを引っ張り粘り強く戦いました。しぶとく闘い、３連続ポイントで２１－２０と逆転！一度は追いつかれましたがまた連続ポイントで２３－２１の逆転勝ち。このシングルスを落とすと後がないだけに、すべてを左右する試合だったといっても過言ではありませんでした。本当によく頑張りました。

　第２シングルスはエース同士の対戦。しかし、相手が１枚上手で、点差をつけられる厳しい戦いでした。０－２で敗戦。これで勝負の行方は第３シングルスにゆだねられました。

　こちらは１年生で、緊張からか１ゲーム目は動きがかたくベストからは程遠いパフォーマンスしか発揮できていませんでした。後ろで見ていても表情、顔色がよくありませんでした。甘いクリアーをうつか、カットやスマッシュを大きくアウトするか、自分を見失うとはまさにこのこと。１５－２１で落とし、もはやこれまで万事休すか...と思いました。

　インターバルでミスを減らすことの大事さをアドバイスし、２ゲーム目。周囲の応援、顧問の励まし、本人も開き直ったのか徐々に体が動き始め、我慢強くラリーを続けられるようになり、自信を取り戻しつつ２１－１４で奪い返しました。元々エースを狙える球をもっている選手なのでエラーさえ減らすことができれば、十分通用するのです。ファイナルゲーム、序盤は１－５と相手にリードを許す嫌な入り方をしてしまいました。でも自分を見失わず、連続ポイントで逆転、１１－８で折り返すと、自分でも声を出して鼓舞し、２１－１６で劇的な逆転勝利！試合の中で我慢強くなり、精神的にもタフになりました。

　３－２で勝つことができました。まさに九死に一生を得た本日最大の難関を突破したころには、正午をゆうに過ぎていました。精神的にも体力的にもここが一番苦しかったと思います。１年生２人が逆境に負けず逆転勝利をあげたことは、今後の財産にもなるはずです。

結果報告（その２）へ続く