全国肢体不自由教育研究協議会北海道大会③

文部科学省初等中等教育局の視学官より「特別支援教育の動向と肢体不自由教育への期待〜授業づくりと子どもの学びを中心に〜」と題して講話をいただきました。中央教育審議会での議論の経過や、次期学習指導要領に向けた基本的な考え方について、最新の情報を分かりやすく教示いただきました。議論の様子はYouTubeで随時公開されていますので、関心のある方はぜひご覧ください。 後半の「肢体不自由教育における授業力向上〜深い学びの実装を考える〜」では、深い学びを具体的に授業へ落とし込む方法について多くの示唆がありました。特別支援教育において、子ども一人ひとりの学びをどう深めていくかを改めて考える貴重な機会となりました。 「深い学び」と聞いて思い込みが生まれていないか。「深い学び」というと、つい、高度な社会課題の解決、討論や対話による学び合い、といった"高度な学習"を思い浮かべがちです。一方で、知的障がいのある子どもには「知識が断片的になりやすく、生活で生かしにくい」という特徴が指摘されています。しかし、これが教師に「繰り返していれば身につく」という固定観念を生ませている場面もあるのではないでしょうか。 繰り返しは重要ですが、繰り返せば自動的に深まるわけではありません。 断片的になりやすいからこそ、その断片をつなぐ授業づくりが必要です。子どもがどの部分を断片的に理解しているのかを丁寧に把握し、断片同士を結びつけるための仕掛けを設計すること。ここにこそ「深い学び」を実現する意味があります。 教師がこの問いを追究することこそが、特別支援教育における「深い学びへの挑戦」であることを我々は常に考えていきたいと思います。