JUMP金剛82号 「前進」、新たな時代を迎えて

 38期生のみなさん、卒業、おめでとうございます。思い起こせば、3年前の春、満開の桜が惜しみなく花びらを降り注ぐ中、あなた方38期生の入学とともに、私は18年ぶりに金剛高校に帰ってきました。緊張に身を固くしていた入学式から、卒業の今日に至るまで、共に様々な経験を積み重ねた3年を振り返ると、感慨も一入です。

 あなた方38期生は、本校の普通科総合選択制、最後の卒業生です。5つのエリアでの学びを通じて、様々な力を身につけました。すばるホールでの最後のエリア発表会は今でも鮮明に覚えています。

 また、あなた方は令和最初の卒業生でもあります。「和やかで、調和のとれた、平和で、美しい、よい時代にさせるのだ」との願いが込められた新時代を作り上げるために、社会的な問題に関心を持ち、持続可能な社会に向けて、自らの立ち位置から社会を変革して欲しい。

 そして何よりもあなた方は本校創立40周年の卒業生です。創立40周年の記念式典でも申し上げたように、本校は「地域」「多様性」「誠実」を特長とする学校です。卒業生たちは、卒業してからも金剛高校の卒業生であることに誇りを持ち、金剛高校の応援団として、本校を支えてくれています。あなた方も、これからその一員に加わるのです。

 今、まさに社会は過渡期です。先行き不透明な時代にあって、あなた方は今後、様々な困難にも直面するかもしれません。しかし、恐れ、怯むことなく、40周年記念式典で書法部が大きく書き上げたように、果敢に「前進」して下さい。

 あなた方には「宝物」があります。金剛高校での経験は、かけがえのない私たち一人ひとりの人生を形づくる「宝物」となっています。体育祭や文化祭、修学旅行、部活動での、あの時、あの瞬間の「美しい」姿は決して消え去ることはないのです。この「宝物」が、みなさんの今後の人生の支えになります。そして生きる指針を示してくれます。

 しかも周りには金剛高校を支える多くの応援団がいます。あなた方は決して「独り」ではありません。金剛高校というホームスクールを中心として、多くのつながりの中で生きているのです。だから、果敢に「前進」しようとしても大丈夫です。もし、困難な状況の中で、自分だけの力ではどうしようもない地点に追い詰められ、身近に相談する人がいなければ、金剛高校に来てください。

 私もこの3年間で多くのことを学びました。楽しいこと、うれしいことばかりではなく、苦しいことや辛いことも多く経験しました。その経験を活かし、私もさらなる「深まり」に向け「前進」しようと思っています。あなた方38期生とともに歩んだ経験が、私の内なる力を引き出してくれたからです。その意味で、38期生の生徒のみなさんや保護者の方々、教え導いていただいた教職員の方々に心より感謝申し上げます。

 願いと決意、感謝の気持ちを込めて、新たな時代に卒業を迎えるにあたっての慶びの言葉とします。

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