第2回学校運営協議会報告

令和3年度 大阪府立箕面支援学校 第2回「学校運営協議会」報告書

日 時

令和3年11月19日(金) 10:00~11:30(本校校長室にて)

出席者

協議会委員

職名等

学校事務局

校務分掌等

山本 智子

皇學館大学 教育学部

准教授

早野 眞美

校長

阿久根 賢一

社会福祉法人 福祥福祉会 理事長

栃原 恵

教頭

千馬 外代美

本校後援会 会長

稲野 早苗

教頭

髙田 浩行

宝塚市社会福祉協議会

総合相談支援課長 兼 障害者自立生活支援センター長

古川 義文

事務長

中尾 貴子

本校保護者(PTA会長)

藤嶋 耕治

首席(高等部付)

事務局長

宮脇 敦子

首席(中学部付)

(欠席者)

李 容司

首席

養護教諭

岡田 美智子

吹田市立こども発達支援センター わかたけ園 園長

米良 知之

中学部主事

楠 大智郎

指導教諭

(欠席者)

北村 直樹

高等部主事

下野 広文

小学部主事

おもな

テーマ

・学校経営計画の進捗状況について

協議内容

の概略

1.学校長挨拶

2.令和4年度使用教科用図書について

3.学校経営計画の進捗状況について

・パワー自立活動プロジェクト(3年目)の取り組みについて

4.事務局より諸連絡 学校長挨拶

※会の途中でカフェ体験(中学部生徒よりカフェデリバリー) 

※会の終了後に可能な方のみ校内見学

協議内容

質疑応答

提言等

【開会、校長挨拶】

この間、感染症拡大状況が落ち着いており、泊を伴う行事(宿泊学習、修学旅行)について、1学期から延期されたものと当初予定していたものとを無事に実施することができている。今回の学校運営協議会においても、この間の取り組みを報告させていただき、委員の皆様からの様々なご意見を頂ければ幸いです。

【学校経営計画の進捗について報告】

1.「一人ひとりの教育的ニーズを踏まえた教育活動の推進」に関して

2.「支援教育に関する高い専門性と授業力の向上」に関して

3.「保護者や地域に信頼される開かれた学校づくり」に関して

4.「安全で安心な学校づくり」に関して

【令和4年度 使用教科用図書採択について】

<委員A>

教科書について、小学部リストに「ノンタン」シリーズが入っているのだが、就学前の療育園等でも使っている。もう少し新鮮味のあるものを選定できないか。また、中学部までは教科の教科書があるのに、高等部の選定数が少ないことについて、生徒の実態で調整が難しいといった理由があるのかも知れないが、現状どのような対応をとっているのか。

→(事務局A)高等部については、生徒の実態や教科の授業担当等の関係で教科書選定しにくい状況がある。生徒の実態に応じて学習課題プリント等を活用して対応している。ただ、教育委員会からも採択する教科書が少ないとの指摘がある。どの学部についても制度の中で可能な限り児童生徒の実態に合った教科書を選定できるよう検討していきたい。

【「パワー自立活動」の取り組みについて担当者より説明、および質疑・応答】

<委員A>

 自立活動における「パワープレート」等の機器活用について、日々の連絡帳等で本人が気に入って取り組んでいる様子が伝わってくる。各種機器ごとのマニュアル掲示はもちろん、指導上で活用するにあたり、機器の使用方法・活用方法を知ること、まずは教員自身が実際に機器を体験する機会を設定することが非常に大切ではないかと思う。

<委員B>

 「パワー自立活動」専門の教員や指導体制はどうなっているのか。また、保護者からの感想等があれば教えていただきたい。

→(事務局B)特に資格等を設けているわけではない。実際に指導するのは個々の教員であるが、私自身が自立活動専任の「自立活動アドバイザリースタッフ」という立場で、中心的に研修や指導を進めながら取り組んでいる。また、保護者からの評価については、アンケート等を実施していないが、担当している教員からの声として概ね肯定的に受け止めていただいている。

<委員C>

 効果的な部分、メリットについての表記があるが、取り組む上で、「子ども自身の意思決定支援」という視点、「子どもたちをその気にさせる」という点で配慮していることがあれば教えていただきたい。

→(事務局B)「パワープレート」の振動刺激についても、児童生徒個々に好き嫌いはあると感じている。最初は振動刺激を嫌がる場面があっても、少しずつ慣れていき、楽しく取り組むようになった事例もある。教員が「今日はどれにする?」と選択を促して取り組む場面もある。そうした取り組みを積み上げることで、子どもが主体的に選択・意思決定しながら取り組めるようにしていきたいと考えている。

<委員D>

 児童生徒個々の目的や目標の設定にあたり、保護者との共通認識をどのように図っているのか。

→(事務局B)子どもによって目的は大きく違ってくる。「トレッドミル」を例に挙げると、「有酸素運動で体力向上を図ること」が目的なのか、「歩行する能力を高めること」が目的なのか、目的が違っている。指導に際して、まず自立活動の「個別の指導計画」の保護者ニーズを把握し、教員に向けても機器の活用によって、より有効な活動となるという視点でのアドバイスを行っている。

<委員E>

自立活動の指導について、教員の世代交代や専門性の課題、「何を指導したらよいのかわからない」という現状がある中で、こうした取り組みは非常にうまくいっているのではないか。子どもたちの「動機づけ」や「選ぶ経験」の機会保障になっていることは良いことである。ただ、「GMFCS」(粗大運動能力分類システム)の視点で個別の指導計画や評価を行うことで危惧するのは、教員自身が、よくわからない子どもの身体や指導方法について、子どもの状態を固定的に捉えた取り組みになってしまうことである。「どの子どもにも成長・発達、変化していく可能性がある」ということを押さえていくことが大切だと思う。さらに、「この子の人生がより良いものになればいいな」という思いをベースにして、いろいろな指導を考えていかなければならないということを伝えていく必要がある。「よくわからないけれど、これさえやっておけばいい」という考えで取り組み、ただ時間が過ぎてチャイムが鳴って終わり。終わりのチャイムが教員のトークンになっているようでは困る。教員のモチベーション、指導者としての在り方を、どのように深めていくことができるかが、今後継続して、より良いものにしていくための課題ではないか。自立活動の取り組みとは、個々の教員が、「その日の天候」、「その日の気温」、「その日の感情の振れ幅」等を考慮して「その日にフィットする自立活動」に取り組むことが理想ではないかと考えている。基礎を積み上げて理想に近付けていってほしい。

【質疑・応答、その他感想等】

<委員A>

 本校の医療的ケア実施体制について、府下でも取り組みが進んでおり、「医ケア先進校」となっているのにも関わらず、そのことを知らない保護者もおり、学校と保護者とで現状認識のズレがあるケースが見受けられる。教職員の頑張りが、しっかりと保護者に伝わるような情報発信の工夫が必要ではないか。発信することで、保護者の安心にもつながるだろう。

<委員B>

府の通学支援事業について、現在14名が利用しているということで、課題・問題点があれば教えていただきたい。

→(事務局A)基本的には保護者と事業所との契約なので、車両と看護師とを保護者で探していただくことになっているが、すぐに見つからない現状がある。ただ、看護師ヘルパーについては、日頃から入っている訪問看護等のつながりで比較的確保できるのだが、車両については様々な規定があって見つからない場合も多く、事業所を探す際に学校が持っている情報も提供しながら何とか確保することができている。

→<委員A>当日、体調不良等でキャンセル料が発生する場合に保護者負担になると聞いたが、そうではないはず。利用する保護者に向けてのアナウンスが不足している状況がある。府と事業所と保護者とにしっかりと周知するが必要がある。個別のケースで、不明な点があれば、府の窓口に問い合わせることで間違いないと思う。

<委員B>大災害時の備えについて、国から「災害時個別支援計画」を策定することが行政の努力義務になったとの通達があった。障がい者は避難所で困ることが多々あるので、避難所で「災害時個別支援計画」をもとに必要な支援を可能にするというもの。学校ではどうなっているのか。

→(事務局C)現時点で、学校としては策定していない。学校管理下で避難している場合は、児童生徒の状況を教職員が把握しているので、対応できるかと思う。ただ、通学バス運行途上での避難が必要となった場合については、個別の災害時避難計画のようなものがあった方が良いかと思う。薬については、災害時用の薬を別途ポーチに入れて通学カバンに入れて携行している。

また、PTA安全部で「在宅避難」に活用できるような資料をファイルにまとめて配付している。

<委員C>

 「ペアレント・トレーニング」について、学校として実施しているのか。

→(校長より)学校としては実施していないが、保護者の状況や児童生徒に関わって相談があった場合には、個別に相談・支援しているケースがある。

<委員D>

  学校を知ってもらう機会は非常に大切であるが、例えば、「プレス・リリース」することが学校単位で可能なのか。府立学校なので、様々な制約があるとは思うが、可能であれば、どんどん発信していく必要があるだろう。経営資源を確保することは府の予算上、難しいことだと思うが、学校の自由度をもっと高めて、民間で盛んに行っている「ファンドレイジング」のように、必要な人やモノを集めることができれば、学校の活動をさらに地域社会に広め、貢献していけるのではないか。

<委員E>

 大災害時の備えについて、避難訓練やBCP等、形式的なものから具体的なものへと進化しながら取り組んでいる様子がうかがえて、非常に感心した。学校としての環境が整ってきていると感じる。その上で、やはり教員の力量が問われていくであろうし、何よりも基礎が大切である。今後も教員の基礎固めを大切にして取り組みを進めていってほしい。

【閉会、校長挨拶】

 今回も委員の皆様から貴重なご意見、ご指摘、アドバイスをたくさんいただき感謝している。今後の学校経営に生かしていきたい。

【事務局より】

第3回の日程についてご確認ください。本日はありがとうございました。