(第5話)網膜色素変性症の話(その1)

「修学旅行楽しそうでんな。修学旅行に行ってはったんか?」

「いいや、ワテやのうて教頭さんに付いて行ってもろてましてん」

「でも楽しそうな写真がいっぱい載ってますやん」

「はじめは教頭さんからの写真を校長ブログに載せてましてんけどな、学校日誌と被るよってに途中からそっちに移しましてん」

「さよか。そんで第4話からずいぶんあいてるけど、どないなってますねん」

「すんまへん、ワテも忙しいさかいにな、せやから不定期に上げるって言ってまんがな」

「校長はん、そんで今日は何の話や」

「今日は、ワテの病気でもある網膜色素変性症、色変(しきへん)っていうのについて何回かに分けて話しますわ」

「色変ってどんな病気や」

「ワテの感覚では盲学校の生徒で一番多いんとちゃうかと思うで。でもな、同じ色変ちゅうてもいろんな種類があるらしいわ。一般的なこと言うけど、ワテの症状と違うという人もおるかもしれん、怒らんといてな」

「怒らへんわ、そんなことで」

「色変は、子どものころから暗いところが見えにくいのが初期症状やねん。ワテも子どものころ夜花火をしたり、キャンプファイヤーをしたときに、何でみんなあんなに暗いところを走り回れるんやろと思ってたもんですわ」

次回に続く