39期生のみなさん、元気ですか。学校に行きたくても行けない、部活動したくてもできない、遊びに行きたくても遊べない。様々なことが制限される中で、辛い日々を過ごしていることと思います。
季節はすっかり春です。みなさんが登校できない日々が続くのに、日の出ている時間は長くなること、桜は咲き、そして散ること、気温が高くなっていることが不思議でなりません。横田にとって、春とは新しいクラスでみなさんを待ち受けるものでした。それができないままですと、いくら気温が上がろうと春になった気がしません。
雪の内に 春は来にけり 鶯の こほれるなみだ いまやとくらむ
(藤原高子 『古今和歌集』巻第一)
「雪がまだ降っているのに、もう春が来てしまった。冬の間じゅう凍っていた鶯の涙は、今もうとけているであろうか。」という意味の和歌です。この歌では、暦の上では「春」が来たのに、実際は雪が降りまだ春らしくないという季節感と、春を感じられる日を心待ちにする思いが詠まれています。
狭山高校に春はまだ来ていません。みなさんが登校できて、やっと狭山高校の春は始まります。今は辛いかもしれませんが、自分にできることをしっかり行い、良い春を待ちましょう。春は必ず来ます。みなさんとともに、緑樹の春が狭山高校に訪れることを心待ちにしています。
大阪府立狭山高等学校 39期学年主任 横田和哉