天高の超絶技巧

 皆さん、4月後半に入りました。一日の気温差が10度を超える日が続いています。体調を崩しやすいから注意しましょう。

 ところで、正門を入ってスロープを上がった右手に毎年美しい花を咲かせている木があるんですが、気づいていましたか?

 さて、この木の名前は何でしょう。

 きれいなやや濃いめのピンク、ほっそりとした花びらが特徴です。

 実は桃の一種、花びらの形から、キクモモという名前がついているそうです。

 桜はかなり散ってしまいましたが、まだ私がいるよと言わんばかりに校庭に彩りを添えてくれる木々や花たちでした。

 少しずつ交代しながら、違う顔を見せてくれる自然の姿。毎日の校内巡回の楽しみの一つですね。

 今日は、美術・工芸教室を訪問してきました。

 おや、工芸教室の机の上に食べかけのミカンが放置?  休校中ですよね。先生のしわざでしょうか。

 いえいえ、これは生徒の手による工芸作品。なんと
木を削って彩色したミカンです。

 信じられますか? 木ですよ。ミカンの皮の質感が
見事に表現されていますね。

 本校では、毎年2月に1年生の美術・工芸・書道の授業で制作した作品を展示する校内作品展が開かれます。美術の先生に、今年の新入生の参考になるように残してくれたという昨年の作品を見せてもらいました。その中から工芸の作品をあといくつか紹介しましょう。

 あれ、今度は黒板消しを机の上に置きっぱなし?黒板に戻しましょう。でも、黒板にも黒板消しが
ありますよ。並べてみましょう。

 どっちが本物? そのとおりです。いい感じに使いこなしたように見えるほうが木工作品です!

 私は毎年この校内作品展をすごく楽しみにしています。藍染作品、絵画、書と力作が並びます。
そして、この工芸作品は天高生のまさに腕の見せ所。じっくりとご覧ください。

 昨年、あべのハルカス美術館で「超絶技巧展」という美術展がありました。ご覧になった方も多いと思います。本物と見まがうような木工作品が数多く出展されていましたが、天高生の作品もそれに劣らぬ出来映えです。「天高の超絶技巧」と私は密かに名付けています。

 見ていてとても楽しくなりましたので、ちょっとクイズを出しましょう。次の文具の中に本物が一つ紛れ込んでいます。見つけられますか。よーく見てくださいよ。

 私は、天高生のすごいところは、最後までとことんやり抜く執念だと思っています。大切な「こだわり」です。工芸作品はその一つの例です。音楽も、研究部も、文化部も、運動部も、行事も、そして勉強も。それぞれの場面で、とことん本物を追求する天高生の姿があります。いつも言うのですが、人は夢中になって、我を忘れて一つのことに取り組んだときに、それまで持っていなかった本物の力が身につくのだと私は思います。大人になったとき、自分が少し人よりも得意なことがあるとしたら、それはこれまでに夢中になってやったことなんです。そしてその力はきっと人の役に立ちます。社会に貢献する力になるのです。

 さあ、また明日もとことん夢中になって取り組みましょう。

 令和2年4月16日 学校長