本日、4月6日10時より、本校体育館にて、平成29年度入学式が挙行されました。73期生360名が新しく布施高校生になりました。壇上から新入生の姿を見ていると、期待と不安と、そしてやる気に満ちている顔、顔、顔・・・です。こちらも、気が引き締まります。さぁ、今日がスタートです。高校生活をスタートさせましょう!
以下、入学式での式辞を掲載します。
春うららかな今日この日に、多くのご来賓と保護者の皆様のご臨席のもと、平成二十九年度布施高等学校全日制課程入学式を挙行できますことは、本校にとりまして、この上ない喜びであり、心から感謝申し上げます。
ただ今、入学を許可いたしました、三百六十名の新入生のみなさん、入学おめでとう。みなさんの入学を心から歓迎いたします。みなさんは高校入試という人生最初の試練を見事に克服し、晴れて今日この日を迎えたわけであります。この喜びは、みなさんの堅実な努力の賜であることは、言うまでもありません。これからの長い人生において、今日は、心に残る1ページになると思います。
さて、新たな高校生活を始めるあなたたちに、私から3つの「関心」について話をしたいと思います。
一つ目は、「学問への関心」です。学校は学習の場です。人類が長い時間をかけて積み上げてきた英知を学び、引き継ぐ場です。高校の授業で学ぶ内容は、今後の人生の基礎教養となる内容です。学校での学びを進めるうえで、学問への関心を高めてほしいと思います。私は、あなたたちが受験に際して書いた自己申告書をすべて読みました。多くの生徒が、大学への進学を希望しています。大学への進学という高みをめざすことはすばらしいことです。しかし、あなたたちの自己申告書の内容で決定的に欠けている所があります。それは、「何を学びに大学に行くのか?」ということです。大学は「学問の府」と呼ばれる所です。「何を学びに大学に行くのか?」この問いに対する答えが得られるように、布施高校での3年間の学びで、「学問への関心」を高めてほしいと思います。
二つ目は、「本への関心」です。若者の活字離れが叫ばれて久しいですが、最近は大人も読書から離れています。通勤電車の中では、携帯電話でゲームに興じる大人の姿をよく見かけます。嘆かわしい事です。読書は、学問の学びと同様に、あなたたちの人生を豊かにします。人格を豊かにします。個性を伸ばします。本の世界は無限です。いろいろな世界にあなた達をいざなってくれます。高校入学を機に、スマートフォンを手にする人も多いと思います。どうか、スマホの奴隷にならないでください。たかが機械に拘束されることの無いようにしてください。10代の感性豊かな時期を読書に時間を使って欲しいと思います。どうか、読書への関心を高めてください。
三つ目は、「世界への関心」です。私は、昨年度タイ、台湾、シカゴと海外に出かけ、多くの若者と接してきました。どの国でも、若者の目は、世界を向いています。特に、アジアの若者たちは、世界への関心が強いと言えます。タイの小学校では、英語の授業が行われていました。タイの教育大学で学生と話した時は、流暢な英語が返ってきました。タイの政府機関を訪れて分かったことは、国家の存亡をかけてグローバル社会に乗り出そうとしているということです。あなたたちは、どうですか?世界を視野に入れていますか?世界の動きを自分の言葉で語れますか?世界の若者は、「自分はこう思う」とはっきりと主張します。自分の意見や考えをもたず、語ることができないのは、日本の若者の弱点です。2019年、日本でラグビーワールドカップが開催されます。花園ラグビー場も会場のひとつです。あなたたちが3年生になった秋には、海外から多くの方が、東大阪を訪れるでしょう。その時、布施高校の生徒達が、率先して大会を盛り上げるリーダーシップを発揮してほしいと思っています。布施高校での3年間、どうか、世界への関心を高め、政治、文化、宗教、生き方等、自分の考えについて自分の言葉で語ることが出来るようになってください。
ご列席いただいています保護者の皆様、お子様のご入学、心からお祝い申し上げます。今日まで、いろいろなご苦労があったかと存じますが、これでひとまずご安心されたものと思います。私ども教職員は、本日入学したお子様への指導に、渾身の努力を惜しまないことをお誓い申し上げます。私は、入学式のこの式辞で、毎回保護者の方に伝えていることがあります。それは、高等学校の3年間は、「親離れ」「子離れ」の時期であるということです。わが子を自立させる時期です。今までは暖かく抱きしめ、両手で包み込んだ子育てをされてきたと思います。これからは、親の「生き様」を子どもに見せる、「背中で育てること」が大事になります。このことを毎回伝えておりますが、保護者の方の接し方を見させていただく中で、「いつになったら子どもを大人として扱われるのだろう?」と思うような場面に出会うこともあります。どうか、保護者の皆様におかれましては、本校の教育方針をご理解いただいた上で、「子どもを大人にする教育」にご協力ご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。
最後に、本日入学した七三期生三六〇名が、互いに切磋琢磨し、互いに鍛え上げて、大きく成長する集団となる事を願って、私の式辞といたします。
平成29年4月6日
大阪府立布施高等学校
校長 上野 佳哉