いやーまさに、抱腹絶倒!本のタイトルにあるようにほんとに「イラン人は面白すぎる!」 まさに、その通りの本です。この「イラン人は面白すぎる!」の本が、本屋でたまたま目に留まりました。誰が書いているのかというと、エマミ・シュン・サラミさん。なんと吉本の芸人さんです。目次を見ると、
「第1章 陽気なイスラム教」
「????」が頭の中を連打します。「イスラム教って、陽気なの?戒律は厳しいし、ラマダンはあるし、1日に5回お祈りしなければならないし、それになんといっても豚肉は食べられない!どこが陽気なの?」と思いながら、それでも買いました。ところが、最初から面白い!日本人が持つイスラム教への思いや見方、ある意味偏見も含めて、ことごとく覆されますよ。電車の中で読んでいて、思わず声が出そうになるほど面白い。おそらく、この本を読んでいる私を電車で見た人は、「この人、本読んで、ニタニタしているけど、大丈夫?変な人じゃない?」と思ったに違いない。それほどおもしろい!
まず、作者のエマミ・シュン・サラミさんは、現在「デスペラード」という漫才コンビを日本人と組んでいるイラン人です。彼曰く、彼らのネタは、
「アメリカの悪口や、イスラム教や国際テロ組織アルイカイダをいじったものばかりで、まさに(タブーのミルフィーユ)だ。」
「こんなことだから、表舞台に立たせてもらう機会は少ない。たまにテレビ番組の収録に、呼ばれることがあっても、ネタをはじめるやいないやディレクターがあわててカメラを止めてしまう。」(p3~p4)
というしろもの。そんなエマミさんが書いた本がこの本なのですが、彼は漫才をやるたびに、「日本人ってイラン人とイラク人の区別はついていないだろうな・・・」とか、「絶対、イラン人のことやイスラム教徒を誤解している」と思うようになって、「本当のイラン人は、めちゃめちゃ面白いやつらなんだ!」とわかってもらうために、この本を書いたのです。この本は、彼がイランで育ったときの経験(まさに、彼が聞き、見て、体験したこと)の話です。それだけに、とてもリアルで目からうろこです。如何に面白いかを分かってもらうために、一つだけエピソードを紹介しましょう。
イランの親子にある会話
母「アンタ、今回のテスト50点しか取れてないじゃない、ちゃんと勉強したの?」
子「いっぱい勉強したよ。100点取れると思ったのにアラーが50点持ち去っていったんだ」(p26~27)
何これ?アラーってイスラム教の絶対神ですよね。こんな言い訳にアラーを持ち出して大丈夫なの?と思いますが、これはブラックジョークでもなんでもない。普通に親子で交わされる会話です。こんな会話は序の口で、もっと面白い話がいっぱい載っている。知りたい人は、本を読んでください。
エマミさん、この校長便りをもし読んだら、連絡ください。是非、生徒にイスラムの話、イランの話をしてほしいと思います!