1年「保健講話」

 本日6時間めに、大阪公立大学看護学部助教授の 高 知恵 先生を講師にお招きし、多目的ホールにて1年生対象の保健講話を行いました。タイトルは「おつきあいのテーマとデートバイオレンスの予防」、高先生は毎年この時期に同じテーマで話をしてくださっています。

 高校生になると、互いに特別な好意を持って、ときには「おつきあい」が始まることもあるでしょう。それ自体が決して悪いことではありません。相手のことを思うと心が時めいたり、一緒にいるだけで幸せな気持ちになったりと、今までに体験しなかったような様々な気持ちが生じ、相手を思いやり、慈しみ、人として大きく成長するきっかけになることもあるでしょう。

 しかし、一方で、おつきあいをすることで窮屈な思いをすることもあるかもしれません。それぞれには、別の生活の基盤があり、自己の進路実現に向けた目標もあり、一緒にいたくてもいられない正当な理由はたくさんあります。ところが、例えば「昨夜ラインしたのに返してくれない。なんでやろ。」とすぐに不安になったり、あるいは、相手にすぐに返事することを強要したい気持ちになったりすることもあり得そうです。

 相手のことが好きになり、相手を思いやる心から始まったのに、いつの間にか、相手より自分の気持ちを優先して、時には相手の行動を束縛してしまう...。恋愛にはそんな危うさを誰もが持っていると認識していた方が人間の本質に近いように感じます。決してそうならないように自分の気持ちや衝動を自制する心が必要です。

 「どちらか一方の気持ちが変わったら、それは受け入らなければなりません。生きるということは、成長し、変化すること。裏切りではありません。相手と自分の成長を願いましょう!」と先生は仰いました。

 「ずっと一緒にいようね」と言ってたのに...、と裏切られたような、あるいは、捨てられたような気持になるのは当然考えられます。それでも、自分を抑え、相手の気持ちを尊重する。もちろん、そうであるべきだ、とも分かっています。だから辛い。とても辛い。そして哀しい。寂しい。だから、別れの歌がたくさんあるのですね。

 「さよならは、成長と新たな出会いのチャンス」

 先生のスライドにはそう書かれてありました。幸せに満ちたおつきあいが、いつの間にか「デートDV」の被害者と加害者の関係になっていたり、あるいは、別れをどうしても受け入れることができずに「ストーカー行為」に及んだり、そんなニュースを聞くことがあります。自分を大切にしてほしいと願っています。高先生有難うございました。