夏至のころを迎えました🌞

 夏至のころを迎えました。今日の大阪の日出は4時45分、日没は19時14分、昼の長さが14時間29分になります。太陽は最も空高く昇り、1年で最も日射が強く、紫外線や熱中症への十分な対策が必要です。併せて今年の6月は記録的な暑さに見舞われており、重ねて注意が必要です。

 ところでこの頃の果物と言えば枇杷。今年も校庭の枇杷にたくさんの実が鈴生り、鮮やかなオレンジ色は鳥の目につきやすくするためでしょう。空を飛び、たくさんのエネルギーを消費する鳥にカロリー満点の甘い果実を召し上がってもらい、一緒に飲み込まれた種を遠くに運んでもらってフンと一緒に土に返してもらう。そうして枇杷はいのちのバトンを次の世代へと渡そうとしているのでしょう。お見事ですね。

 校庭の枇杷の木の根元に鉢植えの鉄砲ユリが純白の花弁を広げていました。綺麗ですね。こちらのターゲットは虫たち。ユリ特有の強い匂いに誘われた昆虫によって受粉がなされます。

 ところで、人が暑さを感じる4要素は、①気温 ②湿度 ③風 ④日射 だと言われています。暑い夏を少しでも快適に過ごすために、これら4つのどれかに働きかけるいろいろな道具を作ってきました。例えば、今や必需品となっているエアコンは①②③の3つに作用しますし、扇風機や扇子は③、カーテンや簾、日傘は④ですね。エアコンがなかった時代は夕方に打ち水をしたり、氷柱を置いたり、いろいろと工夫していたことでしょう。

 ①室温を冷やす ②除湿する ③風を起こす ④日射を遮る この4つが涼を取るポイントになりますが、もう一つ⑤がありそうですね。

 それは、上のユリのような花を飾って色や香りを楽しんだり、水のせせらぎや虫の声を聴いたり、といった⑤こころに作用するものです。

 日本には古くから生け花の習慣があるそうですが、そのルーツは山里に自生するヤマユリを手折って部屋に飾ったのが始まりではないかと言われています(何かの書物を読んで知っているだけですが)。

 筑波嶺の早百合の花の夜床にも愛しけ妹ぞ昼も愛しけ  20巻4369

 万葉集にヤマユリの歌が散見されますが、すでにこの頃から手折って持ち帰ったのではと言われているようです。もちろん、美しいヤマユリの姿と香りが愛でられたからでしょうが、暑い夏、部屋にいてヤマユリが自生する山里に思いを馳せ、涼を感じていたのかもしれません。

 生物の実習教員の先生が見事に咲かせてくださったチューリップのあとに、テッポウユリを咲かせてくれました。その近くでムラサキツユクサとヒメジオンが群生しています。花を見ていると、少し涼しく思います。暑さには気を付けてくださいね(^^)/