平成三十年度 入学式式辞
色とりどりの花が咲き競う、春のこの佳き日に、新入生ならびに保護者の皆様方をお迎えし、第七十三回入学式を挙行できますことは、われわれ泉大津高校教職員一同にっとって大きな慶びです。また、ご来賓の皆様方には、公私何かとご多用な中、ご臨席を賜り、新入生の前途を祝して頂きますことを、高い処からではございますが厚く御礼申しあげます。
ただ今、入学を許可しました280名の皆さん、入学おめでとうございます。 また、保護者の皆様には、お子様の御入学を心からお喜び申しあげます。 本校は、1941年大阪府立第十五高等女学校として設立され、その後「大阪府立大津高等学校」に改名、1950年、夏の甲子園出場を期に、現在の「大阪府立泉大津高等学校」に改称して、創立77年目を迎えます。卒業生は二万六千名を超え、泉州地域の伝統校として多くの優秀な人材を輩出してきました。また、親子三代が泉大津高校出身というご家庭もあり、地域に愛される学校であります。
さて、先の合格発表では、皆さんはそれまでの受験勉強の苦労が報われる感激の瞬間を味わいました。その感激をご家族や友人、先生方と一緒になって分かちあい、陰日向になって励まし、支えてくれた方への感謝の思いを抱いた人も多かったと思います。一方で合格が叶わなかった仲間のことを心配した人もいたのではないでしょうか。 このような様々な思いを込めて、皆さんには、『一度しかない高校生活を大切に過ごす』ということをしっかりと受け止めてほしいと願っています。「高校時代にしかできないこと」「泉大津高校でしかできないこと」に、自ら進んで取り組んでほしいのです。
本校は「君にしかできない夢(こと)が、泉大津(ここ)にある」をキャッチフレーズに、皆さんの夢を大きく膨らませ、その実現に向けて教職員一同が皆さんを最大限のサポートすることを目標に掲げています。
泉大津高校第73期生として高校生活をスタートする皆さんが、3年間を楽しく、実り多い時を過ごしてもらうために、私から1つのメッセージを贈ります。 それは、しっかりと「学ぶ」ということです。毎日の授業に積極的に取組み、家庭学習にも取組むことで、その知識や技能が、これからの人生の土台となります。土台づくりをしっかりすることで、様々な建物を建てることができるわけです。そして、単に受け身の姿勢で知識や技能を覚えるだけなく、自分の頭で考え、様々な疑問や課題を見つけて、自分なりの答えを出し、他人と意見を交わしながら、より深い学びへとつながっていきます。 また、「学ぶ」ことは、授業だけに限りません、例えば部活動では、自分の興味のあることに挑戦し、上達の為に努力したり工夫したり、仲間と励まし合ったりすることが、大切な学びとなります。また、本校生は体育祭や文化祭などの学校行事に大変熱心に取り組みます。ひとつの行事を成功させるには、その企画から運営、本番までに多くの課題を解決しながら仲間と力をあわせることになります。成功すれば、仲間と喜びを分かち合う貴重な経験を得ます。まさに、生きた学びへとつながっていきます。これ以外にも、校外での体験やボランティア活動を含め、沢山の「学び」のチャンスが拡がっています。 是非、皆さんには高校時代でしかできない沢山の「学び」と出会い、大きな夢につなげてほしいと考えています。 三年後、皆さんの「学び」の成果を楽しみにしています。
皆さんの世代は、教育改革の渦の中心にあります。来年度、国語・数学・英語での「高校生に求められる基礎学力の確実な習得」を図るため「高校生のための学びの基礎診断」が実施され、再来年度には、現行のセンター試験に代わって「大学入学共通テスト」が導入されます。いずれも知識量を問う従来型の問題に加えて、思考力・判断力・表現力を問う記述式問題が導入されます。この教育改革の目的は、大きく変わる21世紀社会を生き抜くため、その担い手となる君たちが、身につけるべき力を育成する為の改革です。
要約すれば、「自分の持つ知識や情報から答えを導き出し。異なる考えを持つ他者と意見を交わしながら、より正しい答えにたどりつける力」といってよいかと思います。
生徒の皆さん、そして保護者の皆様。われわれ教職員一同は、只今申し上げた教育改革の流れをしっかりと汲み取った実践を、生徒の皆さんと進めていく所存であります。 生徒が主体的に学べる教育を充実させるため、保護者の皆様には、ご理解・ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
また、ご臨席を賜りましたご来賓の皆様には、これまで以上のご指導、ご支援の程よろしくお願い申しあげます。 新入生の皆さん、何か困ったことがあれば、何でも先生に相談してください。 ともに、素晴らしい三年間を創っていきましょう。 以上、入学式の式辞といたします。
平成30年 4月 9日
大阪府立泉大津高等学校
校 長 濵本 泰治